「明治大正文学全集谷崎潤一郎篇」異装本

谷崎潤一郎『刺青/恐怖時代』



 これがその、中身は単なる「明治大正文学全集」で、カバー凾が全くの異装である本。単に前の持ち主のお手製カバーではないということは、題字が印刷であり、凾も、上から張り付けたというよりは、製凾する前にこの紙を貼り、そのうえからこの機械凾のホチキスが打たれているという事実からもうかがえる。ただ、出版社名が印刷されていないのがちょっと怪しい。でもどうしても印刷だし、スタンプ押したとかいうのでもなく、何とも判断が付かない。

 従来「明治大正文学全集」には、普通の布装上製本凾付のものと、背革装凾付の2種が知られていたが、こういうのもあったとは全く知らなかった。買った場所には、ほかにもこの装丁で国木田独歩集もあったので、恐らく春陽堂が在庫処理の為にこんな異装にして売りさばいたのではないかとも思われるが、真相は不明。

 取り立てて騒ぐほどのものではないが(どうせ100円で買ったし)、珍しいので掲げておく。

凾  カバー



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