痛くない麻酔とは? |
||
抜歯のはなし
歯科小手術
|
痛くない麻酔とは、色々な条件が整うことが必要です。
まず針をさすところ(刺入点)に、表面麻酔を行い針を刺すときの 痛みを軽減させることが大切です。 表面麻酔にも色々な種類があります。 スプレー状のもの、パッチ状のもの、塗り薬状と様々です。 術者の使いやすいもので十分です。 一般に歯肉の粘膜は皮膚と異なり表面麻酔がよく効きます。 しかしスプレー状の表面麻酔薬を臼歯部等に多く使うと、 喉がしびれて飲み込むときの違和感を覚えたりするので、 適量を用いることが大切です。 通常の麻酔よりも早く覚めるので心配することはありません。 また注射針をできるだけ細いものを使うのも効果的です。 一般には30Gをつかいますが、細いものとしては33Gもあります。 数字が大きいほど細くなります。 ちなみに献血で使う針は18G位です。 麻酔薬の温度を体温に近くすると、温度差による痛みが軽減されます。 現在は使い捨ての麻酔の薬の入ったカートリッジを使うのが主流ですが、 それをあたためる市販の麻酔薬ウォーマーもあります。この器具の中に麻酔薬のカートリッジを入れることにより、 37度近くに麻酔薬を保温しておきます。 一般に麻酔薬を冷蔵庫にいれておかない限り、 室温であればそんなに気にすることはありません。 次に大切なのは、注入速度です。 早く術者が力をいれて麻酔薬を注入すると痛みの原因となります。 できるだけ時間をかけてゆっくり注入することが大切です。 注入速度が早いと周囲の組織を圧迫して痛みの原因になります。 あとは注入場所です。 口の中は部位によって痛みが異なります。 たとえば口蓋(これは上顎の歯列より中の部分で舌を上にあげて 触れるところです)の粘膜は、 比較的硬くここに注射をするときは他の部位よりも痛みを感じやすいです。 注射液が硬くてしっかりくっついた口蓋の粘膜の下に入り 圧迫する力が痛みとして感じます。 麻酔薬が入って効くまでの時間を余裕をもち、ゆっくりと目的の ところを麻酔させることが大切です。 さらに、麻酔が効かないときは麻酔薬を追加することは いうまでもありません。 炎症が強いと麻酔が効きにくい場合があります。 炎症があると組織が酸性になっており、麻酔薬が中和される ようになり、麻酔が効きにくいときがあります。 このような場合には、緊急性がないかぎり炎症がおさまるのを 待つほうが無難です。
|