本日は私のために、こんなに素晴らしい引退式を行うことができました。
 これも一重に、私を育ててくれた巨人軍、先輩、チームメイト、そして何よりファンの皆様のおかげだと思っております。
 どうも有難うございました。
 アキレスけんが切れるまで、グラウンドで頑張ろうと思っていました。しかし、限界です。
 巨人軍には巨人軍独特の何人も侵すことのでかない聖域があります。私はこの15年間、それを肌で感じ、守って参りました。
 今日で巨人軍、原辰徳として最後の挨拶となります。
 皆さんに報告しなければ、自分のけじめもつきません。特に今年一年、声援を送ってくれた皆さん、生涯忘れることはありません。
 1980年、ドラフト一位で巨人が指名してくれて、私は巨人の一員となりました。
 小さいころ、野球選手になりたい、ジャイアンツに入りたい、その夢を持って頑張りました。
 そして今日、その夢は終わります。
 しかし、私の夢には続きがあります。
 その言葉を約束して、今日、引退します。
 最後になりますが、読売巨人軍は、ファンの皆様の球団です。どうぞ、末長く声援よろしくお願い致します。
 そして、最後まで見届けてもらいましたカープの皆さん、有難うございました。
 15年間、本当に皆さん、有難うございました。

               平成7年10月8日、引退セレモニーにて