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2007年


1/4 同人誌『幻影城の時代』を恵送していただく、感謝。
1/26 柏に出たのでT書林に立ち寄り、『映画伝来―シネマトグラフと明治の日本』(岩波書店)1300円と江戸川乱歩全集20『堀越捜査一課長殿』(光文社)初カバ帯500円を購入。
1/31 柏に出てT書林にて夏目漱石『虞美人草』(春陽堂)重版凾付美800円を購入。縮刷版。発行日が大正16年5月とある。ウム。
2/1 以前中央線古書展で注文した中島孤島訳『アラビヤンナイト』(金正堂)重版凾付上下揃8000円が届いた。やった。ここ4〜5年探求していたもの。三島由紀夫が幼時読んでいたものと同じもの。研究資料として嬉しい。
2/2 夕方、国会図書館で資料コピーなどに手間取り、コピーを受け取り次第ダッシュで地下鉄永田町駅の半蔵門線のホームへ。携帯の乗り換え案内で調べたところ、神保町駅に17時50分までに到着するには、永田町駅17時43分発にのらねばならなかったのである。とにかく、本日は古書展があるし、しかも久々に注文品があるわけだし、何が何でも閉場の18時までには会場に到着したい。ということで、ダッシュなのだが、いやはや、息が切れるわ足が重いわゼエゼエ。それでまた、図書館近くの入口からはいると有楽町線のホームに出るので、一旦ホームのはじっこに降りて、そこから一等はじっこの階段までダッシュで駆け抜け、階段を上がり、そしてまた半蔵門線のホームに降り立ち、なんとかギリギリ43分という電車に間に合ったのであった。息が収まらない。汗が凄い。額の汗がダラダラたれてきてしずくがメガネにかかるくらい。所要時間6分で17時49分に神保町駅到着。ここからまた階段を駆け上がり・・・といきたいところだが、完全にダウン。もう体ガクガクでとてもじゃないが走れないので歩いていく。古書会館へ到着した頃にはもう蛍の光がかかっていた。 ザーッと会場をみる。みるといっても、殆ど見ていなかったような気もする。でもしかしここまで来てみないと精神衛生上悪いので格好だけでもザーッと見る。 で、注文した、山崎晃嗣『私は偽悪者』(青年書房)初版帯付3000円はハズレ。これは今回初めて帯があると知った。十人以上の注文があった由だが、この本、そんなに人気あるのだろうか。そして小山内薫『大川端』(春陽堂)初版凾欠3000円のみ当たり。小山内の「大川端」は、胡蝶本と、その後の袖珍本の縮刷と、昭和に入ってからの今回のものと3種あると思うのだが、今回のは後版の三重三木版装幀口絵のもの。その後、チラリとT書店に立ち寄り、雑誌「L'Evocation」3号を購入。それからK堂に赴く。
2/7 オークションにて落札したロラン・バルト『物語の構造分析』(みすず書房)カバ1000円が届いた。駅前の新刊書店にて佐賀純一『浅草博徒一代』(新潮文庫)を定価で購入。
2/9  F書房目録で注文した森茉莉『甘い蜜の部屋』(新潮社)限定版凾外凾署名入5000円と三島由紀夫『純白の夜』(中央公論社)再版帯美3000円が届く。前者は安く入手したいなあと思っていたので嬉しい。外凾にちょっと痛みあるが全く問題ない。しかしこの限定版、一体何部作られたのだろうか、全く記述がない。千部くらいだろうか。
2/13 地元の新刊書店にてフリードリヒ・キットラー『グラモフォン・フィルム・タイプライター』(ちくま学芸文庫)上下を定価で購入。
2/19 柏に出たのでいつものT書林に立ち寄る。ここで別冊宝島『現代・写真入門』(宝島社)300円と、塔晶夫『虚無への供物』(講談社)初カバ帯極美23000円を購入。
2/22 先日ネット注文していた古書が届く。波平恵美子『病気と治療の文化人類学』(海鳴社)1200円。で、本日は、サンシャインシティ大古本まつりに赴く。注文品は一点で当たり。泉鏡花『友染集』(春陽堂)重版凾欠痛3510円。ほかに会場で拾ったものは、小牧正英バレエ団公演「ペトルーシュカ」(有楽座)パンフ300円、坂東玉三郎演出「黒蜥蜴」新橋演舞場パンフ300円、三島由紀夫『命売ります』(集英社文庫)初カバ帯210円、前田愛『近代読者の成立』(岩波現代文庫)500円、森鴎外『雁』(岩波文庫)157円、佐々木丸美『夢館』(講談社文庫)300円、演劇のアヴァンギャルド特集の「美術手帖」(70.5)300円。で、それから新刊書店へ赴き、ちょっと必要あった坪内逍遙『当世書生気質』(岩波文庫)と、稲垣恭子『女学校と女学生』(中公新書)、野地秩嘉『サービスの達人たち』(新潮oh!文庫)を購入。
2/23 柏に出たので新刊書店に立ち寄り、中村嘉人『大衆の心の生きた昭和の画家たち』(PHP新書)と、永島要一『森鴎外―文化の翻訳者』(岩波新書)を購入。
3/2 本日は紙魚の会古書展初日。注文した三島由紀夫『三熊野詣』(新潮社)初凾帯署名13000円はハズレ。会場で、日本カルト映画全集『盲獣』(ワイズ出版)500円と竹前栄治『GHQ』(岩波新書)210円を拾う。その後特価書籍でゾッキの沼正三『マゾヒストMの遺言』(筑摩書房)850円を購入後、N書店へちょっと立ち寄り、小杉天外『初すがた』(岩波文庫)270円を購入。
3/3 本日は古書愛好会展初日。注文したジョワイユー『写真の発明者ニエプスとその時代』(パピルス)1500円は外れてしまった。久々に会場に来たのだが、会場でも特に拾いものはなし。『知の技法』(東大出版局)100円と、『広告』(中公新書)210円、J.F.Grierson『Modern Mysticism』(Gerge Allen)300円を購入。グリアースンのは、先日日夏の翻訳書を買ったのでちょっと買ってみた。1899年の初版らしい。
3/5 表参道に出たので、Nに立ち寄り、森山大道『記録』6号サイン入りを定価2415円で購入。
3/6 先日ネットオークションで落札した雑誌『写真映像』創刊号1300円が届いた。柏に出て、いつものT書林に立ち寄り、真鍋呉夫『飛ぶ男』(東京新聞出版局)初カバ帯500円と岩波文庫の漱石『虞美人草』280円、『漱石文明論集』290円を購入。
3/8 渋谷のパルコブックセンターにて、赤木洋一『平凡パンチ1964』(平凡新書)を定価で購入。
3/13 先日、古書展目録で注文しておきながら、都合がつかず会場に取りにいけなかった本が届いた。柳川春葉『縮刷生さぬなか』(金尾文淵堂)前後編8000円が届いた。木版装幀。
3/14 ネット古書店で注文した尾崎翠『アップルパイの午後』(薔薇十字社)初版カバ帯2800円が届いた。
3/17 古書展にかけつけるも、閉場5分前。殆ど見ることが出来ず。文庫Kにて、ちょっと必要だった坪内逍遙『小説神髄』(岩波文庫)1200円を購入。
3/18 渋谷の新刊書店で、椎根和『平凡パンチの三島由紀夫』(新潮社)を購入。
3/19 ちょっと用あってネット古書で注文したワイルズ『東京旋風』(時事通信社)初版カバ帯付録付2500円が届いた。
3/20 森まゆみ『「婦人公論」にみる昭和文芸史』(中公新書ラクレ)を駅前の書店で購入。
3/23 本日は趣味展、注文していたトポール『マゾヒストたち』(薔薇十字社)初凾帯2000円はハズレと電話確認。で、国会図書館の帰りに神保町に出たが結局間に合わず。K堂へ。ここで、谷崎潤一郎『呪はれた戯曲』(春陽堂)再版凾付補修2800円を購入。並びのKでは、杉山平一『詩と映画と人生』(なにわ塾叢書)カバ1500円を購入。帰宅すると、先日ちょっと用あって版元へネット注文していた古川圭吾編『昭和の快男児日本を救った男 安藤明』(講談社出版サービスセンター)が届いていた。
3/26 ちょっと必要会ってネット古書店に注文した板垣進助『この自由党!』(理論社)前後2冊初版1200円が届いた。
3/28 柏に出たのでT書林に立ち寄り、木村毅『大衆文学十六講』(中公文庫)カバ帯円と安部公房『無関係な死・時の崖』(新潮文庫)カバ円を拾う。
3/30 本日は和洋会古書展と五反田遊古会の初日。和洋会で注文していた高橋睦郎『眠りと犯しと落下と』(草月アートセンター)帯欠2000円はハズレたと電話確認し、時間もないので取り敢えず五反田へ向かう。まずは五反田の外台で、渡辺正一『宗教と科学』(翼書院)カバ帯200円を拾う。三島帯文。この出版元は詩集『天と海』の出版元。それから、雑誌『話の特集』(68.5)200円なんてのを拾い、おやこれはと、『ゴットフリート・ヘルンバイン写真集』(リブロポート)初版カバ少痛500円を購入。これは幾ら何でも安いだろう。こんなものなのかなあ。それから二階へ。特に注文品は無し。時間も迫っておりサーッとしかみられなかったが、『夜想』特集未来のイヴと、武智鉄二『三島由紀夫の首』(都市出版社)初版カバ帯、共に500円を拾う。確か後者は、銀婚椎の時に配った銀婚式バージョンがある筈だ。それから、神保町へ向かう。まずは東京堂へ。新聞の書評で知って、ちょっと欲しいなと思っていた文庫を買うためだ。地元の新刊書店では全て売り切れだった。が、東京堂でも売り切れ。三省堂に行くと、ラスト3冊だった。広岡敬一『戦後性風俗大系』(小学館文庫)を定価で購入。これはなかなか面白そうだ。またこれとは別に、ここのところちょっと必要あって探していた、すが秀実『日本近代文学の〈誕生〉』(太田出版)初版カバ帯美1000円、知人が見つけてくれて購入してくれていたので会って受け取る。感謝。この本、某大手ネット書店の中古本では6千円とか値段を付けているが、ちょっと現実離れした値段だろう。誰かがこういう値段を付けると、それが相場だと思って後続の人もそういう値段を付けるので、誰も買わないのに値段だけ異常に高いという妙なことになるのではないか。K堂へ向かう。ここで、吉田健一『三文紳士』(宝文館)初版カバ300円を購入。これ、題字が三島というのはあまり知られていないのではないか。
4/4 柏に出たのでT書林に立ち寄り、樽見博『古本通』(平凡社新書)、二葉亭四迷『平凡』(新潮文庫)、江間務『日本妖怪変化史』(中公文庫)三冊500円を購入。
4/6 神保町の古書会館へ下町古書展に赴く。注文品は無し。会場に着いたのは閉場8分前。ただサーッとみわまるのみ。『北村透谷選集』(岩波文庫)200円を購入。その後S茶書房をちらと見てから神保町古書モールへ。ここで、水上瀧太郎『大阪の宿』(友善堂)再版凾欠美800円と萩原朔太郎『純正詩論』(第一書房)初版凾欠1200円、森鴎外『舞姫・うたかたの記』(岩波文庫)150円と斉藤美奈子『紅一点論』(ちくま文庫)100円、それとちょっと必要あって復刻版の四迷『浮雲』(ほるぷ)500円を購入。その後K堂へ行き、いま必要あり探していた尾崎紅葉『多情多恨』(春陽堂)重版カバ欠少痛4000円を購入。
4/7 柏に出たのでT書林に立ち寄り、山田一夫『夢を孕む女』(白水社)初版凾欠5000円と、漱石『こころ』『門』(岩波文庫)、藤村『千曲川スケッチ』、実篤『お目出たき人』(新潮文庫)合計820円とを購入。山田一夫のはいつかは凾付きが欲しいものだ。
4/10 仕事の帰りに柏に出、T書林にて岩波文庫の『島村抱月文芸評論集』と尾崎紅葉『三人妻』の二冊を510円で購入。その後、新刊書店に立ち寄り、ハル・フォスター編『視覚論』(平凡社ライブラリ)と講談社現代新書の石原千秋『百年前の私たち』と東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』、二葉亭四迷訳『あひゞき・片恋・奇遇』(岩波文庫)を定価で購入。いやしかし、『視覚論』はずっと探していたもので、平凡社ライブラリに入ってよかった。
4/12 所用で江古田に出たのでK書房を久々に覗き、森鴎外『青年』(岩波文庫)150円、田山花袋『近代の小説』(角川文庫)、円地文子『花散里』(講談社文庫)100円、鈴木克美『水族館への招待』(丸善ライブラリ)250円、車谷長吉『金輪際』(文藝春秋)初カバ帯500円、ドノソ『夜のみだらな鳥』(集英社版世界の文学)凾帯800円を購入。
4/13 神保町に出、書泉グランデ近くの古書店外棚にて『日本近代文学評論選』(岩波文庫)500円で購入後、新刊書店Tに赴き、車谷長吉『贋世捨人』(文春文庫)署名落款入と、講談社学術文庫の神林恒道『近代日本「美学」の誕生』、寺崎昌男『東京大学の歴史』を定価で購入。
4/16 ちょっと必要あってネット古書店に注文した荒正人『小説家―現代の英雄』(光文社)初カバ献呈署名1050円が届いた。
4/17 仕事帰りに柏に出てT書林を覗き、山田美妙『胡蝶 他五篇』(岩波文庫)300円と、何かの資料になるかもと、山室軍平『平民之福音』(救世軍出版及供給部)重版300円を購入。後者は明治30年初版の昭和初期の重版。で、帰宅してみると、先日某古書店目録で注文した村井弦齋『小猫』(春陽堂)初版永洗木版口絵入3500円が届いた。
4/19 先日ネットオークションで落札した、山根貞男他編『映画監督 中川信夫』(リブロポート)カバ2100円が届いた。
4/20 今日は神保町と五反田とである古書展の初日である。が、国会図書館でもたもたとしていたら、結局開場時間には間に合わず。取り敢えず神保町に立ち寄り、古書モールで『潤一郎ラビリンスXVI』(中公文庫)300円を拾い、それからN書店にて三遊亭円朝『怪談牡丹灯籠』(岩波文庫)300円を拾うのみ。
4/21 閉場ギリギリの五反田散歩展会場に到着。資料調査していた国会図書館から、五反田駅についてダッシュできたのでもう汗だく。それでもザーッと会場をみてまわる。会場では、徳富健次郎『自然と人生』(民友社)重版300円、国木田独歩『非凡人』(大鐙閣)重版500円、『武蔵野及渚』(新潮社)重版500円、そしてちょっと用あって探していた中村光夫『明治・大正・昭和』(新潮選書)400円、それからこれも入り用でほるぷ復刻版のヴェルヌ『新説八十日間世界一周』500円、それから『美術手帖』の60年代末期から70年代初頭のものが各200円であったので、ハプニング特集やLSD特集、60年代批評特集の3冊を拾う。で、注文した久保田万太郎『下町情話』(千章館)初凾8500円はハズレ、久保田万太郎『駒形より』(平和出版社)初凾欠5000円のみ当たる。小村雪岱木版装幀。
4/24 仕事の帰りに柏に出て、T書林を覗き名取洋之助『写真の読みかた』(岩波新書)250円を購入。その後新刊書店にて、前からちょっと興味のあった山本信太郎『東京アンダーナイト』(廣済堂出版)と、渡辺千萬子『落花流水―谷崎潤一郎と祖父関雪の思い出』(岩波書店)を購入。新公開谷崎書簡やら姑松子の実態など興味深い。
4/28 本日はまど展最終日。昨日は仕事で行けなかったので午後参戦。といっても、会場に着いたのは閉場30分前。注文品はなし。K堂の棚が、最終日夕方というのになかなかよさそうなものが並んでいた。こりゃあ初日は凄かっただろうと予想させる。ウウム。でまあサーッとまわったところでの収穫は、ちょっとここのところ入り用あって探していた宮崎湖処子『帰省』(民友社)重版袋欠1800円、芥川龍之介『湖南の扇』(文芸春秋社出版部)重版凾欠800円、山崎富栄『山崎富栄の手記』(石狩書房)初200円、ペーター・ヴァイス『サド侯爵の演出のもとにシャラントン保護施設の演劇グループによって上演されたジャン・ポール・マラーの迫害と暗殺』(白水社)重版カバ帯100円。安いなあ。湖処子のは、友人の協力により入手、しかも安く入手出来てよかった。特に、各紙の書評を掲載している重版が欲しかったのだ。芥川のも、第5版で、もうちょっと後の方の重版になるとガクンと束が薄くなってしまうのだが、この辺の重版ならまだ初版と同じ厚さだ。『マラー/サド』は、今まで500円以下であれば拾おうかなと思っていたので、100円ならば買いだ。古書会館を出ると雨も止んだ模様。そのままS書房などを覗いてから、新刊書店T堂を覗く。そこで、ちょいとお勉強用に真鍋正宏『小説の方法』(萌書房)を定価で購入。それからK堂へ赴き、ある本を取り置き。これはなかなか安い。
5/4 本日はぐろりや会展初日。電話で注文品を確認してから会場へ。閉場一時間前に到着。注文したのは、本間国雄『東京の印象』(南北社)初版凾欠5000円。まあ現代教養文庫で復刻されてはいるけれど、本間国雄唯一の画文集ではないか。同時に凾付1万円も出ていたが、そこまではいいやということでこちらをゲット。大体初めて本物を見たが、相場では一般的にどのくらいなんだろう。で、ザーッと会場を見て回り拾ったものは、中城ふみ子『乳房喪失』(作品社)重版カバ500円、臼井吉見編『戦後十年名作選集1』(光文社)初カバ100円、『東文彦作品集』(講談社)初版凾帯1500円、それと安部公房『他人の顔』(講談社)『燃えつきた地図』(新潮社)初版凾各620円。東文彦は講談社文芸文庫で出たが、文庫の定価と同額で元版の綺麗な帯付きが買える。『乳房喪失』は、奥付に重版とあるだけで初版発行の年月もそしてこれが第何版なのかも明記されておらず。謎。安部公房は、ここらへん、綺麗な初版で500円くらいでないかと思っていたもの。『他人の顔』は帯がないが、まあ綺麗な初版だしいいか。
5/8  いつだか家に届いた目録で注文していたオディット・ジュワイユ『写真の発明者ニエプスとその時代』(パピルス)初カバ帯2500円が届いた。定価は高いので。お勉強用。
5/9  用事で吉祥寺に出たので、ブラブラと古書店を覗いて歩いていたら、商店街の真ん中にある店で、三島由紀夫『獣の戯れ』(新潮社)二刷カバ美900円をというのを見つけ、購入。以前3千円くらいで購入したものよりもキレイだったので嬉しい。サスガに帯はなかったが。
5/14  ちょっと必要あって急ぎで入り用だった本を先日ネット古書店に注文し、それが今日届いた。十返肇『文壇の崩壊』(村山書店)初版カバ帯1200円。
5/16  渋谷のブックファーストにて堀内誠一『父の時代私の時代』(マガジンハウス)増補改訂版を購入。
5/19  本日は愛書会と五反田遊古会の最終日。共に注文品はなく、愛書会は都合で行けそうもない。で、取り敢えず五反田だけはと駆けつけたのが、閉場30分前。ザーッとみていくも、少し拾いたいお勉強用の本があったがこの金欠時に無理、ということで、結局、志賀直哉『荒絹』(春陽堂)再版カバ欠1000円と水谷八重子『ふゆばら』(学風書院)初版カバ帯200円を拾うのみ。
5/21 所用で池袋に出たのでリブロに立ち寄り、『アーネスト・ダウスン作品集』(岩波文庫)を購入。
5/22 仕事の後、神保町に出てK堂へ。先日来取り置きしてもらっていた本を引き取ってくる。谷崎潤一郎『細雪』特製愛蔵本3冊揃自筆題簽帙7500円を購入。状態もまあまあでこのお値段は魅力的。帙表面の題簽には、潤一郎の自筆でタイトルと著者名が揮毫されている。
5/29 仕事の帰りに神保町に立ち寄る。まず新刊書店のT堂にて車谷長吉『灘の男』(文藝春秋)署名落款入と江戸川乱歩全集25『鬼の言葉』(光文社文庫)を定価購入。それから久々に書肆Hへ。ここで、宇能鴻一郎『鯨神』(文藝春秋新社)再版カバ+三島由紀夫『私の遍歴時代』(講談社)初版凾美+『ユリイカ』特集稲垣足穂の3冊併せて2000円を購入。K堂を覗く。
5/30 仕事で出た都内出先の書店にて、森山大道『遠野物語』(光文社文庫)を定価購入。
6/1 本日は和洋会古書展。といっても、会場に到着したのは閉場3分前くらい。既に蛍の光が流されており。注文した美輪明宏『菩薩の心』(未来工房)限定署名凾3000円はハズレ。で、結局会場では何も拾えず。その後、神保町古書モールへ。ここで、前田案山子『縦横から見た東京』(丸の内書店)再版1500円というものを購入、面白そうだったのとカワイイ装幀で。その後、友人が古書店で見つけ私のために買っておいてくれていた本を受け取る。山田奈々子『木版口絵総覧―明治・大正期の文学作品を中心として』(文生書院)再版カバ4500円。これは欲しかった本で、定価が8500円、古書で安くないかと探していたものである。色々と参考になるお勉強の本でもあるが、これ絶版になったら高くなってしまうだろうなあ。
6/5  仕事帰りに立ち寄った柏のT書林にて、グリアースン(日夏耿之介訳)『近代神秘説』(新潮社)初版凾付1500円を購入。以前凾欠を倍近くの値段で買ってしまったが。しかしここいらへんのもの、以前より大分値が下がってきたと思う。
6/7 仕事帰りに渋谷に出て、パルコブックセンターにて伊丹十三『女たちよ!』(新潮文庫)と本谷有希子『腑抜けども悲しみの愛を見せろ』(講談社文庫)を買ってみる。
6/8 本日は城南古書展。本当だったらば、三島由紀夫『愛の渇き』(角川文庫)献呈署名8400円とか注文したかったのだが、金欠にてかなわず。とはいえ、国会図書館であれこれと作業していたら、結局古書展自体も覗けなくなり、神保町に着いたのは19時近く。Kほりへ。隣の古書Sにて、いつだったか取り置きしてもらっていた本を受け取る。ミハイール・バフチーン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』(せりか書房)重カバ帯美3150円。お勉強用だが、新本同様でこれはお得。その後、某ネットオークションで落札したものを引き取りにその店へ行く。落札したのは「ジャズ映画実験室」というイベントのチラシ1500円で、細江英公の「臍と原爆」や寺山修司の(今は行方不明ということになっている)「猫学」なんていう実験映画の上映会のもの。これのパンフが欲しくてたまらないのだが、いやコピーでもいい。
6/12 柏に出たのでT書林に立ち寄り、小倉孝誠『〈女らしさ〉の文化史』(中公文庫)440円を購入。その後新刊書店へ行き、本日発売の、三島由紀夫『黒蜥蜴』(学研M文庫)を定価で購入。遂に文庫化。
6/15 早稲田の演博の帰りに神保町へ出る。古書モールを覗き、田山花袋『東京の三十年』(岩波文庫)300円とアイボリーバックス日本の文学40『林房雄・武田麟太郎・島木健作』(中央公論社)初帯100円を購入。後者は三島編集。
6/19 ネットオークションで落札した豪華愛蔵版日本文学全集『三島由紀夫集』(河出書房新社)凾付300円が届いた。予約販売のみのセット販売版で、今まで確認出来なかった日付の奥付。
6/21 仕事の帰りに渋谷に出て、新刊書店にて「ユリイカ」臨時増刊『腐女子マンガ大系』を購入。お勉強用。
6/23 学会で西荻窪に出たので、幾つか流す。O館にて、『西荻怪談カードブック』500円、横手慎二『日露戦争史』(中公新書)250円、キース・ヴィンセント他『ゲイ・スタディーズ』(青土社)600円、現代詩手帖特集版『春日井建の世界』500円、清水正『三島由紀夫・文学と事件』1000円を購入。それぞれお勉強、検証のためのもの。
6/25 ちょっと入り用でネット古書店に注文した谷崎松子『蘆辺の夢』(中央公論社)初カバ帯1000円が届いた。仕事帰りに池袋に出たのでリブロに立ち寄り四方田犬彦『先生とわたし』(新潮社)を購入。
6/26 仕事の帰りに柏に出てT書林に立ち寄り、小池真理子『欲望』(新潮文庫)330円を購入、損の御新刊書店へ行き、田中優子『芸者と遊び―日本的サロン文化の盛衰』(学研新書)、西尾哲夫『アラビアンナイト』(岩波新書)を定価で購入。
7/3 柏に出たのでT書林を覗き、折口信夫『日本文学の発生序説』(角川文庫)250円と、森山大道『蜉蝣』(芳賀書店)初版凾水浸み2000円を購入。
7/6  七夕展を覗くついでにT書店を覗き、雑誌「L'evocation」の3号と4号各1000円を購入。それから東京堂へ立ち寄り森山大道『大阪+』(月曜社)署名入りを購入し、古書会館での七夕展下見に参加。一番興味のあった、山崎晃嗣の直筆日記帳3冊と、谷崎の「友田と松永の話」原稿304枚をじっくりとみる。
7/7 先日ネットオークションで落札した「明星」付録『青春人生読本十代の告白』2100円が届いた。三島未収録文章発見。
7/10 銀座に出たのでO書店に立ち寄り、水谷八重子出演三島演劇新派筋書き2冊600円を購入。
7/11 先日ネット古書店に注文した水上瀧太郎『大阪』(東光閣書店)再版凾付2500円が届いた。
7/12 新刊書店にて、五人づれ『五足の靴』(岩波書店)、山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』(河出文庫)、阿部和重『グランド・フィナーレ』(講談社文庫)、三浦展『団塊世代の戦後史』(文春文庫)を定価で購入。
7/13 愛書会古書展。注文品は無し。ザーッと会場を見て回る。で、拾ったものは、大江健三郎『見るまえに跳べ』(新潮社)初版カバ500円、雑誌「群像」(50.1)500円。後者は北原武夫「悪の華」掲載のため。それから雑誌「映画批評」の60年代末から70年代初頭の5冊各150円と、「映画批評」創刊から3冊各300円。その後東京堂へ行ってから、T書店に立ち寄り、K堂へ。
7/16 渋谷に出てブックファーストに立ち寄り、猪瀬直樹『作家の誕生』(朝日新書)を購入。
7/17 以前ネット古書店に注文したローゼンクランツ『醜の美学』(未知谷)カバ3000円が届いた。お勉強用。
7/18 仙川の商店街にある古書店にてピエール・マッコルラン『恋する潜水艦』(国書刊行会)初版カバ800円を購入。以前からケチケチして定価で買わなかったもの、ようよう安く見つけた。それから神保町に出たので東京堂に立ち寄り、大東和重『文学の誕生』(講談社選書メチエ)を定価で購入。お勉強用。そしてちょっと必要あって以前ネット古書店に注文していた高橋和幸『三島由紀夫の詩と劇』(和泉書院)2100円が届いた。
7/20  本日は趣味展。閉場30分前に到着。注文したのは、東宝ミュージカルパンフ「パノラマ島奇談」2000円、江戸川乱歩名刺1000円、原田種道編『芸術写真』(丸写商店)背欠2000円で、名刺のみハズレ。しかし、当たっているというのに「パノラマ島奇談」パンフは行方不明とのことで後に送付してくれるという(しかし往々にしてこういう場合送料もこちら持ちというのが解せない)。『芸術写真』は明治43年刊行で、この辺の時期の芸術としての写真認識というものを知りたかったので注文したのだが、ちょっと使えなさそうな本でガックリ。で、会場で拾ったのは、『映画評論』(66.8)200円。アンダーグラウンド映画特集。それと、「文学会議」5号300円、三島掲載のため。その後古書モールへ行き、赤瀬川原平『東京ミキサー計画』(ちくま文庫)600円など購入。ところで後から電話があり判明したのだが、「パノラマ島奇談」のパンフ、実はハズレだったという。当選者の記入のミスでしたという謝罪電話が翌日早朝あった。
7/24  柏に出たのでT書林に立ち寄り、島崎藤村『破戒』(岩波文庫)、村上春樹『海辺のカフカ』(新潮文庫)上下、それぞれ定価半額と、三木幹夫『ブルーフィルム物語』(世文社)500円、斉藤栄『殺人の棋譜』(講談社)初版カバ帯800円を購入。
7/26 ネットオークションで落札した伊吹和子『われよりほかに―谷崎潤一郎最後の十二年』(講談社)重カバ帯600円が届いた。
7/27 五反田古書展。注文した『蓮田善明全集』(島津書房)5000円はハズレ。しかし、開場に到着したのが18時ジャスト。さいわい帳場が混雑していたのと、閉店時間なのにしつこく棚を見ている客が数名いたのだ便乗し10分くらいサーッとみる。で、三島由紀夫『純白の夜』(角川文庫)重帯200円、十一谷義三郎『唐人お吉』(万里閣書房)重凾欠200円、雑誌「風俗科学」(55.2)1000円を購入。その後、神保町に出て、少しまわるも何も買わず。
8/2 本日は新宿京王大古書市の初日、無論開場前に列ばなければということで、開場1時間前に駆けつける。といっても少し遅れ開場50分前だったが、その時で既に15人の先客。で、まあ開場となり目的の書店の書棚などを中心に見る。目録注文していた三島由紀夫『仮面の告白』(河出書房)初版カバ15000円、『黒蜥蜴』(牧羊社)初凾帯4000円、映画「憂国」スチール、キャビネ版3枚3000円は、『黒蜥蜴』のみ当たる。で、ほかに開場で拾ったものは、ブレヒト/矢川澄子訳『暦物語』(現代思潮社)新装版カバ500円、福田恆存『私の演劇白書』(新潮社)初カバ500円、吉行淳之介『湿った空乾いた空』(新潮社)特製本凾巻紙1000円、永井荷風・木村荘八『墨東綺譚画譜』(飯塚書房)再カバ1050円、コクトオ『戯曲オルフェ』(第一書房)初版限定凾1050円、佐藤春夫『文藝一夕話』(改造社)初版凾欠美800円、市川崑『KON市川崑』(光琳社出版)初凾帯1000円、それとお勉強用に探していた、ティズダル+ボッツォーラ『未来派』(パルコ出版)カバ帯2500円。市川崑の本は、一時期ゾッキでよく見かけた本だが、千円というのは今まで見た中で一番安かったし、今こそということで購入。
8/3 神保町に出たついでに新刊書店で江戸川乱歩全集『地獄の道化師』(光文社文庫)を定価で購入。ボチボチと買い続けているものだが、初期のものは初版を見かけないものもある。古書モールに立ち寄り、松本清張『随筆黒い手帖』(講談社文庫)200円と小田光雄『書店の近代』(平凡社新書)400円を購入。
8/7 地元の繁華街へ出たので、新刊書店で漱石『三四郎』(岩波文庫)を定価で購入、その後、古書店で松本清張『或る「小倉日記」伝』(新潮文庫)290円を購入。
8/10 東急東横店渋谷大古本市が今日から開幕。注文した川島幸希『署名本の世界』(日本古書通信社)限定表紙色2種52500円はハズレ、そしてもう片方の城北展で注文していた雑誌ADONIS、1〜6号15000円もハズレ。
8/17 ネット書店で注文した杉山隆男『「兵士」になれなかった三島由紀夫』(小学館)と樋口ヒロユキ『死想の系譜』(冬弓社)が届いた。
8/20 地元の新刊書店にて岩波文庫の漱石『それから』、伊藤整『小説の方法』を定価で購入。
8/23 若狭邦男『探偵作家追跡』(日本古書通信社)を献呈して頂いた、感謝。それから所用で馬込に出、T書林に立ち寄り、泉鏡花『由縁文庫』(春陽堂)再版凾欠痛1000円、三島由紀夫『愛の疾走』(講談社)初版凾付2000円、アートシアターパンフ「薔薇の葬列」500円を購入。『愛の疾走』は3月初版の版。やっと入手。
8/24 ぐろりや会初日、だが国会図書館でぐずぐずと複写していたら間に合わず。新刊書店にて江戸川乱歩全集19『十字路』(光文社文庫)、ちょっと必要あって加藤典洋『テクストから遠く離れて』(講談社)を購入。その後友人と落ち合い、先日神保町で彼が見付け購入した本を譲ってもらう。谷崎潤一郎『悪魔』(籾山書店)初凾欠痛7800円。これは凾欠でも出ると大抵5万近いし、ボロでもよいので安くと思っていたのでこれは嬉しい、感謝感謝である。帰宅してみるとネットオークションで落札した中日劇場パンフ「黒蜥蜴」と文学座名古屋公演パンフ「鹿鳴館」2冊で510円が届いていた。前者は玉三郎が黒蜥蜴やったやつの名古屋公演版。
8/27 柏に出たのでT書林に立ち寄り、アプレイウス『黄金のろば』(岩波文庫)上下450円、横尾忠則『一米七〇糎のブルース』(新書館)帯付1200円を購入。
8/28 大宅文庫の帰りに渋谷に出て、新刊書店にて田之倉稔『ダヌンツィオの楽園』(白水社)と高山宏『近代文化史入門』(講談社学術文庫)を購入。
8/31 本日は窓展初日。国会図書館で調べモノを済ませて駆けつけるも、閉場まで残り5分。しかしまあ今回は注文品があたっていたので、それを引き取るためだけでも間に合いたかったのである。で、注文した谷崎潤一郎『細雪』下巻(中央公論社)特製限定300部記番カバ3000円。この限定本の上巻中巻は所持していたので、これで揃った。この本、『谷崎潤一郎先生著書総目録』にも洩れている本で、パッと見は普及版と同じだがカバー装、また、ほんのちょっとだが、テキストにもちょっと手が入っている。で、その他、5分で会場をまわって拾った本は、ちょっと資料としてよいなと、村松介石『立志之礎』(警醒社書店)重版少痛300円、堀川寛一『小山内薫』(桃蹊書房)初200円、新進傑作小説全集『十一谷義三郎集』(平凡社)初カバ凾1800円、谷崎潤一郎『鶯姫』(清流社)再版凾欠300円、同『磯田多佳女のこと』(全国書房)再凾欠300円、『芥川龍之介集』(新潮社)重凾欠400円。十一谷のは、凾が痛んでるのが惜しいか。芥川のは、厚冊で小穴が装幀しているアレである。それから古書モールに行き、和田芳恵『おもかげの人々』(講談社)裸本300円と、永井荷風『私家版腕くらべ』(角川文庫)改版初版帯美200円を購入。
9/1 ちょっと必要でネット注文したワイニンゲル『性と性格』(ARS)初カバ2000円が届いた。
9/2 柏に出たのでT書林を覗き、大下宇陀児『嘘つきアパート』(春陽文庫)200円と綿矢りさ『インストール』(河出文庫)190円を購入。必要あってネット注文していた"The Poems of Charles Baudelaire"(The Walter Scott)$15が届いた。
9/3 出先の新刊書店にて江戸川乱歩全集9『黒蜥蜴』(光文社文庫)を購入。
9/4 以前ネット注文していた米国の古書店から三島由紀夫他編"New Writing from Japan"(Penguin Books)初版$3.49が届いた。しかし送料が本代の5倍近くかかった。阿呆くさい。
9/8 渋谷に出たのでSに立ち寄ってみると、光文社の乱歩全集が新品同様で数冊並んでおり、全て500円だったので、『緑衣の鬼』『三角館の恐怖』『怪人と少年探偵』『魔術師』の4冊を購入。
9/10 ちょっと必要あってネット注文していた飯島正『映画と文学』(シネ・ロマンス社)初1000円が届いた。
9/11 お勉強用にネット古書店に注文した山本芳明『文学者はつくられる』(ひつじ書房)1800円が届いた。
9/13 柏に出たのでT書林に立ち寄り、室生犀星『或る少女の死まで』(岩波文庫)230円と城昌幸『婦人警官捕物帖』(春陽文庫)初200円を購入。その後、新刊書店に行って、岩波文庫の漱石『行人』、実篤『友情』、黒島伝治『渦巻ける烏の群』を定価で購入。
9/14 趣味展初日。といっても注文品はなし。閉場30分前に来て会場をザーッとみる。谷崎潤一郎『私』(全国書房)初版凾美1200円、十返肇『文壇風物誌』(三笠新書)初カバ500円のみ購入。その後新刊書店にて文豪怪談傑作選『三島由紀夫集』(ちくま文庫)を購入。
9/18 柏に出たのでT書林に立ち寄り長山靖生『奇想科学の冒険』(平凡社新書)350円、朝倉喬司『毒婦の誕生』(洋泉社新書)250円を購入。
9/19 お勉強用にちょっと欲しくてネット古書店に注文した橋爪真也『明治の迷宮都市』(平凡社)3000円が届いていた。
9/21 本日は和洋会初日。注文品はなし。今日は1時間くらい見ることが出来たが、それでも拾ったのは、『現代戯曲全集6 谷崎潤一郎』(国民図書株式会社)重版凾600円、それと、雑誌『女性』の大正15年8、9月号の2冊、各500円。これは口絵が欠のため。それとちょっと読みたい記事があったので『文学界』(51.10)200円。表紙に「ABE KOBO」とデザインされた印が捺してあったのだが、安部公房の蔵書印だろうか。その後古書モールに行き、藤井淑禎『清張ミステリーと昭和三十年代』(文春新書)200円を購入。
9/27 ネットオークションで落札した「アサヒグラフ」(66.7.22)300円が届いた。
9/28 本日は五反田遊古会初日。国会図書館から五反田に直行し、閉場3分前に駆け込む。注文した映画「純白の夜」スチール4枚1050円と田中純一郎『日本映画発達史』(中央公論社)全5巻凾帯3150円を引き取り、会場をサーッと回って、荒木経惟『天才アラーキー写真ノ方法』(集英社新書)200円、伊藤俊二『パノラマ論』(リブロポート)カバ200円、武者小路実篤『友情』(岩波文庫)150円を購入。『日本映画発達史』は1980年の後版。記名ありだが新品同様凾に元パラもついている。目録にはいろいろと面白そうなものが出ていたので会場を期待していたのだが、結局遅くなりゆっくり見られず残念。帰宅すると、通販をお願いしていた矢野目源一『搖籃』(エディション・プヒプヒ「某」マイナス2号)限定260部記番が届いていた。
10/3 ネットオークションで落札した『作家への道』(思潮社)初版凾300円が届いた。
10/5 紙魚の会古書展。注文していた大蔵貢『わが芸と金と恋』(東京書房)初1000円はハズレ。会場では、針生一郎『芸術の前衛』(弘文堂)初版カバ献呈署名200円を拾うのみ。
10/7 西部古書展最終日。久々の高円寺。まずは注文した映画理論誌「眼」3号、4号、各1500円は当たり。というか他に注文者なし。これで杉並シネクラブの「眼」はコンプリート。それから、会場では、和田ゆたか『般若苑マダム物語』(太陽出版社)初500円、宮崎正弘『三島由紀夫の現場』(並木書房)カバ帯500円、それから「金閣寺」「潮騒」シナリオ掲載の雑誌「シナリオ」76.6、85.11の各200円、それから、春陽堂の「明治大正文学全集」がズラッとあったので見てみると月報付きだったので、『明治大正文学全集 谷崎潤一郎』凾月報200円を拾う。まあ月報代というところか。
10/13 城南展古書展。注文品はなし。国会図書館からの帰りにギリギリ間に合うという感じで、会場到着はラスト5分。ザーッとみただけだが、大江健三郎『叫び声』(講談社)初版凾500円を拾ったのみ。
10/17 仕事の帰りに渋谷で下車し、パルコブックセンターにて水月昭道『高学歴ワーキングプア―「フリーター生産工場」としての大学院』(光文社新書)を購入。
10/19 国会図書館で調べモノをした後に五反田へ向かい本の散歩展へ。といってもいつもながら、会場到着は閉場十分前。最初は一階外台を見て、1冊200円の雑誌、「春の雪」が表紙の「東宝」(69.11)、雲の会編集の「演劇」(51.8と12)、それから「映画評論」(70.2)を購入。もう5分ほどしかなかったので大急ぎで二階へ。注文品は無し。小出楢重『大切な雰囲気』(昭森社)再凾欠1000円と、雑誌「風俗草紙」(54.1)1000円、(53.7)500円を購入。国会図書館にも大宅文庫にもないこの雑誌の或る号が急に要りようになり困っていたのだが、ドンピシャで棚に並んでいた。しかしズラッとならんだ奇クほかの雑誌の目次などを詳細にみていたので、お陰で会場は半分くらいしかまわれなかった。図書館廃棄本らしいがけっこう黒っぽく面白そうな風俗芸能系の書物がズラリとあったのでもっとゆっくりみたかった。
10/22 新刊書店にて村松英子『三島由紀夫追想のうた』(阪急コミュニケーションズ)を購入。
10/23 新刊書店にて『花輪和一初期作品集』(青林工藝社)を購入。
10/26 本日は青展。ここ年々の状況を見てほぼ期待すらしていなかったのだが、まあ10時開場にあわせて、会場前に8時30分過ぎに到着。その時点で4番目。しかしまあ今日は雨というのもあるのだろう、一昨年昨年に比べれば、並ぶペースも遅ければ、人数的にも少なかったのかもしれぬ。で、10時に開場。まあ最初に駆けつけるべき某書店の棚は決まっているが、しかし、今回は目録出品物より実はなかなか期待出来るぞという店をチェックしていた。でまあ、最初に抱え込んだのが、井桁佐平『芝居ところどころ』(玄文社)初版裸本400円。ちょっと背が痛んでいるが表紙は舞台見物している和服女性の木版刷でなかなかよい装幀。それと漱石の縮刷本『門』(春陽堂)初版凾付700円、同『道草』(岩波書店)重版凾美200円、名家傑作選版の尾崎紅葉『不言不語』(春陽堂)重版凾付200円、芥川龍之介『侏儒の言葉』(文藝春秋出版部)重版凾付400円、永井荷風『二人妻』(東光閣書店)重版凾付500円、それからちょっと必要あって前々から安く欲しいと思っていた田山花袋『花袋集』(易風社)重版裸本2800円、徳永直『能率委員会』(日本評論社)重版美400円、それとこれも要あってほるぷ復刻版の『当世書生気質』保護ケース付200円。その他にも、幾つかあれこれと拾ったのだが、予算不足により手放す。で、目録注文していた、永井荷風葉書8500円はハズレ、谷崎潤一郎六部集『蓼喰ふ虫』(創元社)限定370部記番段ボール帙付20000円佐藤春夫『改作 田園の憂鬱』(新潮社)重版カバー付3000円のみ当たり。これは確かに嬉しいのだが、どぎつく懐に刺さる。今月かなりの貧困生活を強いられる。しかし『田園の憂鬱』のカバーは実物は初めて見た。題簽部分窓くり抜きカバーということは知っていたが。それと六部集は、全4冊のウチ、この『蓼喰ふ虫』以外に『盲目物語』と『吉野葛』とそれぞれ20000円で出ていた。これ安いと思うのだが。人気ないのか、他の2冊は棚に曝されていた(4冊目の『聞書抄』はぐんと造本が落ちただのカバー装で、これは以前数百円で拾った)し『蓼喰ふ虫』も注文は己のみであった。で、本日は雨のために外の会場は全て中止。残念である。金を使わずに済んだ、ともいえるわけだが。
10/27 先日ネットオークションで落札した小山内薫『伯林夜話』(春陽堂)初版凾痛2100円が届いた。
10/28 ようよう台風も去り、青展のもうひとつの楽しみである外ワゴンを覗きに神保町へ。まずはその前に古書会館を見る。しかし、初日に、ちょっとアレかと手放したもの、まだあれば拾おうかどうかと思っていたのだが、全て売れていた。六部集も『吉野葛』は売れていた。何も買わず外へ。三茶の前あたりから特価書籍当たりまでを流す。その途中で拾ったものは、有吉佐和子『仮縫』(集英社)初版カバ300円、戸川昌子『猟人日記』(講談社)初版カバ300円、ミショー『アジアにおける一野蛮人』(弥生書房)初カバ300円、秦豊吉『演劇スポットライト』(朋文堂)初カバ200円、山田風太郎『戦中派不戦日記』(講談社文庫)カバ帯100円、中村光夫『二葉亭四迷』(河出文庫)初100円、泉鏡花『昭和新集』(改造社)初版凾欠美2000円、復刻版の逍遙『小説神髄』(ほるぷ)凾500円、武田信明『〈個室〉と〈まなざし〉』(講談社選書メチエ)初カバ735円。後の方のはお勉強用。『昭和新集』は凾欠だが状態よく拾いものか。
11/2 神保町へ、古書を売却に行く。何某の金を手に、ちょっと必要な本を探しに古書モールへ。ここで、新進傑作小説全集『横光利一集』(改造社)初カバ凾欠400円、小林多喜二『蟹工船・党生活者』(角川文庫)200円、現代文学論大系5『モダニズム・芸術派』(河出書房)凾100円、生活の随筆6『訓』(筑摩書房)初凾200円を購入。
11/5 柏に出たのでT書林に立ち寄り、唐十郎『戯曲連夢術』(角川文庫)初カバ150円、漱石『吾輩は猫である』(岩波文庫)240円、十返肇『筆一本』(鱒書房)カバ200円を購入。その後新刊書店へ行き、笙野頼子『幽界森娘異聞』(講談社文庫)を定価で購入。
11/13 仕事の帰りに柏に出てT書林に立ち寄り、水上瀧太郎『大阪』(東光閣書店)初版凾500円、竹内洋『教養主義の没落』(中公新書)、久家巧『トルコ生態学』(三一新書)各300円を購入。
11/15 仕事帰りに渋谷のブックファーストに立ち寄り、廣野由美子『批評理論入門』(中公新書)を購入。
11/16 本日は五反田遊古会初日。といっても、注文品はなし。閉場15分前に到着。まずは外。雑誌「あまとりあ」(52.5)200円。ちょっと探していた記事掲載だったので。それと筒井康隆の初版文庫本がズラリと並んでいたので『東海道戦争』(ハヤカワ文庫)初カ200円。100円だったらもう少し拾っていたかも。で、2階に行く。もう10分くらいしかなく、サーッとまわっただけだが、持っていると思いきやこないだ探したらなかったので大島渚『戦後映画・破壊と創造』(三一書房)初カ300円、ちょっと参考にということで十返肇『贋の季節』(講談社)初315円、それとゲテ本として花柳幻舟『子宮からの出発』(真海出版)200円を拾ってみる。ラストに、ビニル袋に入った切り抜き等一括525円というのが目に入り、一番表に「KK通信」の文字が見えたのでついでに中身をよく見もせずに購入してしまう。昭和30年前後のスポーツ新聞のエロ記事切り抜き(ほぼ、というか、全くのゴミ)と、「KK通信」1部のみ。ガックリだ。帰宅すると、お勉強用に先日ネット古書店に注文したロザリンド・H・ウィリアムズ『夢の消費革命―パリ万博と大衆消費の興隆』(工作舎)カバ帯3150円が届いていた。これは面白そう。
11/17 所用で神保町へ。どこかの店の外台で横光利一『日輪・春は馬車に乗って他八篇』(岩波文庫)300円を拾い、新刊書店へ行って、江戸川乱歩全集『探偵小説四十年』(光文社文庫)上下の2冊と、車谷長吉『物狂ほしけれ』(平凡社)署名落款入を購入。
11/23 趣味展初日。特に注文品はなし。とはいえ、注文しようか逡巡していたものあり。それは、三島由紀夫編『写真集六世中村歌右衛門』(講談社)外凾付30000円と、吉行淳之介『驟雨』(プレスビブリオマーヌ)限定A版凾署名8000円であった。特に前者は、少し前に2万円で凾欠本を購入していたし、逡巡した。で、まあまだ残っているかどうかも興味あり会場へ。といっても会場に着いたのが17時40分。ザーッと見て回って、漱石『夢十夜』(春陽堂)重版300円、「白樺」(大2・3)口絵切取300円、「映画評論」昭和44年度の2冊各210円のみ拾う。『夢十夜』は、パッと見はヴェストポケット傑作叢書なのだが、扉にも奥付にもその表記がない。漱石の重版にはそういうものがあると友人から教えられた。この場合叢書の一つというよりは簡便装の普及版といった位置づけなのだろう。「白樺」は、フェリシアン・ロップスの口絵が全て切り取られてしまっているが、萱野二十一(郡虎彦)「鉄輪」掲載だったので。で、問題の歌右衛門の写真集だが、もちろん棚には無かった。吉行も。
11/24 ちょっと所用で都内に出たので、ついでに高円寺へ行く。中央線古書展。注文品はない。ザーッとひとまわりする。拾ったのは、松本清張『日本の黒い霧』(文藝春秋)新訂重版350円、池島信平『雑誌記者』(中公文庫)200円、『ゴダール・マニフェスト』500円。最後のは「カラビニエ」と「イタリアにおける闘争」の時のパンフのようだ。それから、お勉強用・資料用として、尾崎秀樹『大衆文学』(紀伊國屋書店)700円、『東京の戦後誌』(下町風俗資料館)500円、『婦人画報増刊 皇太子殿下御降誕奉祝記念皇族画報』(34.4)500円。「皇族画報」は写真もふんだんにあり、系図もあり、実はよくわからない皇族関係が細かくよくわかるよい資料である。
12/1 国会図書館の帰りに神保町に出て、和洋会古書展を覗く。注文品はない。閉場間際だったので、サーッとみただけだが、特に拾いたいものはなく。ただ、安部公房の文庫本が出ていたのでそれを購入。ちょっと文庫本で揃えておこうと思っていたのだが、品切れ本もあるようだし、ものによっては100円では転がっていない。ということで安部公房の新潮文庫『第四間氷期』『R62号の発明・鉛の卵』『幽霊はここにいる・どれい狩り』以上初版カバ各100円、『燃えつきた地図』『密会』『箱男』『カーブの向う・ユープケッチャ』『方舟さくら丸』初版カバ帯各200円を購入。それからK堂へ向かい、木々高太郎『人生の阿呆』(版画荘)再版凾欠3600円を購入。初版凾付きなら高いが、このくらいのもはよい。
12/4 仕事の帰りに柏へ出てT書林を覗く。吉田健一『金沢』(河出書房新社)初版凾帯500円と、深作光貞『写真アンコールワット』(角川写真文庫)初カバ350円を購入。前者はこのくらいの値段で欲しかったのでよかった。
12/5 仕事の帰りに仕事場最寄り駅にある古本屋を覗いてみる。安部公房『壁』『水中都市・デンドロカカリヤ』(新潮文庫)各150円、水尾順一『化粧品のブランド史』(中公新書)210円、吉見俊也編『一九三〇年代のメディアと身体』(青弓社)600円を購入。
12/7 扶桑書房一人展目録が来ていた。本日はまど展。注文した水島爾保布『東海道五十三次』(金尾文淵堂)初凾欠1500 円はハズレ。で、会場を見て回る。まずちょっと読んでおきたかったので浜本浩『不良少年』(江戸書院)初版300円、『映画スター全集4』(平凡社)凾欠300円。これは安いと欲しい巻ではなかったが拾ったのに、あとで確認したら奥付欠であった。それから谷崎潤一郎『肉塊』(春陽堂)再版凾欠痛500円。初版は持っておらず、なおかつ持っている重版も七版以降の改装のものだったので。それと、ケネス・クラーク『ザ・ヌード』(美術出版社)初凾800円。これは実はちくま学芸文庫版を持っているのだが、美術出版社の一連のここいらへんのA5判シリーズは元版で持っており、悩んだがこれもこの安さということで購入。それと、取り敢えず知っておかないとということで綿谷りさ『蹴りたい背中』(河出文庫)200円、金原ひとみ『蛇にピアス』(集英社文庫)200円。その後、閉めかけていた店の外台からハイデッガー『存在と時間』上下(ちくま学芸文庫)揃1700円を購入。岩波文庫よりこちらだと薦められていた。その後東京堂に立ち寄り竹熊健太郎『篦棒な人々』(河出文庫)を購入。
12/9 木谷真紀子『三島由紀夫と歌舞伎』(翰林書房)をご恵送頂いた、感謝。
12/12 ちょっとお勉強のためにネット古書店に注文していた安藤宏『自意識の昭和文学』(至文堂)カバ帯2000円が届いた。
12/14 本日はちょっと所用のために神保町に出る。で、古書会館では新興展をやっていたのでちょっと覗こうといってみると、会場前にパトカー2台と警官複数、何やら事情聴取していた。結局会場では何も拾うものがなかったのだが、帳場などから聞こえてくる話を総合すると、どうも客同士が喧嘩をしたらしい。まあ、たまに聞く話ではあるが、実際見たのは初めてであった。それから新刊書店T堂へ。ここで、お勉強用に欲しかった関肇『新聞小説の時代』(新曜社)を定価で購入。久々に新刊書で3千円以上の本を買った。で、そのまま帰途、帰りがけに、地元駅の隣駅まで行き、いつもの古書店を覗く。ここで、坪内祐三『靖国』(新潮文庫)と三島由紀夫『反貞女大学』(ちくま文庫)初カバ帯あわせて600円を購入。前者は文庫化の際にケチケチして古書で拾おうと思っていたら全然見かけず何年も経ってしまったというのがあり、後者は帯のために買ったが帰宅してみるとちゃんと帯付きで持っていた。
12/15 先日ちょっと必要なためにネット古書店に注文していた『小林秀雄全作品6』(新潮社)カバ帯1200円と鳥尾多江『私の足音が聞える』(文藝春秋)カバ帯1000円が届いた。そして今日も昨日の古書店に立ち寄り、雑誌『婦人グラフ』(1926.9)3000円を購入。無論表紙の夢二木版画付き。
12/19 先日ネット古書店で見つけて注文していた中平卓馬『見続ける涯に火が…』(オシリス)2700円が届いた。売り上げスリップも付いた新品そのもの。新品で買おうと思っていたが古書で探しケチったのである。
12/21 本日は五反田遊古会展の初日。用事で都内に出た帰りに立ち寄る。まずは外台。ここで拾ったのは、『ヘルンバイン写真集』(リブロポート)初版カバ500円、マダム鳥尾『おとこの味』(サンケイ新聞社)初版カバ帯500円、芥川龍之介全集別巻『芥川龍之介案内』(岩波書店)初カバ500円、小林信彦『日本の喜劇人』(新潮文庫)初カバ帯200円、遠藤周作『月光のドミナ』(新潮文庫)初カバ200円、クリスチィ『アクロイド殺害事件』(創元推理文庫)カバ200円、それから雑誌『映画芸術』3冊各200円。で、会場へ。注文品は、マルセル・シュオブ『モネルの書』(南柯書局)初凾1500円、森茉莉原作舞台『枯葉の寝床』パンフ2000円、アンダーグラウンド蠍座公演堂本正樹作『私の可愛いシャワー室・ナイロンの折鶴』2500円、『現代日本詩人全集』(創元社)内容見本1000円。シュオッブのみハズレ。内容見本は、決定版三島全集未収録文のため。ザーッと一回りして、拾ったのは三島原作映画のシナリオ掲載などの雑誌『シナリオ』2冊各200円、それと『朗読日本文学大系現代文学編3』(ソニー)凾1050円。最後のは、三島の「三熊野詣」「真夏の死」と大河内昭爾の解説が5枚組のCDになっているというもの。初めて見た。通販とかで販売されたものであろうか。ということで、扶桑一人展を前にして結構な散財をしてしまった。
12/22 以前ネットオークションで落札した寺山修司『ガリガリ博士の犯罪画帖』(新書館)初凾4500円が届いた。十年以上前に買って持っていたが、状態がよいものが安価で出ていたため。
12/23 本日は本部古書会館にて扶桑書房一人展。注文した潤一郎六部集の一冊、谷崎潤一郎『盲目物語』(創元社)限定記番裸本5000円はあたり既に家に届いている。で、正午開場とのことで、午前10時半少し前くらいに到着すると、会館前には誰も居らず、中を見ると入口を開けて待っている人は椅子に座って談笑中。なかは暖房が効いており十番目以内であったし、開場10分前くらいまでは十人ちょっとしかおらず殺伐とした空気が全くなかった。結局ギリギリになって30人くらいはきていただろうか。で、開場。いつもの古書展とは違って、最低価格は千円。それ以上のものが列んでいるのだが、会場で拾って、逡巡の末に購入したのは、森茉莉『靴の音』『父の帽子』(筑摩書房)初版凾帯付各1000円、上田敏『うづまき』(大倉書店)再版凾欠1000円、森鴎外『水沫集』(春陽堂)改訂重版カバ欠1000円、永井荷風『秋のわかれ』(春陽堂)初版凾欠1800円水上瀧太郎『明窓集』(大阪毎日新聞社)初版凾付美2000円、溝口白羊『金色夜叉の歌』(岡村書店)重版裸本1200円、平岩昭三『「西遊日誌抄」の世界』(六興出版)初凾帯3000円、三島由紀夫『愛の疾走』(講談社)初版凾帯1800円、埴谷雄高『死霊』(近代生活社)初版限定凾1500円、それから保田與重郎『日本の橋』(芝書店)初版凾欠1800円。いや皆安い。『愛の疾走』は、普通は1月初版だが、これは本文に目次が増補された3月初版。『うづまき』は初版凾欠は所持していたものの、この安さでは。この他、晶子やら白秋やらの凾欠本や鏑木清方の随筆集、犀星『愛の詩集』凾付2500円とか、あれこれあったが、資金を考えて断念。会場のGケースからは、『春と修羅』などがドンドン売れていく。谷崎の『盲目物語』近松秋江宛献呈署名本なども売れたのであろうなあ。
12/24 本日も扶桑書房一人展。昨日補充があると聞いていたのである。しかしまあ初日がああいう感じだったし、二日目はそこまで早く列ばなくてもと開場15分前くらいに行く。それでも十番目以内だったと思う。で、開場、そして拾ったものは、夏目漱石『三四郎』(春陽堂)再版凾欠4500円芥川龍之介『黄雀風』(春陽堂)初版凾欠2000円、それから実は昨日買おうか逡巡した菊亭香水『惨風悲雨 世路日記』(文事堂)再版2000円。本当はこのボール紙本とは別に文庫判くらいの仮名起こし縮刷版のようなのもあったが、そちらはやめた。漱石は縮刷ではなく無論元版。芥川も、本当は迷ったが初版だしよいかと。結局、これは高価な…というものはないが、結構な量を買ってしまった。まだ京王の注文品もあるのに。Gケースの方も補充されていて、乱歩の『怪人二十面相』の綺麗なカバー付とか速攻で売れていた。佐藤春夫の『病める薔薇』3版著者自筆訂正入りなんかも、お手ごろ価格だろうとは思ったが、売れたのであろうか。
12/26 先日ネット古書店で注文した本が届いていた。イルメラ・日地谷=キルシュネライト『私小説』(平凡社)初カバ帯3500円。これ、お勉強用に欲しくてずっと探していたもの。ネット古書店やオークションなどにもあるにはあるが、どうもこの本の古書相場は現在2万円弱もするようで、とてもそんな法外な値段出して買う気は起こらず、悔しい思いをしていた。で、ここ3週間は毎日毎日ネット検索していたのだが、とうとうそれが引っかかったのであった。しつこさの勝利。で、本日は新宿京王古書の市の初日。しかし朝一では列ばず、国会図書館の帰りに新宿に出て立ち寄る。注文品は、尾崎紅葉『多情多恨』(春陽堂)重版凾痛4200円、荒木経惟・鈴木いづみ『私小説』(白夜書房)初版8000円、三島由紀夫作「喜びの琴」パンフ+舞台写真6枚6000円で、後者二つはハズレ。『多情多恨』は、既に重版を持っているが、痛んでるとはいえ凾付きである。いかにも外装は凾ではなくて袋かと思うような本ではあるが、実は合わせ凾ということは知っていた。で、会場。ザーッと見て拾ったのは、井上章一『新版 霊柩車の誕生』(朝日選書)300円、エリアーデ『シャーマニズム』(ちくま学芸文庫)上下揃2100円、関川夏央・谷口ジロー『「坊っちゃん」の時代』『秋の舞姫』(双葉社)重版、初版の300円、400円。それから、注文品。サスガに、凾に入っていた分はあり、表紙や背中もピンピン、極美であろう。で、会場で会った知人の方と一緒に近くの茶店に入り、買った物を取り出して確認などしていると、おいおい、『多情多恨』初版ではないか、と。これにはビックリ。確かに目録には「初版」と書いておらずただ「凾痛みあり」としか表記がなかった。他のこの店の出品物は皆初版には初版と表記があったし、もしや縮刷かと発行年表記を見ると明治30とあったので、てっきり初版に近い重版本と思い込んでいたのである。そしたら初版、しかも凾付きで本体は極美に近い。ということで、先程記したのは、尾崎紅葉『多情多恨』(春陽堂)初版、本体美凾痛4200円と訂正しなければならぬ。実は古書おさめにして今年一年で最大の収穫物であったかもしれない。