知る人ぞ知るほのぼのマンガ「ゴルゴさんち」の紹介です。

Top Page

今日もほのぼのSさん一家

セツコ・山田先生の代表作(というか、他の作品を知りません)にして、「別冊ゴルゴ13」読者なら誰もが知るあの作品。
その名も『ゴルゴさんち』、またの名を『Sさん一家』。
もう20年以上にわたり「別冊ゴルゴ13」に連載されており、この間『Sさん一家』→『ゴルゴさんち』→『Sさん一家 PARTU』とタイトルの変遷があって、現在に至る。

登場人物は、主婦と漫画家を兼業するうっかり者のお母さんとルーズな性格の長女に次女。お父さんもいるにはいるが作品中にはあまり登場しない。
漫画執筆、家事、その他日常生活における母娘3人のドタバタを『サザエさん』風ほのぼのタッチの4コマ漫画形式で描写しており、殺伐とした『ゴルゴ13』世界を堪能した後の、一服の清涼剤となっている。

伝聞ながら、作者の正体はさいとうたかを先生の奥さんであり、『Sさん一家』は作者自身とその家族をそのままモデルにしているという。
つまり、「Sさん一家」イコール「さいとう一家」であり、家庭において影が薄い(漫画にあまり登場しない)お父さんは、さいとうたかを先生その人であり、作中でうっかり母さんが執筆しているマンガ原稿は『Sさん一家』であるわけだ。
連載開始当初は幼児だった長女と次女も時が経つとともに作中で着実に成長しており、現在では婚期を心配されながらも、うっかり母さんの漫画家稼業のアシスタントを務めていることはご存知のとおりである。

セツコ・山田先生のプロ意識

「ゴルゴさんち」は、言うなれば、セミプロ漫画家によく見られる「実録日記風マンガ」の先駈けである。
しかし、さすがはエンターテイメントに徹した劇画家さいとうたかを先生の奥さんと言うべきであろう、ありがちな楽屋落ちに決して逃げない。実録であることに寄りかかってはいない。
その具体的現われがコマ外である。言い訳や「自分突込み」の落書きの類いが一切ないのだ。
コマ外にどうでもいいことを書き連ねるマンガは、はっきり言って私は好まない。プロ意識の欠如としか思えないからだ。
そういう意味では、セツコ・山田先生、プロである。

決して、「気楽に描いた4コママンガ」と思うなかれ。いや、実は私もかつてそう思っていました。だって何だかタイトルが安易だし。
だが、これは作者が心血を注いだ作品なのである。作者がこの作品を描くためにどれだけ七転八倒して、「産みの苦しみ」を味わっているか、その姿が戯画化されて作品中に描かれているではないか。

なお、私は『ゴルゴさんち』というタイトルに言いしれぬ愛着を感じており、ここのコーナー名はこだわりを持って「『ゴルゴさんち』とは何か?」とした。セツコ・山田先生もそろそろ作品タイトルを『ゴルゴさんち PARTU』に変えてくれることを、切に願う次第である。


Top Page

(c)1999-2000 まぢめ e-mail:aja@tky2.3web.ne.jp