噛むことの大切さ
抜歯のはなし 

歯科小手術

掲示板

E-MAIL

 

最近介護保険の話題が新聞紙面をにぎわすことがあります。

要介護の方をフォローしていく制度です。

介護の必要な方は食事の介護も必要な場合がほとんどです。

中には、口の中にまで注意がまわらず食べる楽しみを奪っている

こともあります。また8020運動といって80歳で20本の歯を残そうと

いう運動があります。現実ではとても達成できる数字ではありません。

しかし、80歳でも20本の歯が残っている方もいます。

自分の歯で、食べれる食物を選ばないで噛めるということは、まさに

長寿の秘訣です。人間の欲求である食欲が満たされなければ、

健康であろうはずがありません。

ある統計では歯の残った数とぼけとは反比例するといいます。

つまり残った歯の数が少ないほどぼけやすいということです。

どんなに合った義歯を入れていても、自分の歯にはかないません。

ましてや、あっていない義歯を入れていれば食事の都度歯肉が痛み、

食事がおいしく食べれません。そうなると、食事が苦痛となり食への

興味が失せてくることは、当然の事と思います。

径口摂取ができずチューブで流動食を食べるようになると、

気力が衰えてくるように思えるのは私だけでしょうか?

口から食物を入れ、よく噛んで、食物がよくこなれて、唾液とよく

混ざれば、消化にもよくなります。また口の周りの筋肉を使うことで、

顎や歯が鍛えられます。鍛えないと衰えてきます。

たとえば噛まない歯、つまり使わない歯ほど歯槽膿漏になりやすく

なります。

抜歯したままにしておくと、噛む相手の歯は機能しなくなります。

噛みあわせが狂って、他の歯につけがまわらないようにしなくては

なりません。

 

食事の環境も大切です。

私もよくしてしまうのですが、テレビを見ながらだとついつい噛む

回数が減ってしまいます。またテレビの位置によっては首を傾けて

食べる習慣がついてしまいます。正面を向かないで首を傾げて

食べる習慣がつくと、片側で食べる習慣(片側咀嚼)が身について

しまいます。片側ばかりで噛むと、噛む側に負担がかかりいわゆる

オーバーワークの状態になり,顎関節症になったりします。

 

食事の注意点を列挙すると

・時間をかけて食べる

当然噛む回数が多くなります。

唾液の分泌が良くなり、唾液の消化酵素が多くなり消化を助けます。

・よく噛んで食べる

食物に唾液がよく混ざります。

食物が小さく粉砕され消化しやすい大きさになります。

がく関節や咀嚼筋が鍛えられます。

・テレビをつけずに家族だんらんの時間とする

家族のコミュニケーションがとれます

ゆっくり食べる習慣がつきます。

ゆっくり食べるということは当然噛む回数が増えます。

ゆっくり食べると丁度いい食事の量で満腹中枢より満腹の信号が

きます。いわゆる早食いにをすると、満腹中枢よりの信号の遅れが

出て、肥満の原因になります。

・色々な食感・色の食物をとる

硬いもの、柔らかいもの、ねばねばしたもの等、食感が異なり、

また色が異なれば 食卓がはなやかになりかつバランスがとれた

食事ができます。

・食欲を増す工夫をする

食前酒や照明を変えてみたりちょっとした工夫で食欲が増します。

結論は自分の歯でよく噛み、脳に刺激をよく与え常に意欲的な生活を

することで若々しく、いつまでもぼけない生活が営めるということです。

噛めないということは、何らかがあります。

専門医にかかることで、問題解決は可能です。

噛めなくて当然と思わないで、専門医に相談することをお勧め

いたします。

患者の立場に立ち、よく話を聞いてくれる歯科医が本当の意味での

ホームドクターです。 

NEXT

TOP