back



2006年


1/1  年末にネット古書店に注文していた池長孟『狂ひ咲き』(福音社)初凾付2500円が届いた。著者3冊目の戯曲集。
1/7  柏に出たので、いつものT書林に立ちより、池田得太郎『家畜小屋/女神像』(深夜叢書社)初カバ帯700円と戸板康二『松井須磨子』(文春文庫)初カバ200円を購入。
1/8  渋谷のパルコブックセンターにてジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』(以文社)を定価で購入。
1/12  ネット古書店に注文していたパスカル・ボニゼール『歪曲するフレーム』(勁草書房)1400円が届いた。柏に出たのでT書林へより、唐十郎『少女と右翼』『吸血姫』(角川文庫)初カバ各200円を購入。
1/13  ネット古書店に注文していた長谷正人他編『アンチ・スペクタクル』(東京大学出版会)カバ帯3500円が届いた。お勉強用。神保町では古書愛好会展。注文していた、竹久夢二『山へよする』(新潮社)初版6500円、長田幹彦『祇園夜話』(新潮社)再版凾美夢二木版装6500円、同『鴨川情話』(新潮社)重版凾極美夢二木版装8000円、すべてハズレと電話確認。結局閉場18時に間に合わず、書肆HとK堂を覗くのみ。
1/16  池袋に出たので、幾つか捜している本を新刊書店で探すもみな少し前に品切れ。結局ジュンク堂にてジョン・H・ハモンド『カメラ・オブスクラ年代記』(朝日選書)を定価で購入。それから映画「春の雪」台本掲載の雑誌「シナリオ」(05.12)と三島特集の「en-taxi」を定価で購入。
1/17  お勉強用にネット古書店に注文していた辻茂『遠近法の発見』(現代企画室)1800円と『芸術哲学の根本問題』(晃洋書房)重カバ2000円が届いた。
1/19  ネットオークションでつい入札してしまった『金子国義エロスの劇場』(小学館)初カバ凾献呈署名入3600円と、お勉強用にネット古書店に注文した小山清男『遠近法』(朝日選書)600円が届いた。で、所用で江古田に出たので、ついでにB・O江古田店を覗き、土方巽『病める舞姫』(白水uブックス)450円を購入。池袋にも立ちより、新刊書店で高橋呉郎『週刊誌風雲録』(文春新書)を定価で購入。
1/20   本日は五反田遊古会古書展初日。が、家を出るのが遅く、いつものように会場に着いたのは閉場10分前。会場を急いで回り、斉藤茂太『精神科医三代』(中公新書)200円と大岡昇平『武蔵野夫人』(講談社)初版カバ500円、ゴダール『ONE PLUS ONE』パンフ200円を拾い、注文品を確認。注文した、文学座「十日の菊」パンフ2500円、三島由紀夫『仮面の告白』(河出書房)初版カバ4500円、三谷信『旧友三島由紀夫』(笠間書院)初カバ帯1000円、北垣隆一『三島由紀夫の精神分析』(北沢図書出版)初凾1000円のうち、「十日の菊」のみあたり。
1/24  以前ネットオークションで落札した、芸術座パンフ『春の雪』1000円とカラー名作少年少女世界の文学『潮騒/しろばんば』(小学館)初カバー凾帯月報50円が届いた。後者、昨年必死に捜してなかったのに、たった50円で落札とは。それから夕方、以前お勉強用にネット古書店に注文した若桑みどり他『遠近法の精神史』(平凡社)カバ3000円が届いた。
1/26  ちょっと柏に出たので、いつものT書林を覗く。で、『新青年読本』(作品社)初カバ帯2000円があったので買う。この店にしてはちょっと高いかなと思ったが、これ買っておかないとと最近思っていたのでタイミングがよい。それと、バーセルミ『口に出せない習慣、奇妙な行為』(サンリオSF文庫)カバ600円というのを買ってみる。ついでに、中公新書の原田勝正『駅の社会史』300円と佐藤忠夫『ヌーベルバーグ以後』200円を購入。
1/27  先日ネットオークションで落札した谷崎潤一郎『刺青 他九篇』(春陽堂)重版凾美5000円が届いた。表紙が絵の縮刷版のほう。
1/28  趣味の古書展に注文していた、矢野目源一『光の処女』(籾山書店)初版凾欠見返し切背焼8000円、電話確認するとハズレ。
2/2  新潟の書店にメール注文していた新刊書が届いた、阿部誠『東文彦』『東文彦ガイド作品編』『東文彦ガイド評伝編』、雑誌『琴音』1号、総額7千円近く。
2/10  書窓会初日。注文していた三島由紀夫『仮面の告白』(河出書房)初版カバ帯30000円、電話確認したがハズレ。注文時出品店にも聞いたのだが、元帯か後帯かわからないとのこと。
2/15  池袋西武の古書市、初日。特に期待も注文もしていたわけではないのだが、久々に前夜寝ないで朝一番にかけつけようと行ってきた。が、到着したのは開場10分前、既に40人は並んでいたか。で、開場。どうだろう、という感じだったが、小山内薫『蝶』(水野書店)初版凾欠800円が拾えたので満足。読み込まれて背が凹型になってしまってはいるが。ほかに、白水社の芸叢書がどさりと1冊1000円でえあったので、『えとく』(白水社)カバ凾帯を拾う。のぞきからくりに関するよい資料だ。それと、NLT公演「信天翁」パンフ400円。で、帰宅してみると、必要あってネット古書店に注文してた中康弘通『切腹』(久保書店)初カバ帯1000円が届いていた。元版は持っているのだが、これは増補版。それと一緒にオークションで落札した雑誌『地下演劇』12号2000円も届いていた。
2/17  ネット古書店に注文した森茉莉『恋人たちの森』(講談社ロマンブックス)初版カバ1050円が届いた。駅前の新刊書店で「別冊週刊新潮」昭和31年創刊号完全復刻版を定価で購入。
2/20  ネット古書検索でみつけた文学座名古屋公演パンフ『熱帯樹』500円が届いた。
2/22  柏に出て新刊書店で池田理代子構成脚本『春の雪』(主婦の友社)を購入。それからT書林にて松井今朝子『奴の小万と呼ばれた女』(講談社文庫)350円を購入。
2/23  渋谷のパルコブックセンターにて平沢剛編『アンダーグラウンド・フィルム・アーカイブス』(河出書房新社)を定価で購入。
3/3  お勉強用にネット古書店に注文した佐藤健二『風景の生産・風景の解放』(講談社選書メチエ)700円が届く。
3/4  ロマンチカの公演を見に行き、会場でイリナ・イオネスコ写真集『je ne sais pas』夫婦凾入無綴限定500部12500円を購入。帰宅すると、佐藤秀明『三島由紀夫 人と文学』(勉誠出版)が献呈されていた、感謝。
3/10  城南展初日。注文していた雑誌「映像芸術」10冊揃3000円はハズレ。休刊前のやつ。これは欲しかった。会場は特になし、シング『アラン島』(岩波文庫)、ラッセル『怠惰への讃歌』(角川文庫)各150円と大塚英子『「暗室」のなかで』(河出文庫)200円、野坂昭如『真夜中のマリア』(新潮社)初カバ帯200円を拾うのみ。
3/14  柏に出たのでT書林に立ちよる。以前より安く捜していた『ドキュメント日本人9 虚人列伝』(学芸書林)凾600円と、中山茂『帝国大学の誕生』(中公新書)200円を購入。
3/19  五反田古書展、2日目の今日は17時までなのを忘れており、注文品があたったので向かったのだが、どうも17時過ぎになりそうだったので会場に電話を入れ無理いって帳場に取り置きして貰う。で、閉場後20分後くらいに到着、恐縮しつつ会計。が、注文した川端康成『浅草紅団』(先進社)初版凾欠背痛8000円、確かに背痛とはあるがこれがもう酷いシロモノ。背は一部欠け、両見返しは全部ベッタリ貼付、そうしないと表紙取れそう。その上全体的に汚れ酷く。さすがに無理言ったので返品とはいえずゲンナリ。
3/24  趣味の古書展初日。閉場1時間前に到着。注文していた長野甞一『谷崎潤一郎―古典と近代作家』(明治書院)凾2000円は当たりというか注文一人きり。この本1万円くらいしていたと思ったけど、この辺の研究書、余り売れないのだろう。この本は一昨年2分冊の新版出たけれど。会場では、田口八重『おこしやす』(栄光出版社)重カバ帯300円。三島回想あるので。その後東京堂へ行き、お勉強用にパノフスキー『〈象徴形式〉としての遠近法』(哲学書房哲学選書)を定価で購入。家に帰ると、先日ネットオークションで落札した堂本正樹『男色演劇史』(薔薇十字社)初凾帯美2600円が届いていた。
3/25  先日ネット古書店に注文した、青年法律家協会編『人権争議―近江絹糸労働者のたたかい』(法律文化社)カバ帯1500円が届いていた。三島由紀夫「絹と明察」のネタ本のひとつ。
3/27  先日ネット古書店に注文した大場正明『サバービアの憂鬱』(東京書籍)初カバ帯2000円が届いた。お勉強用。その後柏に出、いつものT書林で、末井昭『東京爆発小僧』『東京デカメロン』(角川文庫)2冊320円で購入。
3/31   和洋会初日。注文品はなし。閉場30分前に来たが雑誌をみていたら、タイムアウト。拾ったのは谷崎潤一郎『お國と五平 他二篇』(春陽堂ヴェストポケット傑作叢書)重版800円と雑誌『批評』14号800円。谷崎のヴェストポケット傑作叢書は残りあと1冊。しかし今回のは、本自体崩れたり読まれて状態がよくないのが比較的多いヴェストポケット傑作叢書にしてはしっかりしていてよいが、表紙に泥はね?のようなシミが。帰宅後薄い刃でカリカリとやる。
4/1  柏に出たのでT書林に立ちより、久生十蘭『肌色の月』(中公文庫)200円を購入。
4/5  所用で柏に出たのでT書林に立ちより、金光昭『赤電話・青電話』(中公新書)200円と村上春樹『パン屋再襲撃』(文春文庫)200円を購入。
4/14  五反田散歩展初日。だが、来るのが遅く、会場に到着したのは閉場時間の18時。注文した、1958年のニューヨーク・シティーバレエ団来日公演パンフ1500円のみ購入。
4/15  所用で都内に出たので、まずは新宿へ。数日前注文した、梅津齋『断章三島由紀夫』(碧天舎)を定価で購入。この本、今年の2月に出たばかりなのだが、3月で版元が倒産?し現在絶版。紀伊国屋にはまだ十数冊あるとのこと。で、次にリベンジとばかりにまた五反田へ。しかし特になにもない。各200円で、竹邑光裕『サイバー・メディアの銀河系』(フィルムアート社)、円地文子『女坂』(講談社ミリオンブックス)、雑誌『sumus』12号の3点を拾う。
4/17  池袋のぽえむ・ぱろうるにて、塚本邦雄『ハムレット』(思潮社)新装復刊限定1200部を定価で購入。
4/18  新刊書店にて、三島由紀夫の小特集している『夜想』と、『三島由紀夫文学論集1』(講談社文芸文庫)を定価で購入。
4/21  ちょろっと神保町に出たので、久々に神保町古書モールを覗き、源氏鶏太『最高殊勲夫人』(講談社)初版凾1000円を購入。
4/22  先日ネット古書店に注文したマックス・ノルダウ『現代の堕落』(大日本文明協会)2625円が届いた。この本、8年以上捜していた探求書、やっと入手! 図書館で借りて全ページコピーなどはしていたが。同じ抄訳でも『現代文明之批判』よりはよいでしょう。「非堕落論」というノルダウへの反論も付録でついているし。
4/24  池袋のリブロにて山崎晃嗣『私は偽悪者』(牧野出版)を定価で購入。復刊版。よくこんなのが出たもんだ。
4/28  以前ネットオークションでつい落札してしまった、たつみ都志『ここですやろ谷崎はん』(広論者)1200円が届いた。また、キネカ大森に三島由紀夫映画祭を見に行き、会場で雑誌「映画論叢」8号を定価で購入。
5/6  柏に出たのでT書林を覗き、柳原白蓮『踏絵』(竹柏会)重版裸本500円を購入。
5/12  城北古書展初日。注文品はない。いつもの如く、閉場30分前に到着、サーッと会場を見て回る。で、薄田泣菫『白羊宮』(金尾文淵堂)初版凾欠挿画欠1000円を拾う。本体は大して痛みもなく、挿絵2枚ないというだけで(別に木版とかじゃない)この値段は安くないか。今時、泣菫なんて人気ないのか。
5/14  中央線古書展の最終日。昨日電話して注文品があたっていたので取りにゆく。注文したのは、東横劇場『双頭の鷲』プログラム3500円とマルセル・シュオッブ『黄金仮面の王』(コーベブックス)初凾帯3500円。会場では、有吉佐和子『仮縫』(集英社文庫)重カバ100円と三島が表紙写真に写りこんでいる『サンデー毎日』(68.11.3)200円と、荷風「ぬれずろ草紙」掲載の『新潮45』(86.5)150円。「双頭の鷲」プログラムはちょっと高かったか。
5/20  本日は、五反田遊古会と愛書会古書展の最終日。早めに起きたので、午後は神保町と五反田とまわろうとかんがえていたが、ぐずぐずしいていたら、五反田だけでタイムアップとなった。注文品はなし。閉場1時間前に到着してゆっくりとみる。で、拾ったのは、寺山修司・天井桟敷編『ドキュメンタリー家出』(ノーベル書房)再カバ700円、山野浩一『X電車で行こう』(新書館)初版カバ欠献呈書名帯1000円、大島渚『日本の夜と霧』(現代思潮社)再カバ500円。実は3冊とも持っている。いや、大島のは署名入りで持っていたが、友人の大島ファンにあげてしまった。後の増補版では削除されちゃう松本俊夫の対談が巻末に入っている。で、『ドキュメンタリー家出』も持っているが、所持本はカバーが汚いため。安いし。それから『X電車で行こう』は、カバがなく帯は中に挟まっていた。所持本はカバー付きなので、カバーをつければ署名入りカバ帯初版本となる。夕方神保町に出て、T書店など少し見る。間章『時代の未明から来るべきものへ』(イザラ書房)初版凾付6800円などというものがあった。再版は所持しているが、初版は貼凾(再版は機械凾)なのだ。すぐ売れるんだろうなあ。
5/23  ちょっと必要あってネット古書店に注文していた円地文子『花散里』(文芸春秋新社)初凾300円が届いた。
5/27  高円寺古書展二日目。注文品を取りに行く。当選したかどうかは昨日電話確認していた。で、注文品は、三島由紀夫編集『六世中村歌右衛門』(講談社)限定500部歌右衛門署名入の凾・外凾欠20000円坂ノ上言夫『Anaedoeus』(古典科学学会医書出版部)限定500部10000円。前者は三島自ら大ファンだった歌右衛門の写真をあれこれ選んで編集作業をした歌右衛門の豪華写真集。背革でデカイ。本来は透明アクリルケースと段ボール外凾がついて完本だが、完本は10万円くらい。そんなもの手が出るわけがなく、凾欠ながらこれなら何とか手が出たという次第。そして後者は「性器秘章」として知られる奇形性器の研究書で発禁本である。珍しい図版も多くじっくり読んでみたい。がしかし、今3万円はキツ過ぎる。明日からどうやって暮らせばよいのか。嗚呼。
6/1  柏に出たのでT書林に立ちより、小松左京『日本アパッチ族』(角川文庫)150円を購入。
6/15  下北沢へ芝居をみにいったついでに、DORAMAに立ちよったら、ハンス・ゼードルマイヤー『中心の喪失』(美術出版社)初凾900円をみつけたので、購入。
6/18  柏に出たのでT書林に立ちよる。『筒井康隆全漫画』(奇想天外文庫)初カバ250円、ニザン『アデン・アラビア』(角川文庫)カバ150円の2冊を購入。
6/20  新刊書店にて、永嶺重敏『怪盗ジゴマと活動写真の時代』(新潮選書)を購入。
6/21  新刊書店にて古谷兎丸『ライチ光クラブ』(太田出版)を購入。
6/24  久々にぐろりや会古書展を覗く。閉場30分前だが。しかし何もなく、古い『新劇』200円を2冊拾うのみ。ぐろりや会は閉場近くの客の追い出し攻勢がすごくて、一部電気まで消しやがった。自分らの作業のことしかかんがえてないだろう。その後、東京堂で車谷長吉『文士の生魑魅』(新潮社)書名落款入を定価で購入。
7/1  西部古書展。注文した、井村宏次『霊術家の饗宴』(心交社)初カバ帯2100円は当たり。しばらく捜していた本だったので嬉しい。次の予定があったので、ホントにサーッとだけ会場を見て、岡田貞三郎述真鍋元之編『大衆文学夜話―講談倶楽部を中心に』(青蛙房)初凾525円を拾う。これは面白そう。
7/12  ネットオークションで落札した三島由紀夫『仮面の告白』(河出書房)3版カバ2500円が届く。背表紙の部分ちょっぴし欠けてるのが残念。
7/15  本日は愛書会古書展。注文していた、谷崎潤一郎『蓼喰ふ虫』(新樹社)凾墨筆書署名落款限定500部の内の献本用30部12000円、『鈴木泉三郎戯曲集』(プラトン社)初版凾付2000円は、後者のみあたり。前者は、いままでどの書誌にも出ていなかったんじゃなかろうか。しかもこの値段は安い。会場では何も拾うものなし。
7/18  浅草松屋古本まつり最終日。注文した三島由紀夫『にっぽん製』(朝日新聞社)初帯6000円、中線確認の電話をしたらあたっていた。で、仕事に行く途中に立ちよったのだが、来場と電話で念を押しておいたのにもかかわらず会場について聞いてみるともう郵送してしまった、と。わざわざ早く出てきたのに。
7/19  昨日の三島由紀夫『にっぽん製』(朝日新聞社)初帯6000円が届いた。早すぎ。昨日電話した時点で既に発送済みだったのか。
7/20  柏に出て新刊書店に立ちより、小谷野敦『谷崎潤一郎伝―堂々たる人生』(中央公論新社)を定価で購入。  
7/21  本日は趣味展初日。注文品は二点。十一谷義三郎『神風連』(中央公論社)初版凾付上下揃5000円、それと、佐藤春夫『美しい町』(天佑社)初版凾付凾補修あり15000円。で、後者のみ当たり。やっと『美しい町』を入手。でもこの金額は安いが高い。懐にはキツイ。あと会場で『ジロドゥ全集5』(白水社)重凾500円を拾う。これでジロドゥ全集はバラで全部揃えた。その後、K堂に行き、取り置きしておいた水上瀧太郎『心づくし』(籾山書店)初凾欠1300円を購入。
7/27  本日は新宿京王百貨店の古書市の初日。目録注文はしていないものの、会場での拾いものには期待している。昨年の例もあるし、いま唯一会場を期待している古書市といってもよい。で、開店40分前に到着。今年は昨年とは入場の仕方がかわり、エレベーターで一括輸送のようだ。開店30分前になるとドッと客が増える。ちょっと早めでよかった。で、会場に着くやいなや目的のお店の棚に駆け込む。取り敢えず目につくものを拾いまくる。しかし何だろう、去年と同じ品が目立つ。しかも半額〜半額以下で出ているではないか。ビッキ・バウム『グランド・ホテル』(中央公論社)初版凾1500円はよいな、と思いきや、奥付欠。最近は、百間の本が目立つ。ゴロゴロしている。結局拾わなかったが。それでまあ、一通り漁りつくしてから、別の場所にいって会場の隅っこでどれを買うか選択タイム。結局、ただ蕗谷虹児の装幀で買ってみるかと拾った沖野岩三郎「白路を見つめて」(大阪屋号出版)再凾500円、樋口一葉『たけくらべ』(博文館)初凾欠500円、三島由紀夫『小説家の休暇』(講談社)初帯美500円、『仮面の告白その他』(改造社)初美500円、押川春浪選集『海底軍艦』(石書房)再カバ500円、改訂増補版『上田敏詩集』(第一書房)重凾800円、それからお勉強用に欲しかった『ユリイカ』臨時増刊悪趣味大全800円。以上、全部同じ本屋の棚より。まあまあかなと思えるが、これという決めての掘り出しがなかった。で、その後も会場をあれこれ見て回り、近松秋江『都会と田園』(人文社)初版525円というのを拾う。著者撮影の写真があれこれ入っていたりする袖珍本。夜、帰宅すると、先日ネットオークションで落札した映画パンフ『夏子の冒険』美1000円が届いていた。
7/28  本日は、和洋会古書展初日。注文品はなし。閉場1時間前に到着。会場を回る。龍膽寺雄『アパアトの女たちと僕と』(改造社)重版凾欠5000円ほかちょっと食指を動かされたものもあったが、金欠なので諦め、雑誌『人間探求』(51.10)300円、雲の会編集の雑誌『演劇』(56.9、10,57.1,2)各200円を購入。その後K堂を覗く。
8/7 柏に出たので、先日取り置きしておいた『婦人グラフ』(26.1)1200円を購入。こちらも表紙画は夢二。といっても木版ではない。前々から余裕が出来たときに注文しようと、そのまま忘れていた大木透『名匠松本喜三郎』復刻版が品切れになっていた。ガックリ。
8/10 柏に出たので、T書林に立ち寄り、安藤鶴夫『雪まろげ』(旺文社文庫)初カバ300円を買ってみる。
8/11 銀座シネパトスで映画「太陽」のパンフ1000円を買ってから、一旦国会図書館で資料漁りをし、それから渋谷に向かい、渋谷東急の古書市へ、注文した泉鏡花『薄紅梅』(中央公論社)初版凾4000円とか三島由紀夫『スタア』(新潮社)初版凾帯3000円はハズレ。会場も一応一通り全部まわったが、ちょっとゆっくり見過ぎたのか、3時間はかかってしまう。結局、お勉強用に『講座日本映画1日本映画の誕生』(岩波書店)凾帯1000円と、『ポルノ解読辞典』(波書房)カバ欠200円なんていう妙な英語辞典を拾ったきりだったが、最後の最後で『おせん』を棚に見つけたので値段を見てみると何と2000円。確かに雪岱による木版口絵は欠だが、美本で凾付初版でこの値段は安くないか。表紙だって多色刷木版だのに。たった一枚の口絵欠でこうなのならば、もうどんどん口絵欠の本が欲しいところではある。喜んで邦枝完二『絵入草紙おせん』(新小説社)初版凾付美口絵欠2000円を購入。そういえばウチには、口絵付きだけど凾欠で表紙もボロボロのこの本があった・・・。
8/12 渋谷東急をまた覗いてみる。というのも、例えば、三枝佐枝子『女性編集者』(筑摩書房)初カバ帯川島勝宛献呈署名入500円とか、そういうものを見つけていたのだが、もう所持しているしとやめてきてしまったからだ。しかしまあ、棚からは消えていた。著者は川島氏の部下で三島も担当した編集者。
8/17 ネットオークションで落札した小埜裕二編『日本文学研究論文集成42三島由紀夫』(若草書房)カバ1000円が届いた。 8/18 柏に出たのでT書林に立ち寄り、『イメージフォーラム』(81.10)300円を購入。また、ちょっと入り用でネット古書を注文していた三浦哲郎『水の中の神話』(角川書店)初凾600円が届いた。
8/20 新宿紀伊国屋にて、半藤一利編著『昭和史が面白い』(文春文庫)を定価で購入。 8/21 駅前の新刊書店にて、石田あゆう『ミッチー・ブーム』(文春新書)と小田部雄次『華族』(中公新書)を定価で購入。
8/22  ちょっと必要あって捜していた本がネットオークションに出ていたので落札、今日その三浦哲郎『野』(講談社文芸文庫)400円が届く。
8/23  ネットオークションにて落札したカルロス山崎『オール見世物』(世界珍奇社)6650円と雑誌『LIFE』(66.9)1200円が届いた。前者はそろそろ見掛けなくなってきたので、定価よりも安く欲しかったもの。後者は、アジアエディションだが、三島の特集ページがあるので。
8/29  神保町にでたので東京堂に立ちより、車谷長吉『世界一周恐怖航海記』(文芸春秋)署名落款入を定価で購入。その後神保町古書モールへ行き、ちょっと仕事関係で入り用だった『和漢朗詠集・梁塵秘抄』(岩波古典文学大系)重凾帯350円を購入。
9/1  本日は書窓会初日。目録注文した小山内薫『笛』(春陽堂)初版凾欠平題簽少欠5500円は当たり。平の題簽剥がれは痛いが、これ発禁本だし、完本は手が出ないしこれでよしとしよう。それから会場では、塚本邦雄『ハムレット』(深夜叢書社)帯欠500円とかあったがやめ、三浦哲郎『初夜』(新潮社)初カバ500円、森茉莉『甘い蜜の部屋』(新潮社)初凾帯500円を拾うのみ。
9/23  必用あってネット古書店に注文した本を直接神保町の古書店に取りに行く。『輝け60年代―草月アートセンターの全記録』(フィルムアート社)4900円を購入。
9/29  金欠のため、アルフォンス・イノウエ画集『ベル・フィーユ』(奢霸都館)特装限定120部を売却。K堂にて、以前より取り置きしていた永井荷風『断腸亭雑藁』(籾山書店)初版裸本1000円を購入。
10/7 ちょっと必要あって新刊書店にて赤瀬川原平『反芸術アンパン』(ちくま文庫)を購入。
10/20  本日は五反田散歩展の初日。国会図書館にて所用を済ませてから久々にゆっくり覗きたい、などと思っていたのだが、なんやかんやでもたつき、結局、会場に到着したのは閉場後であった。前もって電話でお願いして、目録注文品だけは受け取ってきた。で、購入したのは、桑野桃華『芸苑秘録 水のなかれ』(聯合演芸通信社)再版凾欠2000円。これはここのところちょっと探していたもので、明治末期の活動写真界などについてあれこれ書かれ図版も多く嬉しい一本。その後神保町に向かう。
10/27 本日は年に一回のお祭り、神田古本まつり・特選古書即売展の初日である。毎度毎度のことながら、やはりこの日はどうしても期待してしまい朝の8時過ぎには会場前に並んでしまう。とはいえ、現実的なことをいってしまうと、もう前からなだれ式に掘り出し率が低くなり、安価良品の拾いものは無くなってきて正直あまり期待出来ない状況になっている。前もって、目録からは2点ほど通門していた。それとは別に会場で何が拾えるか、というのが青展の醍醐味でもあったのだが。で、友人と待ち合わせ、1番と2番を確保。2時間後、開場。いの一番に、まず並んでいる最初の方の先頭グループの皆が皆最初に向かうであろう書店の棚をわざと無視して、いま唯一期待のかけられる古書店の棚に向かう。抜く、抜く、抜く。凄い、もう何年も探求していた谷崎潤一郎『金色の死 他三篇』(春陽堂ヴェストポケット傑作叢書)重版美2000円などというものをゲット。嬉しさを噛みしめながら5分もみずに、そのまま、そこだけ人だかりしている某書店御店に行く。しかしそこでとんだ悲劇を演じてしまった。あれだこれだと脇に抱え、皆欲望丸出しで押し合いへし合いしている棚の下に一人潜り込んで、棚の下においてある古書をあれこれ物色。一応これもあれもとやっていたら、いつの間にか脇に抱えていた本から、先ほどの「金色の死」が消えていた。ぬぬぬ、と、必死に探すも落ちていない。盗まれたのか。それなら気がつくだろうし、こちらも必死になっていたので、脇に抱えたものが少し崩れて落としてしまったのだろう。といっても、ちょっと前に見たときにはあったので、移動距離50センチくらいの間の数分の出来事である。しかも床、どこ探してもない。誰かにもっていかれたのである。顔面蒼白、ほぼ徹夜で朝一番に来て、ワクワクしながらの古書展、しかも8年越しくらいの探求書ゲットで最高潮だったものが一気に真っ暗。もうその時点で、全部イヤになり帰ろうかと思ったが、なんとか棚に目を泳がせることで忘れようと務めた。しかしショックは大きく、一応、なんにゃかや拾ったが、もうどうでもよい気分であったことも確かであった。久生十蘭『うすゆき抄』(文藝春秋新社)初版カバ帯欠300円、久米正雄『学生時代』(新潮社)元版重版凾1800円、『江戸川乱歩全集1巻』(平凡社)初版凾欠500円、安藤更生『銀座細見』(春陽堂)初版凾欠3500円、それからお勉強用に谷崎特集の雑誌「芸術至上主義文芸」(79.11)300円とちょっと資料に石田天海『奇術三十年』(朝日新聞社)特装限定50部本500円、加藤信一『写真術階梯』(小西本店)重版500円。その後、外に出て三省堂会場に向かったのだが、今年からはなくなったらしい。その分、通り沿いのワゴンが増えている。岩波会場にて、三島由紀夫『不道徳教育講座』(中央公論社)初版カバ帯美500円を購入。この本、何故かカバーが痛んでいる本が多いが、これはキレイで500円、中に帯も挟まっていた。昼食を撮った後、ワゴンをあれこれと流してみたり。この頃になると、寝不足と疲労感でグラグラ。あるワゴンで、平凡社の「世界名作全集」の別巻である『世界名作事典』初版凾付を300円で見つけ、購入。これ、国会図書館にもなく探していた本だったのでちょっと嬉しい。監修者メンバーに三島がいるのである。
10/28 神田古本まつりの2日目。国会図書館から神保町に向かい、到着したのが16時半頃か。今日はすずらん通りの出版社のセールワゴンを流す。お勉強用に、青弓社ブースで坪井秀人編『偏見というまなざし』800円を、ポーラ文化研究所のブースでは津田紀子他『モダン化粧史』800円を購入、筑摩書房ブースでは、定価の半額で販売されていたちくま文庫、ちくま学芸文庫の中から、朝倉無声『見世物研究』を購入。その後、或る方から、先日まで古書会館でやっていた中沢弘光展の図録『中沢弘光研究』を頂戴する。図版も豊富でかなりよい資料。感謝。そして、夜中に帰宅してみると、田中美代子『三島由紀夫神の影法師』(新潮社)が献呈されていた。感謝。
11/23 著者より井上隆史『三島由紀夫虚無の光と闇』(試論社)を頂く。感謝。
11/25 過日五反田展の目録にて注文した雑誌『地下演劇』2号2000円が届いた。これで雑誌「地下演劇」は14号まで揃ったことになる。
11/30 柏にでたのでT書林に立ちより、井上圓了編『通俗絵入妖怪談』(瀬山順成堂)重800円、岩波文庫の徳富蘆花『不如帰』、国木田独歩『武蔵野』、田山花袋『蒲団・一兵卒』を購入。
12/8 本日はまど展。注文品は無し。閉場30分前に会場に到着しまわりはじめる。結局、金がないせいもあって黒っぽい本で拾いたいものもあったが見送り。それで拾ったのは、武田泰淳『未来の淫女』(目黒書店)初版帯欠300円。これは普通林武による表紙画の装幀だが、これは真っ白無地の異装版。それと、ちょっと前から探していた千葉成夫『現代美術逸脱史』(晶文社)初カバ1500円。それからふらりとT堂に立ち寄ってみると、森山大道『新宿+』(月曜社)署名本が2冊だけあった。手に取ると、残り1冊を誰かが買っていってしまい、悩んだが結局買うことに。
12/18 F目録で、ちょっと必要あって注文した今東光『稚児』(鳳書房)初版3000円が届いた。
12/27 ネット注文していた谷川渥『美のバロキスム―芸術学講義』(武蔵野美術大学出版局)2700円が届く。新刊書だが、何故か新品が古書店に。お陰で安く買えた。
12/29 昼過ぎ、献呈された本が届いた。中村哲郎『歌舞伎の近代』(岩波書店)。感謝。で、今日はちょっと必要あって通読しておこうと前から考えていた「夜想」の少年特集を入手したいと都内に出た。 神保町へ、と当初考えていたのであるが、中央線沿線の方がいかにもありそうじゃないか、ということで、まずは高円寺駅下車。高円寺文庫センターに立ち寄ってから、その横をちょっといったところにある初めてはいる古書店。ここは所謂幻想系サブカル系がメインのようで、夜想もバックナンバーが結構揃っていたが、当該号はなし。しかし、確かに高円寺へ来るのは久しぶりなのだが、どうもこの辺はもうちょっと古書店があったような気がするのに無くなっているような気がする。古書Zに立ち寄りたいが、今日はその余裕はなくスルー。確かこの通りを、コクテイルを通り過ぎ奥に行くと、ちょっと小洒落た外装のサブカル系古書店があった筈、と思ってズンズン行くも見あたらず。閉店したのであろうか。それからT書店、K書房などみてまわる。ここらいへんの店で目立つのは、サンドラール『黄金』が軒並み高値をつけていることである。帯ついて1万円超、帯欠でも8千円超である。ちょっと前まで2千円くらいだったのに。それから高架下を一路阿佐ヶ谷へ。 高架下は、昔は一直線に阿佐ヶ谷駅前に出られたと思ったが、今はわざとか? 途中にスーパーとかがあり、一直線にはいけないようになっている。この、外灯が並んでいる高架下の通路。右手の遠くに、河北総合病院が見えた。寺山が死んだところだ。阿佐ヶ谷駅に到着する前、この高架下が一種のショッピングモールのようになっているところにぶつかる。そこを左に折れて、バーやビジネスホテルなどが櫛比している通りに出る。この通りには、古書店が2軒ほど。まずは、失礼ながらかなり古いというか、汚れているというか、まあ、なんですよ、半分は昔のエロ本とどうでもいい文庫本みたいな、しかも外のワゴンは雨曝しのような古書店があったのだけれども、完全にシャッターが閉まっていた。看板も出ていなかったので店名も判らず仕舞いだが、もしかして閉店してしまったのだろうか。それから、前回、確か今年になってからか、高円寺に来たときに、こんな店が出来たのか、と思った、なかなかの品揃えの店に入る。 しかし、数冊あるも該当号はなし。そそくさと店を出る。で、パール商店街の中にあるB2という店へ。ここも実は阿佐ヶ谷に来たらよくいっていた古書店。たまに、これはというものを見つけたりするので、実は侮れない。が、ここも夜想は数冊あるも該当号はなし。何故こんなにないのだろう。あんなのちょいちょい見かけると思っていたのに、いざ探すとなるとこれである。 それから駅の方に戻ってきて、阿佐ヶ谷駅の新中野方面の口の噴水の所を渡って、駅の向かい側にある小さな古書店へ。ウムム、ここも数冊あるが、なし。それから駅を通り超えて、向かい側に見えるパサージュ阿佐ヶ谷という商店街へ入る。ここのS書店は、古い作りだが実はたま〜に掘り出しものがある。奢霸都館や薔薇十字社、コーベブックスなどの綺麗な本を、相場の三分の一以下でよく拾った。で、そのパサージュを突き抜けて突き当たりを左に行くと、I書店に立ち寄ってから突き当たりの所に戻り、今度は右手へ折れて、すぐ左折。確かこの通りには、古書Y屋という店があった筈なのだが、ここら辺だろう、と思っていた場所に来ても見あたらない。さては移転でもしたのか。 やはり今日も温度が高いのか、歩きづめでいると汗を掻く。 駅に戻り、荻窪へ。まあ取り敢えずI書店にも立ち寄る。ここは純文初版本が充実の店であり、あまりサブカル系はないので期待はしていなかったが、やはり、夜想は1冊もなかった。もう10年位前だが、大江健三郎の「個人的な体験」の初版本を500円で買ったことがある。実はこの本の初版本には、一部、奥付の発行日が誤植されているものがあり、印刷日が発行日よりも後になっているものがあるのである。それをどこかで聞きかじり知っており、ほいと外台にあったこの本を手に取ると、まさしくそれであった、ということがあった。で、次にS書店に到着。久しぶりに来たので、じっくりは見ていられないが、ちょっと棚を見てみる。ここのところちょっと必要あって新刊書店で買おうと思っていた氏家幹人『武士道とエロス』(講談社現代新書)315円と雑誌「幻想文学」のシネマと文学特集1050円を購入。両方とも新刊書店でまだ売っているが、安く買えてラッキー。で、問題の夜想だが、欲しい少年特集はなかった。他にも数軒古書店がある筈だが、時間的な余裕がないので西荻へ向かう。さて、まず西荻に着いてから目指したのはG屋。しかしここにはなかった。いや、夜想が1冊あったかなかったか。で、次。O館という古書店の看板が目に入り、そこへ。そうそう、昔ここ来たことがある。チラチラと棚を見る。が、夜想は該当号ではないのが1冊あるきり。しかし、これもちょっと必要あって安く探していた柄谷行人『意味という病』(講談社学芸文庫)500円で拾う。それと、思わず手に取ったのが、田中未知の『質問』(質問舎)の元版1000円。ちょっと前に復刻版が出たと思ったが、この元版は以前、五反田古書会館で6千円くらいの値段を付けて並んでいたので、バカなと買わなかったが、千円ならと購入。で、次が古書K。ここもなかった。次は、高架の下を通って西荻駅の反対側へ。かなりご無沙汰、10年ぶりくらいのブックスーパーIへ。以前来たときは2階の一部に、澁澤だの何だの幻想文学コーナーのようなところがあって、そこだけはプレミア価格で、ちょっとしたものが並んでいたという記憶があったのであるが、今回の探求書はなし。店を出て、駅前の商店街をずうっと突っ切っていくと、奥にサブカル系な古書店があった筈だ。ああ、かなり疲れたなあと、その一直線の道をズンズンと歩いていく。そういえば、前に来たときも、俺は一体こんなに足を棒のようにして何をやっているのだろうと自問したなあ、こういう寒い時期暗くなってから、などと昔考えたことを思わず思い出した。それも10年位前の話。もしかしたら、何も変わっていないのかも知れない。で、S社に到着。しかしない。店を出て、西荻南中央通りを駅に向かってまっすぐ歩く。前はこのすぐ近くに、日本画の画材と一緒に古書を売っていた店があったのだが、つぶれてしまったのだろうか。それからH屋という古書店を覗く。しかしここまで来て全くない、だがもう意地だ。今即帰宅してネット注文すればよい、それは正に合理的なごもっともな話であるのだが、ここまできたら気が済むまで徹底的にという意固地な性格のようである。まあ、阿呆としかいいようがない。・・・西荻駅前まで戻ってきた。さて、今日は致し方ない、残念だが帰ろうか、と思っていた。帰宅して、ちょっと高いけどネット注文すればいいじゃないか、とも考えた。しかし、折角ここまで来たのに何だ、ここまで来てもし隣駅の吉祥寺の古書店にあったら、一体今日の営為は全て徒労となるんではないか、などという考えもジワジワと胸に去来し、鬩ぎ合い、駅前で突っ立って逡巡していた。もう、かなりの電車賃を浪費しているし、また出直すということは最早出来ない。ええい、とばかりに、吉祥寺へ。まずは公園口に降り立つ。古書店マップによると、古本センターというのがすぐ近くにあるらしいのだが、その場所は、つまり歓楽街。こんなところにあるのだろうかと、ネオンに目をこらしつつこの歓楽街を奥に進んでいった。しかし見つからない。あれれと思ったその時、妙な看板を見つける。Bブックスという、ウインドーに古書をl飾った店を発見。店内を見てみると、古書コーナーなどとなっており、基本新刊書店だが古書も扱うといった店のようだ。無論、マップには掲載されていない。看板に「大人の本屋」とある。とはいえ、特にエロ本屋というわけでもなく。で、古本コーナーというところは、確かに普通の文学書なども少しあるのだが、ちょっと角になっている店の奥のところは、セクシャリティ関連の本ばかりが並んでおり、本ばかりではなく、見た目はファンシーグッズのような性具やらがドサリと並んでいた。まさかと思ったが、もしや、と、その棚を見てみると、あった、「夜想」少年特集!1600円也。ひったくるように手にとって、そのままレジへ。ああよかった、さきほど悩んで西荻で引き返さずに。