Grind core 目次

1. What's grind core

2. Grind core album list 41 title

 御異論等あると思います。メールにて、ご指導・ご鞭撻のほど、宜しくお願いし

 ます。     

   

 

 

 

 

 

 

What's Grind core

 人外魔境の地へようこそ。

 80年代前半のハードコアに対しては、私はある種の限界を感じていました。自分

たちを取り巻く現実や主張を叫んだけれども音楽的には発展性のないOiや、音楽的

な過激さを追求して、音の解釈(ノイズのようなギター音)に頼り、型にはまった音

楽しかできなかったノイズコアは、結局の所、オリジナル・パンクの貴重な遺産を食

い潰してしまい、85年頃にはパンク・シーンはほとんど滅び去った、と言っていい

所まで来ていました。誤解のないように言っておきますが、私はOiやノイズコア

は、パンクの歴史の貴重な一頁だと思っています。しかし、イメージにこだわって

社会から孤立し、その中でオリジナリティのない再生産を続けていけば、結果は目

に見えています。一般のファンは近づかなくなり、一部の例外を除き、パンクを発

展継承しようという気概は失われてしまいました。ディスチャージのような優れた

グループが、後期に酷いアルバムを出して解散していったのは、非常に残念である

と共に、80年代前半のハードコアを象徴していると思います。

 しかし、パンクはここで終わりませんでした。それはグラインド・コアという形

をとって80年代の後半に、パンクを正統的に発展継承したのです。このグライン

ド・コアの存在こそ、本当の意味でのパンクの凄さであり、私にとっても、パンク

に対する信頼を揺るぎなくするものでした。

 ディスチャージのアメリカ公演が行われた時、その観客の中に日本から来た一団

の若者たちがいました。彼らはバンドを結成し、演奏を始めました。「とにかく速

い音楽がやりたかった」という彼らは、SOBと名乗り、85年に「LEAVE ME

ALONE」というシングルを出します。この時点で、このシングルは期せずして世界

最高速の演奏となりました。この二年ほど前には、アメリカのDRIというグ

ループが殆どの曲が1分台という、これまた、その時点では世界最高速だと思われ

るアルバムを出しています。ハードコアのバンド群によって明らかにされた壁が、

外側からの揺さぶられ始めたのです。SOBは、イギリスに自分たちと似た音楽を

演奏しているグループがいるのに気付き、手紙を書きました。これ以降、この二つ

のバンドの親交が続くことになります。そのイギリスのグループこそが、ナパーム

・デスでした。

 ナパーム・デスが最初に姿を現したのは、クラスに送られてきたデモ・テープを

集めた編集盤「BULLSHIT DETECTOR」でした。ナパーム・デスが

クラスと繋がりがあるというのは、興味深い事実です。ナパーム・デスの表現の発

展の裏には、強い精神性があるということを裏付けているからです。事実、ナパー

ム・デスのメンバーは厳格な菜食主義者で、その歌詞は社会に対する糾弾や、問題

提起に埋まっています。ナパーム・デスは、数え切れない程のメンバー・チェンジ

を繰り返しながら、もの凄い勢いでその音楽を変えていきました。SOBなど、同

時期に活動していたバンドとお互いに影響を与え合い、ヘビィ・メタルをも巻き込

みながら、シーンは表現を発達させ、ついにブラスト・ビートという演奏法が生ま

れました。グラインド・コアの誕生です。

 グラインド・コアという言葉は、その音が粉砕機(道路工事の時、鉄の杭みたい

なやつで、古いアスファルトを突き崩しているのを見たことがあると思いますが、

あれをグラインダーといいます)によく似ている所から来ています。その音楽は、

「コンクリート・ミキサーに頭を突っ込んだみたいな音楽」「これはもう、音なん

てものじゃなくて岩の固まりか何かだ」と、各方面から絶賛?を浴びました。特に

ナパーム・デスは、その前人未踏のスピードから「光速のノイズ」などと呼ばれま

した。「ハード・コアを聞いて限界を感じたと言ったじゃないか。グラインド・コ

アだって同じやんけ」と言う人もいるかもしれませんが、それは違います。グライ

ンド・コアは、紙一重の向こう側の世界です。ここでは、オリジナル・パンクが持

っていた絶対自由の感覚を再び取り戻しています。ビル・ラズウェルは、なぜグラ

インド・コアを支持するのかという問いにこう答えています。「もっと速く、もっ

と過激になっていきそうだから」私も同感です。グラインド・コアを聞く時、あな

たは人外魔境の地にいるのです。そこは何が起こっても不思議はない世界なのです。

 グラインド・コア独特のヴォーカル・スタイル(野獣の咆哮のような低音と、悲

鳴のような高音のツイン・ヴォーカルが代表的な形)は、日本のハードコア・バン

ドの影響が強く出ています。オリジナル・パンクの項で、白人音楽としてパンクは

成立し、それが一種の壁を作っていると書きましたが、グラインド・コアは、ここ

でも壁を乗り越えることに成功しています。グラインド・コアの成立の過程では、

バッド・ブレインズのような黒人のバンク・バンドの影響もあるでしょう。(ダブ

などの影響が見られる)パンクは、本当の意味で偏見を排し、誰もが共有できる音

楽になったのです。

 グラインド・コアには様々な点で、従来のパンク・シーンに対する反作用が見ら

れるのも面白い所です。グラインド・コアのヴォーカル・スタイルでは、歌詞が殆

ど聞き取れなくなって(というよりも、歌詞があっても殆ど歌っていない)います

が、これはメッセージの伝達を信じないという、シニカルな精神的態度の現れでも

あります。(クラスが活動を停止したのは、自分たちのメッセージが正しく理解さ

れず、それゆえ、世界は決して変わることがないと悟ったことが一因になった)ま

た、ファッションの面でも、型にはまったパンクのスタイルは殆ど見られず、むし

ろ、それに反逆するかのように長髪が戻ってきていたりします。(尤も、これには

ヘビィ・メタルの影響があると思う)

 しかし、グラインドコアは商業的に全く成り立つものではありませんでした。グ

ラインド・コアは、この後、デス・メタルに統合され、イギリスのパンクの歴史は

これを持って幕を閉じます。(その後、出てくるイギリスのパンク・バンドは、むし

ろ、アメリカの動きに呼応する形で現れる)しかし、僅か十年の間に、こんな所ま

で突っ走ってきたパンクの狂気を考える時、この後、音楽の歴史では二度とこんな

ことは起こらないだろうと思っています。

 1987/09/13 の John peel sessions の最後に、Napalm death は you suffer,

but why? Part2 を演奏しています。まるで爆裂するかのような一秒足らずの演

奏と、それに続く十秒あまりの残響。これがパンクの辿り着いた究極の姿なので

す。

 

Grind core album list 41 title

ハードコアの項でも触れましたが、予算やプロデュース等の問題で、グラインドコア

のバンドも、実力に見合った良いアルバムを残すことができませんでした。Hersey

のように、アルバムの制作の失敗が原因で解散に追い込まれたグループのいますし、

Extreme noise terror や Doom は、1st album を録音し直して、再発しています。

しかし、幸運なことに DJ の John peel がグラインドコアに注目したため、

peel sessions の形で、バンドの最高の演奏が残っています。そこに録音されている

演奏の物凄さは、まさに体験してみなければ分からないという世界です。

現在では入手が難しいかもしれませんが、お勧めすると共に、再発を切に願います。

また、このリストは、グラインド・コアの周辺として、naked city や death metal

も載せています。併せて聴くと、グラインド・コアが単なる爆裂音楽ではなく、裏

に深いものを秘めているのが分かると思います。

'musician' (theは省略)

in alphabetical order

'album title'

総合評価

(最高 10)

備考

Anal cunt

Everybody should be killed

******

 

Bolt thrower

Realm of chaos

******

Death metal

Bolt thrower

War master

********

Death metal

Bolt thrower

4th crusade

*******

Death metal

Brutal truth

Extreme Conditions Demand Extreme Responses

*******

 

Brutal truth

Need to control

********

 

Brutal truth

Kill trend suicide

 

 

Carcass

Symphonies Of Sickness

******

Death metal

Cathedral

The Ethereal Mirror

*****

Doom metal

Doom

Double peel sessions

********

 

Doom

Fuck peaceville

********

 

Doom

教祖ラッシュ

 

 

Doctor & the crippens

2nd & John peel sessions

*********

 

Electro hippies

The only good punk is dead one

*********

 

Extreme noise terror

Holocaust in your head

*******

 

Extreme noise terror

The peel sessions 87-90

********

 

Extreme noise terror

Phonophobia

 

 

Intense degree

War in my head

********

 

Morbid angel

Altars Of Madness

*******

Death metal

Morbid angel

Blessed Are The Sick

*******

Death metal

Morbid angel

Covenant

********

Death metal

Morbid angel

Domination

 

Death metal

Naked city

Naked city

*********

Alternative

Naked city

Torture garden

*********

Alternative

Napalm death

Double peel sessions

**********

 

Napalm death

Scam + From enslavement to obligation

*********

 

Napalm death

Harmony corruption

*********

Death metal

Napalm death

The world keeps turning

********

Death metal

Napalm death

Utopia vanished

*********

Death metal

Napalm death

Fear, emptiness, despair

 

Death metal

Pain killer

Guts of virgin

********

 

Pain killer

Buried secret

********

 

Praxis

Sacrifist

*******

Alternative

Repulsion

Horrified

*******

 

Scorn

Evanescence

 

Dub/techno

SOB

Leave me alone (cd)

********

 

Sore throat

Disgrace to the corpse of sid

*******

 

Sore throat

Never mind napalm

******

 

Unseen terror

Unseen terror

******

 

 

Various artist

hardcore holocaust

Stupid. Doctor and the crippens, etc

Grind crusher - Ultimate earache

Godflesh. Terrorizer. Hersey etc