back
他人の如何にあるとも、己のみはかくはあらじ

「馬太伝」26章35


2000年後半期

7月

8月

9月

10月

11月

12月



7/1  本日は西部古書展。しかしそれにしても暑い。日中は摂氏30度を越えたという。一回りするも特になく、ロンブローゾ女史『女性の生活』(警醒社)凾付300円という妙なものを拾う。「天才論」のロンブロオゾオの娘の著作というだけである。ここでO氏に声をかけられる。特にひろいものはなかったという。注文した酒井潔『巴里上海歓楽郷案内』(竹酔書店)4000円はハズレ、LPレコード2枚組「三島由紀夫作品連続公演」の『鹿鳴館』と『癩王のテラス』(ビクター)各5000円は当たり。結構注文が来ていたようで、水谷八重子出演の『鹿鳴館』レコードには自分以外に8人も注文が来ていた。それから外に出、近くのT書店を見ると、昭和30年から40年代の『週刊サンケイ』『週刊朝日』『週刊現代』がそれこそ山のように積んであったが、さすがにこの量を、この炎天下にしゃがんで一つ一つみる気力は湧かなかった。その後高架下のT書店を覗くと、外に、探していた「角川版昭和文学全集」8『三島由紀夫』(角川書店)初版凾帯付200円を発見、購入。
7/3  学校の帰り、池袋K書店に寄る。1階で三島由紀夫『裸体と衣裳』(新潮文庫)初版カバ付190円を購入、2階で倉林靖『澁澤・三島・六〇年代』(リブロポート)初カバ帯付1400円と、『グラフィカ三島由紀夫』(新潮社)初版カバ付1900円を購入。『グラフィカ』は、残念ながら帯がないが、ちょっと前に出たばかりなのに、いま神保町のT書店でも5000円位の値段を付けている。いつでも買える、という気持ちが後々後悔させることになった本の一冊だけに、安く買えてよかった。
7/6  神保町書肆Hへ。谷崎潤一郎『人魚の嘆き 魔術師』(春陽堂)初版、所持しているものの背綴が痛んでいるので売却し、外観は同程度でも綴じはしっかりしている同初版を5000円払って購入。また塚本邦雄『悦楽園園丁辞典』(薔薇十字社)初版を売却、同帯付を2000円払い入手。
7/7  本日は明治古典会七夕大古書籍入札会。授業が休講だったので昼過ぎには会場へ行くことが出来た。三島の原稿「蝶の理論」は届いておらず、見ることが出来なかった。で、書物はというと・・。小山内薫『手紙風呂』初版凾付最低落札価格50000円、これは初めてみた。ほかに手に取ってみたのは、三島由紀夫『岬にての物語』初版最低価格400000円、これは丸背本であった。それから帯はなかったが三島『盗賊』(真光社)初版埴谷雄高宛献呈毛筆署名入250000円、『夜の向日葵』(講談社)初版カバ帯付著者舞台出演者署名入50000円、『薔薇刑』初版凾付150000円、それから三島の限定本、『岬にての物語』80000円、『サド侯爵夫人』100000円、『美徳のよろめき』50000円、『黒蜥蜴』120000円、『金閣寺』誂え帙付350000円。『岬にての物語』は4番本で状態もよく、アンカットであった。『美徳のよろめき』は、最低価格が少し安めだと思ったら、凾の裏にマジックで落書きがあった、どうりで。『金閣寺』は、凾に巻いてある紙がなく、凾からの出し入れのせいで、凾に接する部分の革が擦れてしまっていた。開始3時間ぐらいで、既に『夜の向日葵』は結構札が入ってパンパンだった。その後、『岬にての物語』初版と限定本、『金閣寺』には幾つか札が入っているようだった。三島以外には、矢野目源一『光の処女』(籾山書店)、新潮社情話新集5冊、潤一郎『自筆本 芦刈』(創元社)などがあった。水上瀧太郎著作一括350000円というのは、状態が良かったがちょっと値段が・・・それは谷崎本一括にも言える。だって六部集『吉野葛』と『春琴抄』凾痛くらいで、あとは改造社版全集の端本1冊以外は皆戦後のもの、幾ら装丁家旧蔵品とはいえ署名もなくこれでは・・・。全体的に近代文学に関しては今回はちょっと・・という感じだった。直筆ものでは、鏡花の笹川臨風宛書簡80000円、荷風「紅葉文庫」揮毫と手紙で80000円などがあった。一回りした後、S書房、K書店、T書店、G堂、K書店とまわる。Tでは潤一郎『麒麟』(三星堂)3版凾付まあ美7000円というのがあったが、既に同程度のものを所持しているし、いいだろう。それから書肆Hへ。特になし。その後何年ぶりかに神田古書センターにあるAスタンプに赴くと、店内で丸山明宏版映画「黒蜥蜴」スチール10枚3500円というのを見つけ、購入。惜しくも「日本人の生き人形」役の三島由紀夫がナイフを構えているところの写真はなかったが、丸山と三島の接吻シーン、ビデオのパッケージやポスターで使われているいいシーンのが入っていたのでまあいいだろう。
7/8  本日は愛書会古書展。昨日は、この台風では行くのもしんどいと考えていたが、今日は一転して晴天、結局寝過ごし会場に着いたのは閉場30分前。いそいで見て回るも、何もなし、取り敢えず谷崎潤一郎『三人法師』(創元社)初版200円を拾う。週刊誌がどっさりとあり、少し試みてみたがとても1冊ずつ見きれなかった。それから高架下のT書店を覗き、ここで三島由紀夫『アポロの杯』(新潮文庫)初版カバ付100円、新潮日本文学アルバム『谷崎潤一郎』(新潮社)初カバ帯付500円を購入。この手のものはまあ1冊あると便利である。また、三島の文庫本も初版でだいたい揃ってきた。
7/10  柏に出る。T書林で『奇譚クラブ』(64.3)600円を購入。その後新刊書店で『文学界』の8月号を購入。
7/11  先日ネット注文した『三島由紀夫の家』(美術出版社)カバ帯付2800円、高橋睦郎『友達の作り方』(マガジンハウス)初カバ帯1600円が届いた。
7/15  いつだかイギリスの古書店にネット注文した洋書、シェラードの『ワイルド伝』(Greening&Co,1908)普及版初版£12が届いた。これは後にその同性愛関係の記述で裁判沙汰になった伝記だが(どこの国でも伝記で騒ぎというものはあるもんだ)、大正初年の谷崎はこれを熟読している。
7/17  先週末はいろいろ用事が入り趣味展にいけなかったのは残念である。本日は教授に誘われ練馬の場末感色濃い居酒屋に行き、教授にすすめられホッピーを飲む。帰りにI堂を覗くも休み、K書店に行くと閉まっていた。しかも看板がない。つぶれたのか?
7/18  海外から航空便。今月あたまに注文したワイルド『ドリアン・グレイの肖像』(BERNHARD TAUCHNITZ,Leipzig,1908)$16.50が届く。別にどうってことはない「英米作家叢書」の単なる仮綴じ本だが、これ、一高時代の和辻哲郎が所持していたものと同じもの、しかも谷崎は和辻からこのTAUCHNITZ版を一高時代に借りて読んでいる。「君が赤線引いたところ以外は面白かった」と潤一郎が返却時に言ったそうだが、今度和辻旧蔵本がある法政大図書館に行ってその赤線を書き写してこようと思う。
7/21  本日は、今回から金曜初日になった五反田と、和洋会。抽選確認の電話をかける。和洋会での注文品、谷崎潤一郎『人魚の嘆き』(春陽堂)新版初版9800円、酒井潔『アラビアン・ナイツ』(ビブリオフィル・アフロデフィル協会)12000円はハズレ、そして遊古会では、浪曼劇場公演『朱雀家の滅亡』パンフ3000円と演舞場パンフ『黒蜥蜴』1500円と両方とも全てハズレ。結局ぐだぐだしているうちに、両方行こうと思っていたが神保町に着いたのが閉場1時間前だったので五反田は明日にする。とはいえ、会場ではなにもなし。拾ったのは雑誌『中央公論』昭和30年1月〜4月号、三島由紀夫「沈める瀧」連載全部各100円、4月号のみ三島参加座談会収録で200円、それと三島「大障碍」掲載『文学界』(56.3)100円のみ。
7/25  ちょっと緊急に入り用の本があったので神保町へ。S書房で『年表作家読本三島由紀夫』(河出書房新社)重版1700円と田坂昴『三島由紀夫入門』(オリジン)初版カバ帯1500円を購入。『年表作家読本三島由紀夫』は重版で内容が増補されているので初版ではダメなのだ。それから書肆Hへ。ここでコクトー『おかしな家族』(森開社)2000円を購入。
7/26  オークションで落札した復刻版の荷風『ふらんす物語』3000円が届く。
7/27  学校の行きに池袋で降り、新刊書店Lで三島由紀夫VS東大全共闘『美と共同体と東大闘争』(角川文庫)を定価で購入。
7/28  本日は我楽多市古書展。注文品は無し。拾ったのは三島初出誌、「天国に結ぶ恋」掲載『オール読物』(49.6)500円、「綾の鼓」掲載『中央公論』(51.1)300円、「F104」掲載『文芸』(68.2)300円、「忘我〜性的映画について」掲載『映画芸術』(70.8)300円。それから『鈴木泉三郎戯曲全集』(プラトン社)重版500円というのを買ってみる。「生きてゐる小平次」の作家だ。その後同行していた知人につきあいS書房、T書店とまわり、それからN書店というところで三島英文新発見資料掲載『新潮』(93.12)800円を購入。帰宅してみると『鴎外歴史文学集 第十巻』(岩波書店)が届いていたが、これは初めて人から貰う献呈本だ。
7/30  新宿京王百貨店大古書市へ赴く。とはいっても、注文品はなく、あとに用事がはいっていたので、ほんの1時間ばかりサッーと見ただけなのであるが、あまりに急いで見たためかなにも買うものはあらず、水野浩編『日本の貞操』(蒼樹社)帯付美500円とかいうへんなものを購入。今回はゆっくり出来なかったのでまた来るか?
7/31  学校の帰り、池袋アルパ古書掘り出し市に赴く。何も無し。半分が漫画とヌード写真集と京都書院のゾッキ本。
8/1  先日オークションで落札した美輪明宏版『黒蜥蜴』パンフ1500円が届く。
8/7  学校の帰り、B・O江古田店で復刻版の荷風『腕くらべ』(50部版)を600円で購入。
8/9  T氏より『三田文学』(68.4)特集三島由紀夫を頂く。ありがたい。
8/10  本日は新宿伊勢丹大古書市初日。昼過ぎに起きて、電話で抽選確認した後ゆっくりと会場へ向かう。注文したマンディアルグ『ビアズレーの墓』(奢霸都館)初版限定版と叢書版2冊で13000円、澁澤龍彦『夢のある部屋』(桃源社)初版凾付5000円はハズレ、マンスール『充ち足りた死者たち』(薔薇十字社)初版カバ栞付3500円のみ当たる。会場では『YAMADA ISAO』(イメージ・ガレリオ)という好みの映像作家の本400円、それと雑誌『都市』2を500円で見つけるもやめ、堂本正樹『菊と刀』(思潮社)800円、『伝統演劇と現代』(三一書房)1000円というのを拾う。松田修『日本芸能史論考』(法大出版)800円をひろうも、今回はやめる。それからF書房の棚で、谷崎潤一郎『武州公秘話』(中央公論社)初版凾付1800円というのを拾う。これにはちょっとした装丁の違いで初版が2種類あるが、何故かワタクシは1種類しか実際に出くわさない。それから里見トン『多情仏心』(新潮社)前編後編初版凾欠1500円というのを拾う。これは雪岱装で、見返しと扉は木版。しかし後編は背が痛んでおり、ふと見ると後編初版凾欠の綺麗なやつが500円であったので、結局3冊拾うことに。なんやかんやで結構買ってしまった。それからそのまま紀伊国屋に急ぐ。今日は、以前発売中止になり回収された本が新たに発売される日なのだ! ジョン・ネイスン『新版・三島由紀夫〜ある評伝』(新潮社)を定価で購入、それから1階の雑誌売場で『国文学』没後30年三島由紀夫特集を購入。
8/11  本日は紙魚の会古書展。注文品無し。会場でO氏Y氏に声をかけられる。一回りするが特になし。論文のための『吉行淳之介の研究』(実業之日本社)再版凾欠500円と堂本正樹『能・狂言の芸』(東京書籍)800円を拾う。その後O氏等と共にT書店、G堂、等まわり、書肆Hで取り置きしていた加藤郁乎『かれ発見せり』(薔薇十字社)初版凾付2000円を購入。それにしても暑い。その後Y氏より「黒蜥蜴」のパンフ(「月刊浪漫倶楽部」)を頂く。
8/14  用事で東京へ出たので神保町書肆Hへ。幾つか売却。今日届いたばかりという『血と薔薇』や乱歩掲載『新青年』などが混ざった荷から赤神良譲『キッスとダンスと自殺の学説』(春陽堂)初版凾欠という変なものを見つけたので抜き2000円で購入。実は、今日は今度ここの前の美術倶楽部Hでは日本近代文学のよいところを手頃な価格で放出するというのでやって来たのだった。閉まっているのをわざわざ開けて貰い見てみると、鏡花、潤一郎、鬼太郎、滝太郎、十一谷等々が安めに並んでいるではないか。狙っていた潤一郎『刺青他十篇』(春陽堂)重版凾美は既に売れていた。いろいろあったが、今日は潤一郎『赤い屋根』(改造社)初版凾欠1500円と秋庭太郎『考証永井荷風』(岩波書店)凾付1500円を購入。水上瀧太郎『月光集』初版凾付美を取り置きしてきた。
8/16  本日は錦糸町そごう古書籍大市の初日。夕方赴く。いや、それにしても何もない。会場でクランシャン『スノビズム』(文庫クセジュ)200円というのを拾う。注文した『三島由紀夫全集』内容見本1000円はハズレ、伊達宗克『裁判記録「三島由紀夫事件」』(講談社)初版カバ付5000円のみ当たるが、みつからないという。10分くらいは待ったろうか、すると注文した書店さんが来て、来会となかったから郵送したよ、とのこと。ええそんな、、、とは思ったが何分覚えてもなく、郵送料かかるなら相場で帯付買えば良かったと今更ながら何の収穫もなかった会場を見渡して溜息。
8/18  今日は城北展初日。夕方会場へ。注文していた胡蝶本(籾山書店)のうち、永井荷風『すみだ川』初版凾欠背痛8500円、『紅茶の後』重版凾欠3500円はハズレ、『新橋夜話』再版凾欠背痛3500円、そして荷風『新編ふらんす物語』(博文館)重版3500円の二つが当たる。というか、『新編ふらんす物語』は注文は己だけであった。それから会場をまわり、オットー『聖なるもの』(岩波文庫)400円、ボルノウ『気分の本質』(筑摩叢書)600円、それからモダンライブラリーのStirner"THE EGO AND HIS OWN" 500円、吉井勇『東京・京都・大阪』(中央公論社)初版カバ700円、『谷崎潤一郎・人と文学展』パンフ500円を購入。本日はS書林が500円でいろんなものが並んでいた。今日の城北展は、午前中はホクホクだったようである。
8/19  錦糸町そごうでの注文品伊達宗克『裁判記録「三島由紀夫事件」』(講談社)初版カバ付5000円が届く。帯欠だとばかり思っていたら、挟まっていた。ラッキー。
8/21  池袋K書店で舞台「黒蜥蜴」パンフを3000円で購入。これは昭和44年の凱旋公演の時のもので、ちょっとレアだろう。
8/22  図書館の帰り、柏T書林で野口武彦『三島由紀夫と北一輝』(福村出版)650円を購入。
8/23  所用で神保町へ。用事の前に書肆Hへ寄り、取り置きしていた菅原洋一『三島由紀夫とその海』(近代文芸社)初版凾付献署名2000円を購入。ほかにボレル/澁澤龍彦訳『解剖学者ドン・ベサリウス』(しなの豆本の会)限定200部墨署名が5万円、『さかしま』(桃源社)の背革初版が同額で出ていた。
8/25  今日はぐろりや会古書展。夕方いってみたが、ハッキリ言ってなにもなし。長尾伴七『京の谷崎』(駸々堂)500円、野田宇太郎『パンの会』(三笠文庫)500円、三島由紀夫『潮騒』(新潮文庫)重版カバ付100円を拾うのみ。『潮騒』は白地にオレンジ文字のやつだが、もっていないので。それにしてもカバー異装が何種類あるのか。それからS書房、T書店、G堂を回ってから書肆Hへ。冷房の利いている美術倶楽部Hで休み、主人が今日落とした荷を待つ。奢霸都本一括などを持ってきていたので、早速その場で紐ほどいて見せて貰う。奢霸都版『サロメ』、『スフィンクス』、『城の中で語る英吉利人』特装、そのほかいろいろ。他の荷の中に三島由紀夫『青の時代』(新潮社)初版カバ帯付があったので取り置きして貰う。
8/26  本日は、夕方から渋谷東急古書の市に向かう。注文していた『大坪砂男全集』(薔薇十字社)初版凾付揃1冊帯欠15000円はハズレ。会場では、どうも店によって値段の上下が激しいようだ。雑誌『丸』(66.7)500円を拾う。これ、ここのところ探していたもので、三島の「憂国の主人公放談す」という談話(全集未収録)が入っているのだ。それから、台の下の隅っこでふと本を取ってみると、これまたずっと探していたダヌンチオ(森田草平訳)『快楽児』(博文館)であった。5000円というのは如何にも高いが、一度読んでみたかっただけに、しょうがあるまい。長谷川泉『三島由紀夫の知的運命』(至文堂)1500円や『ウォルター・ペーター新考』1000円を手放し『快楽児』を購入。
8/28  学校の帰り、ふとB・O江古田店を覗くと、復刻版がずらりと並んでいた。ここから荷風『ふらんす物語』1000円、秋江『黒髪』400円、六部集『蓼食ふ虫』1800円を買ってしまった。しかしやっぱり『蓼食ふ虫』は高いような・・・。
8/30  学校の帰り、江古田の新刊書店でプラトン『パイドロス』(岩波文庫)を定価で購入。
9/1  本日はまど展初日だが、結局遅れ、会場に到着したのは閉場30分前か。しかしK書房出品の文庫はなかなかの品揃えだった。注文した春陽堂文庫の龍膽寺雄『珠壺』1000円、十一谷義三郎『開化ちりがみ図絵』1300円は外れていた。ここで出ていた文庫は、皆元パラ付きの美本で、ほかに春陽堂世界名作文庫『山師トマ』やらアカギ叢書のダヌンチオのやつとか、叢書名は忘れたが『ワイルド、この二重の人』など、レアな袖珍本がぽつぽつあった。ここから『メリメの手紙』(春陽堂世界名作文庫)元パラ極美1600円というのを購入。それから書肆Hへ。ここで取り置きしていた水上瀧太郎『月光集』(大岡山書店)初版凾付まあ美7500円を購入。美術倶楽部で一休み。聞くところによると、午前中はあのレアな文庫群がもっとあったそうである。
9/2  本日は高円寺古書展。封筒を持っていってなかったからか、何故だか目録がおくられてこなかった。ダラダラして出発が遅れ、会場に入ったのは閉場15分前。ザッと一回りする。学習院の『輔仁会雑誌』が幾冊かあったので調べると三島掲載号(60.12)200円があったので拾う、また『学習院のあゆみ』(学習院)という非売冊子を500円で。それと、「現代大衆文学全集」の『江見水蔭集』(平凡社)凾付を200円で購入。それから高架下のT書店で、三島由紀夫『鏡子の家』(新潮社)揃重版凾帯1200円を購入。帯が真っ新だったので。次に阿佐ヶ谷まで高架下を歩いて行き、I書店を覗くもなにもなし。古レコード屋のTを久しぶりに覗いてみると、何と『英霊の声/起て!紅の若き獅子たち』(クラウン)という三島の朗読と楯の会の会歌のレコードを発見、取り置きして貰う。
9/4  図書館の帰り、柏T書林にて磯田光一『近代の迷宮』(北洋社)初凾帯850円と渡辺京二『神風連とその時代』(葦書房)初カバ帯700円を購入。
9/5  この間の阿佐ヶ谷のTレコードに向かい、三島由紀夫朗読レコード『英霊の声』(クラウン)12000円を購入。ちと高かったか。他に三島のはあるかと聞くと、雑誌があるという。三島が表紙で対談収録の『週刊朝日』(66.8.5)1500円を1000円に負けて貰って購入。それから近くの中古本屋で三島由紀夫『命売ります』(ちくま文庫)初版カバ帯付390円と御園京平『活弁時代』(岩波同時代ライブラリー)650円を購入。その他に阿佐ヶ谷駅前の新刊本屋で必要あってモア『ユートピア』(岩波文庫)を定価で購入。
9/6  学校の帰りB・O江古田店で笠井潔『物語のウロボロス』(筑摩書房)初カ帯400円を購入。
9/8  本日は愛書会古書展。甚だしい寝坊をし、間に合うかどうかも分からずに兎も角神保町へ向かう。17時52分に御茶ノ水駅下車、それから汗だくになりながら古書会館にダッシュで向かい、5分前位になんとか到着。今回の注文品が当たっていたため、こんなに急いだのであった。ヴェルフリン『美術史の基礎概念』(岩波書店)初版凾付3000円を購入。ゴシックに関する基礎的文献、3000円というのは安いだろう。それから汗でベトベト、ダッシュでヘトヘトの体を引きずり、T書店を覗き、となりの新刊書店書泉Gで三島特集の『すばる』今月号を定価で購入、それから一休みに美術倶楽部Hへ向かう。すると、胡蝶本の谷崎潤一郎『刺青』(籾山書店)重版凾付6000円というのを発見、購入。しかし残念ながら凾の背がなくなっていた。聞くと同じく胡蝶本の荷風『紅茶の後』初版凾欠が売れたばかりとのこと、残念。持ってきた『ふらんす物語』復刻本を売却し、ついでにセリグマン『魔法』(平凡社世界教養全集)凾付500円を購入。
9/9  日本近代文学館の帰り、駒場駅前のK書店を覗く。谷崎も同じものを読んだであろうレクラム文庫のレッシング『ラオコオン』200円を購入。レクラム文庫は時代によって表紙が変わるが、今日のは第1期のもの。岩波文庫のモデルになったデザインは、次の第2期のものである。
9/12  学校の帰り所用で神保町へ。書肆Hへ寄る。取り置きしていた三島由紀夫『青の時代』(新潮社)初版帯付18000円を購入。それから向かいの美術倶楽部Hで、取り置きしていた名著初版本復刻珠玉選の谷崎セット、『刺青』『春琴抄』赤漆と谷崎愛用文鎮の復刻外凾段ボール凾付を購入。復刻の2冊はまあどうでもよいとしても、この復刻の文鎮が欲しかった。それと森鴎外『水沫集』(春陽堂)縮刷重版凾欠800円を購入。
9/15  本日は趣味展。本日は上京した同好の知人と待ち合わせ、一緒にまわる。その前に、韓国旅行のお土産という韓国語版三島由紀夫『仮面の告白』(Dongbang)を頂戴する。有り難い。K書店が開いていたので覗く。何でも昨日北海道から買い付けた三島初版本が段ボール2凾ほど入荷したというのだ。値付けは終わっていたので段ボールごと見せて貰う。『魔群の通過』初版帯欠130000円、『宴のあと』(新潮社)初版完本極美9000円、『仮面の告白』(河出書房)初版カバ付帯欠背表紙書き込み40000円、『聖女』(目黒書店)白表紙版15000円など。しかし、『お嬢さん』(講談社)初版凾帯付35000円というのがあったが、2年ほど前ここでこれより綺麗な『お嬢さん』初版凾帯付を7000円で買ったのに、何なんだろう。それから古書会館へ。注文した十一谷義三郎『時の敗者唐人お吉』(新潮社)初版凾付揃7500円は当たり。というか己一人しか注文者はなかった。背焼けだが、ちょっと高かったろうか。会場では、横尾忠則装丁挿画の唐十郎『ジョン・シルバー』(天声出版)初版カバ付300円、谷崎潤一郎『お才と巳之介』(愛翠書房)初版500円、三島掲載『群像』(49.10)300円、それからちょと要アリで今東光『闘鶏』(角川書店)500円、与謝野晶子『火の鳥』(金尾文淵堂)初版1300円を拾う。『火の鳥』は最初別段買う気もなく、外見は痛んでいるが、ちょっと開いてみると、表紙、見返し、扉、そして挿画3枚がすべて中沢弘光による木版画。殊に挿画は多色刷りでなかなかよいものだったので思わず購入してしまう。それから書肆Hへ行き、この間の『青の時代』の残金を払い、美術倶楽部Hで一休み。
9/16  柏のT書林に。特にないが、主人と挿画や印刷技術などについて話す。帰りがけに大久保典夫『革命的ロマン主義者の群れ』(三省堂新書)300円を買って帰る。
9/18  本日からはじまった学校の帰りに池袋K書店に立ち寄る。ここで山崎正夫『三島由紀夫における男色と天皇制』(海燕書房)再版カバ帯付1000円と木本至『オナニーと日本人』(インタナル出版)初版カバ帯付1000円を購入。後者は昔500円で買ったが、珍しいしなかなか面白い文献なので買った。
9/20  学校の帰りB・O江古田店で、海野弘『世紀末のイラストレーターたち』(美術出版社)初版カバ付900円を購入。
9/22  ネットで探索依頼を出していた三島由紀夫『憂国/橋づくし』(新潮pico文庫)、発見したと連絡あり500円で購入。一時期セブンイレブンのみで販売されたというこの薄っぺらい文庫、ちょっと前のものなのに今では専門書店では3000円する。
9/23  本日は中央線古書展。如何にも雨の降りそうな空模様、傘を携え夕方高円寺に赴く。17時15分くらいに高円寺着、雨はかなりの強さに。会場の外にある本などは濡れていた。潤一郎新訳『源氏物語』凾付揃いなんか、ぐちょぐちょになっていた。これでは本が可哀相である。会場にはいると、これまた人が少ないこと! 自分入れて客が5人位しか居ない。今回は注文品無し。拾ったのは、非売品『中央公論社の八十年』凾付300円、これは特に滝田樗陰と文壇の関係が詳述してあるため。ほかは、三島由紀夫の新潮文庫本重版カバ付で『金閣寺』と『仮面の告白』各100円。それから三島参加座談会掲載の『新潮』別巻(51.1)500円と三島の「若人よ蘇れ」舞台写真と劇評掲載の『芸術新潮』(55.1)200円、それに永山則夫『反-寺山修司論』(JCA出版)初帯付500円という変なものを拾う。
9/26  柏のT書林に寄る。外の均一棚でカラー版世界の詩集『ボードレール詩集』(角川書店)凾付100円を購入。何故買ったかというと、これはソノシートが付いており、岸田今日子朗読でボオドレエルの詩が入っているからだ。
9/27  学校の帰りに古書O舎を覗くと外凾欠だが復刻版の永井荷風『ふらんす物語』(ほるぷ)900円を発見、購入。これで4冊目の購入だが無論売却。
9/29  本日は和洋会。授業後神保町に急ぐ。注文した胡蝶本の永井荷風『すみだ川』(籾山書店)重版凾欠印5800円は外れてしまった。会場では荷風『勲章』(扶桑書房)初版凾付500円を拾う。ずらっと『中央公論』と『改造』の美本が500円均一で並んでいたので、早速「風流夢譚」掲載号を探すも無し。これほど多量にあるとどの号に何があるかもわからなく、結局三島由紀夫グラビア掲載の『中央公論』(59.1臨増)300円、そしてこれは長年探していた三島由紀夫「憂国」初出誌である『小説中央公論』(61.冬)300円を拾う。ほかには谷崎と志賀の座談会収録『文芸』(49.6)200円、三島座談会収録の『婦人画報』(66.4)300円、コニー『自然主義』(白水社文庫クセジュ)200円を購入。三島「サーカス」の初出誌であり、今まで一度も見たことがなかった雑誌『進路』を数冊見かけたが、該当号はなかった。それからT書店、古書センターのN書店をまわり1階で昭和文学全集23『大岡昇平・三島由紀夫集』(角川書店)初版凾帯月報付を50円で購入。そして、美術倶楽部へ。この間の復刻版『ふらんす物語』凾欠、三島由紀夫『青の時代』(新潮社)初版カバ付、水上瀧太郎『月光集』(大岡山書店)初版凾欠、永井荷風『新橋夜話』(籾山書店)重版凾欠背痛を売却する。何とか予想通りの金にはなった。
9/30  五反田の南部古書会館へ。今日は遊古会古書展。注文した浪曼劇場公演『わが友ヒットラー/サド侯爵夫人』ポスター10000円は外れているのは昨日確認したので、なにか拾いものでもあるかと夕方向かったのだったが、もうすぐ五反田というところで、実は今日は2日目であり、閉場は17時だという事を思い出した。既に過ぎている・・・・。何故土日だったのが金土に変わったのだろう、全く不便だ。帰宅すると、奢霸都館よりかつて申し込んだカスー『黄昏のウィーン』特装本出来たとの通知が来ていた。
10/3  学校の帰りに池袋で下車。リブロで『決定版三島由紀夫全集』の内容見本を貰ってから、K書店へ。ここで勝部真長『青春の和辻哲郎』(中公新書)200円と宮城音弥『天才』(岩波新書)200円を購入。
10/6  本日は、午前中の授業が休講だったので、昼過ぎには神保町の城南古書展会場へ。が、特にというものはなし。ただ、知人の頼みで注文していた雑誌『HEAVEN』1号2号2冊5000円というのは当たり。自分用ので拾ったのは、英和対訳のワイルド『虚言の衰退』(研究社)200円、日本の美学2『日本的情念論』(啓隆閣)初版帯付500円、それから復刻版の三島由紀夫『仮面の告白』(河出書房新社)凾帯月報付が500円で出ていたので、無論持ってはいるが何となく500円で晒されているのが可哀相でつい購入。ちょっと必要有って『ポオ全集』3冊揃凾月報付4500円というのも購入。それからT書店を覗くと、三島由紀夫『鍵のかかる部屋』(プレスビブリオマーヌ)A版79000円というのがあったが、白皮が殆ど黄土色斑点付きになっていた。次に書肆Hへ。主人不在。この間売却した分のお金を何とかしたいので主人を待つ。Y屋の目録に、今回は鏡花、荷風等続々と並んでおり、それを見て待っていると主人が戻ってこられ、今落としてきた谷崎本一山を持ってきていた。早速そこから幾つか取り置きして貰う。主人に、今度の青空展の出来たばかりの目録を見せて貰う。帰宅してみると、以前ネット上で見つけた「夕刊紙の写真・ネガ売ります」というところで注文した三島由紀夫写真10枚8000円というのが届いていた。
10/8  柏T書林を覗く。何もなし、三島由紀夫『獅子・孔雀』(新潮文庫)初版カバ付80円を購入。既に初版は持っているが、カバーの文字の配列具合がちょっと異なっている。初版に2種類あるのか? それから新刊書店数軒まわってどこでも売り切れだった今月号の三島特集『文学界』をやっと見つけ定価で購入。
10/12  学校の帰り江古田の新刊書店で『解釈と鑑賞』11月号三島由紀夫特集を定価で購入。その後池袋寄り、K書店1階でリラダン『未来のイヴ』(創元ライブラリ)860円と横山紘一『唯識思想入門』(レグルス文庫)350円を購入、2階では、三島由紀夫の全集未収録文掲載の『黒の手帖』(71.5)創刊号1000円を発見、購入。帰宅してみると、以前注文した学会誌『芸術至上主義文芸』(98.11)三島特集号2000円が届いていた。
10/13  学校の帰り、池袋K書店へ。『SALE2』(87.6)500円というのと、昨日取り置きしておいたマンディアルグ(生田耕作訳)『満潮』(奢霸都館)初版限定1500部帯付極美3500円を購入。
10/14  杉並古書展。高円寺に夕方向かう。はじめから期待などはなかったが、その通りの収穫。拾ったのは、秦豊吉『演劇スポットライト』(旅窓新書)カバ欠?300円、望月衛『欲望』(光文社)カバ付200円、馬場あき子『鬼の研究』(角川文庫)200円、『映画秘宝』(98.11)500円。それと、谷崎潤一郎『雪後庵夜話』(中央公論社)初版凾帯付500円というのを見つけ購入。十一谷義三郎『唐人お吉』(万里閣書房)重版凾付2000円というのがあったが、凾の背欠だったのでやめる。
10/17  ネットで手に入れた『内田嘉吉文庫稀覯書集覧』(私家版)小村雪岱装2000円が届く。これはレアだろう。それから、奢霸都館より待望のカスー『黄昏のウィーン』特装本B版68000円が届く。
10/19  学校の帰り池袋K書店に寄り、栗田勇『女人讃歌〜甲斐庄楠音の生涯』(新潮社)900円を購入。
10/20  本日はぐろりや会。とはいえ閉場ギリギリに到着、足早に廻るだけで三島初出『スクリーン』(54.12)300円と、雑誌『えろちか』明治性的珍聞史(72.5)300円を拾うのみ。それから書肆Hへ。三島が結構入っていた。そこから既に持ってはいるが三島由紀夫『美の襲撃』(講談社)初版カバ付800円、平岡梓『倅・三島由紀夫(没後)』(文芸春秋)3500円、ネイスン『三島由紀夫 ある評伝』(新潮社)帯欠1500円、を取り置きする。さて、来週は決戦だ。都合良く授業も休講だし・・・。
10/21  ネットオークションで落札した永井荷風『あめりか物語』(博文館)重版痛1000円が届く。
10/24  学校の帰り、B・O江古田店を覗く。中井英夫『人形たちの夜』(潮出版社)初版凾帯付500円と、既に持っているが野口武彦『三島由紀夫の世界』(講談社)帯欠100円というのを拾う。
10/25  池袋リブロで『週刊読書人』(00.10.27)特集三島由紀夫没後30年を定価で購入。
10/27  さあ、本日は神田古本まつりの初日、年に一度の祭である。今日は早起き、何年ぶりかで開場前に並ぶ。そして、開場。無論行く棚ははなから決まっている。突進して夢中で拾ってきたものの中から最終的に購入したのは、長田幹彦『芸者三代記』(新小説社情話新集)初版凾付雪岱装900円、雪岱装の大場白水楼『縷紅抄』初版凾付美2500円、大泉黒石『大宇宙の黙示』(新光社)初版凾欠3800円、谷崎潤一郎『乱菊物語』(創芸社)再版凾付300円、『校訂 一葉全集』(博文館)木版装重版900円、鈴木善太郎『人間』(朝日新聞社)初版背痛1500円。それから美術倶楽部Hに荷物を置き、今度は外の岩波会場へ向かう。途中、A書店前の外台で長篇小説全集の泉鏡花『芍薬の歌/由縁の女』(新潮社)初版凾付100円を拾う。しかしこれ、長編小説全集のいつも見る凾とは違う、異装凾。こんなものがあったのか。岩波会場には特になし、それから徒歩で駿河台下まで見て歩く。Y書店前で『日本古書通信』の見本印が捺されたものをタダでご自由にとあったので数冊貰ってくる。次にS書房2階が開いていたので覗く。ここで谷崎の複製色紙2枚組を500円で購入。さて、それから次には神保町を離れ一路五反田へ。今日は本の散歩展初日でもあるのだ。まず外台を見る。ここで三島初出誌、『中央公論』(53.10臨増)300円、持ってはいるがまた『小説中央公論』(61.冬)300円、『新劇』(57.4)200円、『文学界』(51.2、51.6)各200円、それから『月刊ペン』特別対談三島由紀夫を肯定する(71.2)300円とレアージュ(澁澤龍彦訳)『O嬢の物語』(河出書房新社)カバ帯付100円を拾う。そして2階の会場へ。注文した今西博子『巴里より愛するママへ』(薔薇十字社)再販カバ付1500円、それからこれは珍! 雑誌『りぼん』(73.10)付録金子節子漫画『潮騒』(三島由紀夫原作)1000円は両方とも入手。それにしても少女漫画『潮騒』まで買うとは、己はいつからこんなマニアになったのだろう。ガラスケースには、これはレアだろう酒井潔『アラビアン・ナイト』背痛40000円を見せて貰う。限定500部で、その内100部が和紙装、その100部の内3部が手彩(?仏語で表記されていた)。この『アラビアン・ナイト』って、見るものは皆背が痛んでいる。で、それからまた神保町へ戻り、再度古書会館2階の会場へ。さすがに閉場間際、人もまばらで見やすい。ここで谷崎潤一郎『台所太平記』(中央公論社)初版凾付帯欠500円、由良君好『椿説泰西浪曼派文学談義』(青土社)初版300円を拾う。今日はホントになかなかの収穫だが・・・疲れた。
10/30  新宿紀伊国屋で、今月号の『ユリイカ』特集三島由紀夫を定価で購入。
11/1  柏に出る。T書林を覗き、『幻想文学』(88.10)700円を購入。それからいろいろと新刊書店をまわるも、三島関係記事所載の『波』(00.11)はどこも品切れ。『新潮』臨時増刊三島由紀夫没後三十年と、新潮文庫の『写真集三島由紀夫25〜70』と『川端康成三島由紀夫往復書簡』を定価で購入。さて、新刊書の三島ラッシュがとうとう到来した。
11/3  本日は愛書会古書展。午後ゆっくりと向かう。注文品は、稲垣足穂『菫色のANUS』(芸術生活社)初版凾付+稲垣足穂自筆葉書2枚封筒1通付12000円というものだが、無論ハズレ。本自体は既に持っているが、狙いは葉書。葉書だけでもその値段なら買うわな。会場では、特になし。拾ったのは、ラディゲ(大学訳)『ドルヂェル伯の舞踏会』(白水社)初版1500円。無論普及版ではないほう。あと、60〜70年代の演劇パンフが大体300円くらいで結構あったが、三島関連の文学座ものとかアートシアターとかなくて、殆ど民芸や俳優座。アートシアターの、あの細長いパンフも三つくらいあったが、全然知らないやつだったのでやめる。それからS書房を見てから新刊書店書泉でやっとこさ残り1冊だった新潮社のPR誌『波』今月号を入手。その後書肆Hへ。売却用に幾つか持ってきたものを売却。
11/4  本日は愛好会展。今金欠で昨日もHで売却したほどだが、はずれてもいいや、いやはずれてくれという感じでうす暗くなった夕闇の高円寺へ向かう。しかしこういう時の常、これだけは是非何が何でも当たって欲しいというものがハズレ、金欠だからどうでもよくなったものが当たる・・・・。注文した山崎晃嗣『私は偽悪者』2000円はハズレ、百蓮『幻の華』(新潮社)夢二装3500円は当たる。『私は偽悪者』、これでハズレたのは4度目か? 全く嫌になっちまうのは、『私は偽悪者』がはずれたばかりでなく、『幻の華』の表紙が水つけて擦ったような感じでかなりボロボロだったことで、正に泣きっ面に蜂というところ。会場で昭和16年版の『鏡花全集』(岩波書店)が端本で幾つかあったので1冊、凾月報付を500円で拾う。これ、凾は粗末だが、中は雲母びきに木版装というもので、元パラ付き故に極美だったので。
11/8  学校の帰り、池袋リブロに寄る。とは言え極金欠で何も買えないが。すると三島フェアの棚があり、続々と新刊が出ていたのだが、『中洲通信』という見慣れない雑誌が三島特集をしており、恐らく地方出版で品切れしたら後がないと思ったのでなくなく定価500円で購入。
11/10  本日は何故か学校の授業が休講になったので、昼過ぎ早々神保町へ。本日は趣味の古書展初日。そして注文品は当たっていた。三島由紀夫『鍵のかかる部屋』(プレス・ビブリオマーヌ)A版総革天金古沢岩美銅版画一葉入三島署名入別刷「あとがき」・名刺付40000円である。普通相場では10万円くらいするが、これは「凾底書入」とあり、問い合わせるとクレヨンで落書きがあるという。それでも・・・と注文したのだが、今日受け取ってみると、こんな値段になっているのだからさぞ汚い落書きだろうと思いきや、凾底というのは夫婦凾の中ではなく本を立てた時の底の部分でしかも赤いクレヨン(?)でタイトルが書かれているのである。多分横にして保存していた前の所有者が書いたのだろうが、帰宅して消しゴムで擦ると殆ど消えた。しかも中は、あのT書店でもカビだらけで殆ど黄土色の皮装ではないかと疑いたくなるほどのもので78000円もつけていたのに、以前このパソコンのために泣く泣く手放した同じA版100000円と同程度の状態、しかも注文者は己一人、これはめっけものだろう。まあ、それと、三島と有吉佐和子の移動対談掲載の『週刊女性セブン』創刊号(63.5)を1000円で。ちと高かったが、いいだろう。帰り道に読んでいて気づいたが、この雑誌の中の「ステデイのおそろい・るっく」という記事を見たら「文/野坂昭如」とあった。これは笑える! それからエブリマンズライブラリのイプセン『幽霊・他戯曲二篇』初版を100円。綺麗だし、どこかで谷崎が英訳を読んだとでていたので。
11/13  学校の帰り、B・O江古田店に寄り、小川和祐『三島由紀夫〜反「日本浪曼派」論』(林道舎)凾帯付1000円を拾う。ネットオークションで、鏡花『愛艸集』(春陽堂)初版凾付美が1万円からで出ていた。上記の三島本買ってしまったのでダメだったが45000円で落札されていた、相場の半額くらい? 金があったら・・・! また同じく『櫻草』(文芸書院)再版美印が6350円で落札。ウ〜ム、どうなのだろうか。
11/14  新刊書店で三島記事の載ってる『諸君!』(00.12)を定価で購入。中央線古書店、和洋会目録届く。
11/16  学校の帰り柏のT書林に寄る。ここで山本舜勝『君には聞こえるか三島由紀夫の絶叫』(パナジアン)カバ付600円を購入。
11/18  柏に散髪に出る。新刊書店で、三島関係記事の載った『新潮45』など立ち読みし、松本徹『三島由紀夫の最期』(文芸春秋)を定価で購入。
11/20  学校の帰り、江古田O舎をふと覗くと、外に「現代の文学」11『三島由紀夫』(講談社)凾付300円が並んでいたのでそれを手に取ると、横に岩波書店『文学』のバックナンバーが積んであったので、そこから谷崎特集号(90.夏)350円というのと共に購入。しかし家に帰ってみると、やっぱり既に買って持っていた・・・・・。
11/24  本日は和洋会。学校の帰りに急ぐも、会場到着は17時30分。注文した谷崎潤一郎『あつもの』凾付3000円、『人魚の嘆き』(春陽堂)初版凾付4500円は両方ともハズレ。『あつもの』は、後版の小さい方(でもこちらが「羮」後篇の初出でもある)で『人魚の嘆き』は無論新版のやつ。時間もなく、会場でお勉強用シューベルト『夢の象徴学』(青銅社)初版凾帯付800円を購入。それからS書房をまわり書肆Hへ。某ルートで『決定版三島由紀夫全集』1巻(新潮社)を社員価格で入手。
11/25  さて、本日は昨日行けなかった五反田遊古会と中央線古書展がある。・・・しかし、目覚めるのが遅かった。寝坊である。結局、中央線展で注文した酒井潔『浮世オンパレード』(竹酔書房)5000円はハズレであると電話確認したのみ。今日は三島の命日だしこのまま蟄居して三島の小説でもゆっくり読もうか。
11/28  学校の帰り江古田O舎で別冊太陽『古書遊覧』1200円を購入。某コレクターの方と、トレードする。酒井潔『アラビアンナイト』背痛+『浮世オン・パレード』(竹酔書房)を入手。
12/4  池袋新刊書店Lでドゥルーズ『マゾッホとサド』(晶文社)を定価で購入。
12/6  先週末の西部古書展で注文し当たった、矢野目源一訳『仏蘭西歌謡抄恋人へおくる』(第一書房)初版限定パラカバー付き美4000円が、届く。
12/10  本日は杉並古書展最終日。注文はしたが、金欠で会場にもいけない。凾付だったら、と書いて注文したアルトー(生田耕作訳)『アンドレ・ブルトンへの手紙』(奢霸都館)2500円はハズレ。さて、凾は付いていたのだろうか? それから石原醜男『神風連血涙史』(大日社)5000円もハズレ。
12/13  ネットオークションで落札した細江英公写真集『新版・薔薇刑』(集英社)初版カバ帯付美5250円が届く。これなんかも、前は紀伊国屋だのに新本で売っていて、古書で安くないかとケチケチしている内にいつの間にか品切れになりプレミアが付いていて焦った書物の一つである。教訓、見たら買え。
12/14  こないだ届いた目録で注文した骰子の7の目シリーズの『クロヴィス・トルイユ』(河出書房新社)カバ凾帯付5000円が届く。もう一つ、昭和54年の「三島由紀夫展」図録3500円というのも注文したがハズレ。両方当たってしまってもお金がきついのでよかったような・・・。
12/15  本日は五反田展初日。注文した高浜虚子編『さしゑ』(光華堂)4500円、シュオブ『モネルの書』(南柯書局)凾付3000円、『アール・デコ』(美術出版社)1500円全てハズレ。「さしゑ」は本間国雄の挿画が入っているためで、シュオブは持っているけどつい注文したのだが、全てハズレとは行く気がなくなってしまった。それから神保町へ。今日は新興展。鳥居民『横浜山手』(草思社)1000円を拾う。横浜の外人居留地についての本で、論文用。それから三島由紀夫『命売ります』(集英社)初版カバ帯ビニカバ付500円。500円で晒されているのが可哀相だったのでつい購入。会場を出て、S書房、K書店、T書店とまわる。T書店で、しばらく探求中だった越次倶子『三島由紀夫〜文学の軌跡』(広論社)初版カバ付2600円を購入。しかし、頁がとれていたりして、何だかそれでこの値段とは・・・。それからそばの新刊書店Sで中公文庫『潤一郎ラビリンスXV』を定価で購入後、書肆Hへ。
12/16  いつだかロンドンの古書店に注文したペーター『プラトンとプラトニズム』(マクミラン、1893)初版£9が届く。それからネットオークションで落札した三島由紀夫複製色紙4500円が届く。三島の色紙、長方形の大きめの色紙で「憂国/三島由紀夫」とある。額付は1万円だったが、これ専用の額っていうのは確かにそんなに安くはなさそうだ。しかし三島の複製色紙があるなんて初めて知った。
12/17  所用で練馬に出たので、I堂を覗くも臨時休業。池袋に出てK書店を覗くと、三島由紀夫『美しい星』(新潮社)重版カバ帯付400円を見つけたので購入。勿論初版本は持っているが、この本は重版で帯が替わるので。それと澁澤龍彦『幻想の彼方へ』(美術出版社)重版凾付4500円というのを見つけつい購入してしまう。まあ、当時の定価よりも安いし、いいか。
12/19  宮崎正弘『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版)をある人から頂いた。
12/23  今日、伊勢丹大古本市の目録が届いた。遅い、何故うちだけ今頃なのか。さて、連絡していないが、新宿展に注文したもの、ピエール・ルイス『ビリチスの歌』(白水社)初版凾付3000円、三島由紀夫『鍵のかかる部屋』(新潮社)初版帯付2500円、は当たっているのだろうか・・・。
12/25  所用で柏に出たのでT書林を覗き、谷崎潤一郎『痴人の愛』(角川文庫)100円、尾崎秀樹『上海1930年』と神崎宣武『盛り場の民俗史』(岩波新書)各250円の3冊を購入。
12/26  今日は新宿伊勢丹大古本市初日。注文品は無し。昼過ぎに起きて一度学校の資料室に寄ってから行く。拾ったのは、堀江珠喜『薔薇のサディズム〜ワイルドと三島由紀夫』(英潮社)1000円、紅野敏郎『本の散歩・文学史の森』(冬樹社)600円、シラー『美学芸術論集』(冨山房百科文庫)500円、そして和田克徳『切腹』(青葉書房)初版カバ付1000円。『切腹』は三島も読んでいたもので、「憂国」の元ネタについて触れてある。ほかに三島関係の新本が半値近くであるも、お金がないのでやめる、残念。谷崎特集の『芸術至上主義文芸』1000円などという学会誌もあったが、これも中の論文は幾つかコピーであるし、金がないのでやめる。それらの金で白蓮『幻の華』(新潮社)夢二装重版凾付2000円を購入。これ、こないだボロボロをもっと高く買ったが、凾付だからか美本、しかし、背表紙だけ削れてしまっている。会場到着が遅かったからか、途中でもう閉店のアナウンス。ああ、年末の金欠はきつい。『アラステア画集』(奢霸都館)の積んであるのを目にしたが金がなく無論買えず。
12/27  いつだかネットで注文した山本タカト『緋色のマニエラ』(トレヴィル)2940円が届いた。
12/28  横浜そごう古書籍大即売会で注文した寺山修司文・森山大道写真『にっぽん劇場写真帖』(室町書房)初版凾付7000円、本間久雄『英国近世唯美主義の研究』(東京堂)初版限定凾欠5000円がハズレとの旨電話で確認。『にっぽん劇場写真帖』は、普通相場でこの値段の十倍以上。後者は、本間国雄の兄で、早稲田の教授であり、ワイルドの権威だった本間久雄の博士号請求論文である。確か小林古徑装幀で、表紙には大きく孔雀が描かれていたはず。でもま、昔1冊丸々コピーしたので中身は読めるからいいか・・・。