雑文

世紀末リップバトル
-水面下の闘いが浮上したとき-

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いやぁ、こんな面白いことになるとは・・・長生きはするもんです(爆)

べつにサクラ自体は私は全然やってないので思い入れもなにもないのですが、そんなことはどーでもよくなっちゃうくらい今回の事件は面白いです(^^;;
当然、事の真相なんて知らないから下衆の勘ぐりになっちゃいますが、いろいろ思うところがあるのでつらつらと書いてみようかと思います(笑)

まぁ何のことかわからない人もいるかと思うので・・・

1999年2/5発売の週間ファミ通にマリーガルの代表取締役である香山哲氏が、「-香山哲の提示- ゲームは誰のものか」というテーマでファミ通の編集長と対談する記事が掲載されました。実際はそんな高尚なテーマではなくただ単にマリーガルの宣伝みたいなものでしたが(爆)

その中で香山氏はいろいろな進行中のタイトルを発表し、その中で「『サクラ大戦』をゲームボーイカラーで年内に発売する」と発言、終止「ゲームは会社のものではなくクリエイターのものだ。我々は今後もそれを支持していく」みたいな論調で編集長と対談してるんですな。
なんでもサクラに関しては広井王子氏からオファーがあってセガの了承もとってるとかで。 実際ファミ通の表紙にスクープ扱いで「『サクラ大戦』がゲームボーイカラーで!!」なんて出てたし。しかも表紙の中2箇所も。

そのくだりをちょっと書くと・・・

広井さんはゲームボーイカラーでやりたかったんですよ。で、関係者の了解をちゃんと得るためにセガに話をしに行った。けっきょくマリーガル的思想からすれば、『サクラ大戦』は誰のものですかと。
(中略)
このソフトは俺のものってソフト会社の経営者が思っちゃってるんです。ソフトは作った人のものなのに。これは「サクラ大戦」のためになると僕は思ってます。

一応説明しておくとマリーガルは任天堂とリクルートが共同出資した、いわゆるプロデュース会社です。ソフトハウスに資金を提供し、あがりの一部を徴集する。「お金は気にしないでソフト製作に専念してくださいね」ってことですね。
最近では「ピカチュウげんきでちゅう」なんかがマリーガル絡み。

で、この記事に関してセガは2/4(ファミ通の発売前)、入交昭一郎氏のコメントを自社のホームページに掲載。その異例ともいえる対応の早さもあったけど衝撃的だったのはむしろそのコメントの内容でした。
ゴメン・・・転載させてね(笑)変に文章変えちゃうと意味がないので(^^;;

「週刊ファミ通」の記事内容は、マリーガルの香山氏が一方的に発表したものです。
香山氏から『サクラ大戦』をゲームボーイカラーで発売したいというご提案をいただいているのは事実ですが、この提案に対してセガとしては条件をつけています。
その条件とは「ゲームボーイカラーとドリームキャストをつなぐこと」です。
香山氏が『サクラ大戦』のゲームボーイカラー版を発表されたということは、この条件を満たす目処がついたということなのでしょう。
まだ、その具体的な話はセガ側にはきていないのですが。
この話が実現したということであれば、非常に楽しみですね。

サクラ大戦製作総指揮 入交昭一郎

コレが掲載された直後一部で「・・・てことは、SEGAと任天堂が提携!やったぁー!」みたいな意見が見られたんだけど・・・
一体どこをどう読み間違えたらそんな考えになるんだろうねぇ(笑)

確かに提携というシナリオになる可能性はゼロじゃないことも確か。世紀末ですから(笑)
でもこのコメントはそんなことを言うつもりはさらさらないんだよね。
おだやかな文体ではあるけれど非常に毒があり、なおかつ自分の印象を落とさない、上手い文章です(笑)
掲載が早かったのも今回は技あり。

まあ極論をいっちゃえば「んな話聞いてねぇぞ。勝手にベラベラしゃべってんじゃねぇよコラ」ってことなんだけど、先述の香山氏の発言にきちんと応えるカタチで「サクラ大戦の製作総指揮」という立場でコメントしてます。
実際サクラを語るときには広井氏が表に出ることが多いのは事実ですが、では、ソフトそのものを製作したのは一体誰なのか?
もちろんセガのコンシューマソフトの開発スタッフなんですね。開発費もプロモーションもキャラクターグッズの展開もセガ持ち。
「ソフトは作った人のもの(香山氏)」・・・その作った人の代表という立場を明確にした上で入交氏がこのように発言したことによって、香山氏の主張が一変して陳腐なものに変貌してしまいました。
ファミ通が嬉々として取り上げたスクープのおかげでいきなり渦中に放り込まれてしまったセガがこのような対応をしたことによって「スクープ」がただの「ゴシップ」になっちゃったんですねぇ(笑)話のウラも取らずにでかでかと見出しをつけて世に出しちゃったんだから。
ウラを取ったとしたらセガ側のコメントは「ノーコメントです」の一言で終わっていたハズ。遠回しにですが、煽ろうとしたファミ通に対しても強烈な一撃を食らわせてます。

こうなっちゃうともう記事中に香山氏の口からボロボロこぼれてきた他のタイトルに関しても「ホントに製作者の許可得て言ってるの?」ってことになってきます。「ゲームは誰のものか」という疑問がめぐりめぐって香山氏自身を直撃しちゃうわけです(笑)
で、出てくる答えは結局「ゲームは金を出したヤツのもの」ってことになっちゃう。マリーガルに報復(?)するには充分すぎるコメントです。

別にわたし自身はサクラがゲームボーイカラーで出ようがドリームキャストとゲームボーイカラーがつながろうが知ったこっちゃないんですけどね。興味を持ったのは別の部分ですから(笑)

香山氏は記事中にわざわざ「誌面で書いてもらってもオッケーですけど、騒ぎになるでしょうね」と言う(ファミ通側に対しては「書かせる」)くらいなので確信犯と言えます。よほど自信があるのでしょう。
発行部数及び発言力の大きいファミ通を通じて既成事実を作り上げマスコミ、ユーザーを煽りセガの外堀を固めていき、セガが「ノー」と言えない状況を作り上げようとしている、ともとれます。
しかし、その雑誌が発売される前にセガはそのことをやんわりと否定してしまった。しかも疑問の対象をマリーガルに向けさせるように。入交氏が「ゲームボーイカラーとドリームキャストをつなぐことが条件」と発言したことで本来蚊屋の外でいられたハズの任天堂まで引きずり込んでしまった。今回の件に関してはおそらく任天堂も被害者と言えるかもしれません。任天堂がマリーガルに「一体どういうことだ!?」となるのは必至でしょう。したたかすぎます(笑)
まるでドラマかなんかを見てるみたい(爆)

はっきりいってわたしは入交氏のコメントを読んだ時、日本国内のエライ人でここまである種ウィットに富んだ(笑)コメントができる人がいたのか、と感心しちゃいました。一見あいまいなように見えて真綿で相手の首を絞める・・・いやぁ恐い恐い(^^;;

香山氏の対談自体は前編で、次号に続くとなっているのでまだまだ予断を許さないです。
入交氏のコメントに対するなんらかの反応がマリーガルとファミ通からはたしてあるのか!?(いまさら言うことじゃないけど、入交氏のコメント内の「この話が実現したということであれ、非常に楽しみですね。」はこのことを指しているといってもいいでしょう。ますますしたたか(^^;;)
世紀末に起こった「壮舌戦」、ヤジ馬としてはどういう方向に話が動くのか非常に楽しみです(笑)

・・・てことはもしかしたら話がどっちかに動いた時にまた書かなくちゃならん、ってことなのかな?(^^;;

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