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2004年下半期

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7/2  昼過ぎに、今回から開催日が変わった西部古書店へ抽選の確認電話、渡辺温『アンドロギュノスの裔』(薔薇十字社)初凾帯5000円、谷川俊太郎『二十億光年の孤独』(創元社)初カバー5000円、両方ともハズレ。しかし注文もかなり多かっただろうな。で、国会図書館に行き、帰りに神保町へ。本日はフリーダム展、会場で宗谷真爾『影の美学』(新潮社)初カバー300円を購入。その後Kほり堂に立ち寄ってから帰宅。
7/3  国会図書館で用事を済ませ、池袋に出たので新刊書店により、ちょっと必要あった『怪奇探偵小説名作選4 佐藤春夫集』(ちくま文庫)を定価で購入。
7/9  国会図書館の帰り、神保町へ。本日は明治古典会七夕入札市の一般下見日である。無論入札などする余裕はないが、見物のため古書会館へ。やはり何をおいても最初に駆けつけたのが、三島由紀夫写真ネガ付き、である。「からっ風野郎」の時のスチール(?)らしきもの。わざわざ帙のようなケースに入っていた。でもまあ、後はこれといって、興味あるものも少なく、三島没後の「近代能楽集」公演のポスターが10万円だとか、アホらしい値段のものなど興味なく、正岡容『風船喪失記』初版・カバー装、凾装2種というのを手にとってみてきたくらい。それからKほり堂にいき、ずっと取り置きしていた谷崎潤一郎『自画像』(春陽堂)再版凾付18000円を引き取ってきた。キツイ出費だが、相場からすれば安い買い物だ。で、帰宅してみると、以前ネットで申し込んだ車谷長吉『鹽壺の匙』(新潮社)初カバ帯2500円が届いていた。
7/16  本日は五反田遊古会初日。16時過ぎに会場へ。注文した酒井潔『らぶ・ひるたぁ』(文芸市場社)初版凾付8500円、小熊英二『民主と愛国』(新曜社)2500円は、前者のみあたり。後者は今さらだがお勉強用にと定価六千幾らのものが安かったので注文したのだが、まさか外れるとおもっていた『らぶ・ひるたぁ』の凾付が当たった。これ、凾があったとは! 確かに、同じ叢書の北明『秘戯指南』に凾付があるとは、以前目録で凾付が出ていたのがあったので、あり得ないことではない。しかもこの値段で、ラッキーと思っていた。会場では、マンディアルグ澁澤龍彦訳『城の中のイギリス人』(白水社)2刷凾1000円と武智鉄二『競馬―演出か、八百長か、作戦か』(カッパブックス)初版カバ200円なんて変なものを拾い、さて、注文品を出してきてもらい、その凾をみた瞬間不安におそわれた。おいおいまてよ、これか、真っ黒の貼凾に、背題簽ひとつ、やけに綺麗。しかも凾の芯に使っている紙が厚い。こりゃあ前の持ち主の誂え凾だろうと、ガックリ、しかしでも、この題簽、手書きではなく印刷だよなあと希望的観測を無理にしてみるが、どう見てもねえ。あーあ無駄金かと暗澹たる気持で手に取りあれこれ見ていると、出品店の主人が不審げに「ウチの商品に何か」と来た。確かに本体は美本だ。しかし・・・これ、誂え凾じゃないですかね・・・と(ケチつけてると思われちゃあれだから至極にこやかにそーっと)聞いたら、「そんなわけないでしょ、最初からついていたんだから何いってんだアンタ」、と、いきなりすごく威圧的にくる。帳場の会計してくれた人が、その場面をみてさすがに「でも何だかあやしいよねえ〜」とにこやかにこちらに合わせてくれたが、「そんなわけねえだろ」とその店主。帳場の奥にいた年輩の他の古書店主人らしき人に「ちょっとこれ見てよ」と本は渡され、その年輩の方「みたことはないが、ウン、これ元の凾だよ」と何の根拠も無く断定。えぇっ・・・・。ま、出された時から覚悟はきまっていたし、別に返品しようというわけではないが、それにしてももうちょっと言い方ってもんがあるでしょ。最初から「ガキになめられてたまるか」みたいな喧嘩腰なんだもの、古書Iさんよ。そのまま会計し会場を後にした(後で判明したことだが、この本、先週の市で戦前変態もの一括の山で出て、今回の古書Iが落札したブツらしい。前の持ち主はこれ系のコレクターで、ま、大切にしていた自分の本に誂え凾をつくったのだろうと推察される。古書Iは特にどーこーこだわりがあったわけではないらしい)。でもま、所有している本より綺麗だし、別途添付の伏字表は綺麗に貼り込まれているし、まあいいとするか。それえから神保町に向かったが、愛書会は既に閉場。Kほり堂へいき、幹彦の本を1冊取り置きして貰う。
7/21  国会図書館の帰りに神保町へ、T書店を覗いてからちょっとbar人魚の嘆きで一休みし、それからKほり堂へ。善本3000冊入荷というので来てみたのだ、まずは先日取り置きしておいた長田幹彦『祇園』(春陽堂)初版凾欠3800円を購入。それから今回入荷した品をじっくり見せて貰う。戦後文学ものばかりだが、個人的にちょっと欲しいものがいろいろとあった。そこから、伊藤人誉『登山者』(小壷天書房)再カバ献呈署名入を1000円で購入。それから幾つか取り置きして貰う。帰宅してみると、お勉強用に先日ネット注文した度会好一『明治の精神異説』(岩波書店)初カバ帯1800円を購入。新品同様で半額。
7/23  都立中央図書館お帰りに神保町へ、惜しいかな19時近くでどの店もそして古書展も閉まっている。で、Kほり堂。ダブりのもの、酒井潔『らぶ・ひるたぁ』、寺山修司『盲人書簡』、久生十蘭『黄金遁走曲』、ほかジョゼファン・ペラダンの原書など売却。取り置きしておいた舟橋聖一『若いセールスマンの恋』(中央公論社)再版カバ、瀬戸内晴美『白い手袋の記憶』(朋文社)初版帯欠、円地文子『妖』(文芸春秋)初版凾、桂芳久『海鳴りの遠くより』(新潮社)初版カバ帯、全て某評論家宛献呈署名入でまとめて4000円。桂芳久は加東道夫の紹介で三島と知り合い、三島の計らいで「文学界」でデビューしたという経緯があり、今回の本は帯文が三島。で、瀬戸内晴美のは、「文芸」の同人誌賞受賞作女子大生なんとかが入っている処女単行本、本来は帯に当時の賞選考委員三島の選考経過のコメントが引用されているのだが、これは欠。『妖』は、鈴木清順監督の映像化で知られる「二世の縁拾遺」が収録、三島も絶賛。舟橋のも三島が褒めているもので、新潮文庫版では解説も三島が執筆、ホントは新潮文庫でと思っていたが、まあサインもあるし、いいかと。サインがあるから・・・我ながらミーハーだ。で、ちょっと読みたいと思っていたので、開高健『日本三文オペラ』(角川文庫)初帯300円というのもついでに購入。
7/26  神保町の帰りに銀座に出て、スパンアートギャラリーに立ち寄り、山本タカト『ファマルコンの蠱惑』(エディシオントレヴィル)を購入。
7/28  国会図書館の帰りに柏で下車、T書林を覗き、野坂昭如『いじわる紳士』(講談社)初カバ500円と谷崎潤一郎『青春物語』(中公文庫)カバ150円、三島由紀夫『金閣寺』(新潮社)初版凾付300円を購入。『金閣寺』は1990年に出た筒凾の。
7/30  本日は和洋会。注文品は、ある。凾がないのならキャンセルとして注文したのはアレラ/酒井潔訳『奴隷祭』(国際文献刊行会)5000円、それと、まあはなから当たるまいとは思うが橘弘一郎編『谷崎潤一郎先生著書総目録』(ギャラリー吾八)全4冊揃帙限定234部の1番本12000円。これ、印刷ミスで桁間違えている値段だ。で、正午前、電話確認、千葉県の○○ですけど、と聞いてみると、酒井潔はハズレ、で、谷崎総目録は・・・当たり! 何と、奇跡か。これは凄いことになった。で、国会図書館にいきあれこれと作業。閉場1時間前に会場に。一応ぐるっとまわってみて、谷川渥『形象と時間』(白水社)カバ、『バロックの本箱』(北宋社)カバ、各500円と、谷崎潤一郎『愛すればこそ』(改造社)重凾美200円、泉鏡花『照葉狂言』(春陽堂)重凾800円(名家傑作集)、それから雑誌「苦楽」創刊号付録『代表的五大名家戯曲傑作集』(プラトン社)300円なんてものを拾う。で、注文品を受け取りに。所と名前を告げ再度確認しながら、「あ、あたっていますね」というバイトねえちゃんの声をききつつ、わくわくしながら奥から出てくるのを待つ。すると、「あれ、ない」。再度探して貰う。ところが、やっぱりないという。で、出品店の主人を呼んで貰うが、ちょっと外しているらしく、ほかの書店さんに事情を話して探して貰うが、ない。・・・え? そんなバカな。しかも、その書店さんがいうには、もう入金されてるから、売れたよ・・・それはどういう事なのよ? 「誰かお客さんと同じ名前の人が来て買っていったということだね」。え! そんな・・・「なかには、当選のファイルをのぞき見て当選者になりすまして買っていく輩も少なくはないからねぇ」。いや、そんな。そんなこといわれたって、・・・事態を飲み込んだ瞬間、ヘナヘナに全身の力が抜けていく・・・。その時丁度そばをKほり堂店主が通りかかったので、訳を話してあれこれ対処して貰った。で、展の責任者の方も出てきたのだが、何だかこちらは、狐につままれたようになってしまった。で、結局、どれどれとその方が再度確認してみると、何と、当選者のファイルには「渋谷」とあった。つまり、渋谷在住の同姓の人間が当たり、既に購入していった、というわけ。全く、阿呆な話である。でも、こちらはちゃんと「千葉県の・・」といったのに。もう、ガックリときてヘナヘナで、大恥はかくわ、全く何ともいえない気分で会場を後に。で、Kほり堂にいき、この喜劇を披露する。ここの300円均一コーナーが全部入れ替えられていたので、そこから吉行淳之介『変わった種族研究』(講談社)初版凾付を購入。
8/1  ちょっと仕事で都内に出、帰り道に高円寺へ。本日は中央線古書展最終日、注文したいた十一谷義三郎『青草』(聚閣)初版凾少痛5000円、あたっていたため。閉場1時間前到着、会場を少しみて、みすずライブラリー『宗達』(みすず書房)初カバ200円を拾う。これ、実はなかなか見ない三島の共著書。で、注文品を出して貰う、うっ、汚い。本体はまあ美の下、だが凾は、痛みというか背と平の題簽が・・・つまり濡らして擦ったような感じで文字は全て消えている。これって少痛か? でもまあ購入。今度の池袋西部で6500円で出ているが、どちらのほうが・・・。
8/2  所用で鎌倉へ行ったのでついでに小町通りのM堂を覗くもなにもなし、線路脇のYを覗いたところ、三島由紀夫『沈める瀧』(中央公論社)初版凾800円を見つけ購入。元版ではなく文芸愛読版。
8/4  国会図書館の帰りに神保町へ。T書店を覗いてみると、尾崎翠『アップルパイの午後』(薔薇十字社)初凾帯2600円があったので購入。適価で入手出来てよかった。で、それからちょっと新刊書店に立ち寄って「国文学解釈と鑑賞」別冊『江戸川乱歩と大衆の二十世紀』(至文堂)定価2600円を購入。最初、棚になく、店員に探して持ってきて貰ったのだが、いざ会計の時に定価がこんなにするのでビックリ、いつでもいいやとも思ったが、今さら高いからやめにするともいえず、購入。というか、なんで「解釈と鑑賞」の別冊ごときでこんなに高いの・・・。それからK堂へ向かう。ズラリと並んだ署名本をかなり買い込んでいるお客さんがいた。で、それに刺激されてか、好きな映画の原作小説があったのでそこから1冊取り、取り置き。また、ある画集も買ってみたが、手持ちがなかったためにこれも取り置き。
8/6  本日は我楽多展の初日。国会図書館の帰りにそのまま神保町へ。いつものように閉場1時間前。注文品はなく、ひととおりまわるが特になし・・と思いきや、日劇ミュージックホールのパンフが少しあったので漁ってみると、三島由紀夫ら7名の協同脚本によるバーレスク『恋には七ツの鍵がある』日劇MHパンフ3150円を見つける。これ、コピーはあるが、ずっと探していたもので、適価で入手でき嬉しい(本当は、中の三島文に2バージョンあるのだがそれに気づいている人はまずいまい)。もうこれだけでいいや、と、他は見ずにこれを購入して、Kほり堂へ。ここで先日取り置きしておいた『柳瀬正夢画集』(叢文閣)初版カバ欠背痛2000円と、表紙が取れかけていたのでサービスでいただいた新鋭文学叢書の中村正常『隕石の寝床』(改造社)初を引き取る。『柳瀬正夢画集』は、特にプロ関係に興味があるわけではないが、この値段なら一冊何かの資料に持っていてもいいかな、と。で、そこにきた某氏より大泉清『草の味』(大新社)初版を頂戴する、感謝。
8/10  駒場の近代文学館へちょっと調べものにいったついでに谷崎関連の資料のため『日本近代文学館』(192号)100円を購入。
8/18  ちょっと必要あってネット注文した本をその店まで取りに行くために調べものの帰りに池袋へ。K書店で『文学座五十年史』(文学座)凾3500円を購入。それから池袋西武古本まつりへ。池袋といえば、サンシャインとかP’パルコとかしか思い浮かばないが、今回はイルムスの2階だという。なんかの展覧会のような入り口、で、Kほり堂はじめ黒っぽい本ばかり並べている棚もあり、なかなかいい感じ。
8/27  国会図書館の帰りに神保町へ。本日はぐろりあ会初日。注文品はなし。ぐるりとまわって拾ったのは、飯島正『映画のなかの文学文学のなかの映画』(白水社)初カバ1050円と国立劇場上演資料集『椿説弓張月』300円のみ。本日は、さぼうるで飲み会。
8/28  渋谷東急大古本市は昨日から始まっている。電話で注文品の確認、塔晶夫『虚無への供物』(講談社)初版カバ3675円と古田昂生『酒井潔覚え書』(名古屋豆本)1470円両方ともハズレ。渋谷に行く気はなくなった。が、神保町のKほり堂が気になるので、ちょっと神保町へ。といっても出るのが遅くぐろりや会はとっくに閉場。で、吉行淳之介の宛名直筆「著者」印刷箋付の本が1冊2千円であったが、ウ〜ム、やめておく。で、前から取り置きしてあった、有馬頼義『赤い天使』(河出書房)初版カバ某作家宛献呈署名入1000円と、ちょうど値を付けようとしていた本に、見覚えのある書名があったのでそれも合わせて購入。朝倉稔『魂の飛ぶ男』(パトリア書店)初版カバ某評論家宛献呈署名入1000円
9/3  本日はまど展。注文品は、谷崎潤一郎『春琴抄』(創元社)初版凾付紐欠6500円。あたり。実はこの初版本は持っているんだけど、所持本は凾欠で、ちょっとあの痛みやすい背の継ぎ目が痛んでいたのだ。それでもこの値段より高かったが。で、会場では、三島掲載の『別冊文藝春秋』(49.12)と『文芸』(50.7)、それからプレスビブリオマーヌの『アメジスト紫水晶』(限定130部)5号、7号それぞれ各200円を拾う。三島の雑誌はかなり状態がいいし、ビブリオマーヌの「紫水晶」は1冊200円ならいいだろう、紙の端切やら生写真やら貼付されていてこの値段だし。で、T書店を覗いてからKほり堂へ。
9/6  国立能楽堂図書室の帰りに御茶ノ水で下車、まずは久々に書肆Hへ。特になくベルクソン『夢について』(河出文庫特装版)カバ200円を拾うのみ。それからKほり堂へ立ちよってみる。と、新たに値札をつけたものが棚に並べられている。まず手にしたのは大判の火野葦平『河童曼陀羅』(四季社)限定1200部記番某評論家宛毛筆署名凾2000円。これは安いだろう、いくら火野に興味がないとはいえこれは安すぎるだろうと思ったが、いかんせん重そうだし場所くいそうなので、ちょうど来合わせた某氏の譲ってしまう。で、購入したのは小出楢重『めでたき風景』(創元社)初版凾付1300円、加えて、山崎安雄『春陽堂物語』(春陽堂)初版カバ美1000円。これらも安い! それから三島の本などを取り置きして貰う。しっかし谷崎の『蓼喰ふ虫』(創元社)初版凾付の凾美なれど底部欠1800円なんてのは全くもって安い。底の部分だし修理すればこりゃちょっとしたものだのに1800円とは。
9/8  昼、刊行者に手紙を書いた『大森眠歩集』(私刊)が届く。大正時代のマイナー劇作家の息子さんが、未発表のエッセイやら小説をあわせて刊行した作品集。ちょっと読んでみたかったので。で、神保町に出てKほり堂へ。取り置きしておいた渡辺霞亭『渦巻』(隆文館)4冊揃全冊凾・木版口絵欠2500円を購入。上巻だけ再版であとは初版。清方の木版口絵がないのは悔しいが、でなければ買えないし。それから帰宅してみると、以前神戸の古書店目録で注文しておいた本が届いていた、谷崎潤一郎『小説二篇』(やなぎ書房)初版凾欠背補修3000円。背中の部分、製本テープのようなものがビッチリ張り込んであるが、背がとれたのだろう。ま、でもかなり珍しいものだし完本など全く手が出ないシロモノ、この辺で運良く入手できたのはよかった。
9/10  本日は愛書会初日。国会図書館の帰りに神保町へ。閉場30分前。急いで回るも特になし。注文品もなし。ATGのパンフが500円均一で幾つかあったが、特にめぼしいものなし。で、Kほり堂へ。ここで先日取り置きした三島由紀夫『旅の絵本』(講談社)初版凾付美800円と淡谷のり子『酒・うた・男』(春陽堂)初版カバ500円を購入。
9/11  先日届いた目録で江古田のO舎に注文したものおが届いた、秦豊吉訳『獅子狩の人他二篇』(春陽堂世界大衆文学全集)カバ欠1000円。やった、これ探していたもので、秦豊吉訳のエーヴェルス「プラーグの大学生」が入っている。秦訳で読んでみたかったのだ。
9/12  今日は阿佐ヶ谷まで芝居を見に行くので、ついでに高円寺によって中央線古書展を覗いてみる。注文品はなし、芝居の時間が迫っていたので急いで見て回り、遠藤周作『月光のドミナ』(新潮文庫)初カバ150円というのと、夏樹静子『女優X―伊沢蘭奢の生涯』(文藝春秋)カバ帯300円を拾う。で、急いで劇場のある南阿佐ヶ谷に向かい、芝居がはねた後に、阿佐ヶ谷をブラブラ、久しぶりだ。パール商店街の中にある小さな古書店で、『フィルムスペシャル’89』(フィルムアート社)1400円を購入。こおれ、例の雑誌「季刊フィルム」の特別号。
9/17  本日は朝から国会図書館に閉じこもりきり、なにせ明後日より2週間も休館となるのであれやこれやの忙しさ。で、帰りにそのまま神保町に来てみると、大体からして今日は何展だったかも忘れてい、閉場15分前に駆けめぐりながら、会場で今回の紙魚展目録を貰って、何か注文したっけとパラリとめくっていたところ、注文したっけどころじゃないよ、相場からすれば安めだからどうせ当たらないだろうが注文してみようと一つ注文していたじゃあないか。で、会場で谷崎潤一郎『愛すればこそ』(改造社)重版凾200円を拾う。こんなのの重版はとうに持っているが、初めてみる異装、背クロス平水色紙装というもの、第百四版。それでそれで、帳場でまさかと思いながら一応注文品確認して貰うと、何と当たっていた。長田幹彦『祇園囃子』(新小説社)初版凾欠竹久夢二木版装12000円。前の持ち主の誂え凾がついているが、どうもね。でもしかし表紙は夢二の木版装、大文字焼きをバックに大きく舞子姿、これはいい。コンディションもまあまあか。でも正直、今現在この出費はキツイ。それからKほり堂へ。そう、すっかり忘れていた、今日は五反田展でもあったのだ。明日こそは行くぞ五反田、でも国会があるし、行けるかな・・・・
9/18  本日は五反田遊古会の最終日。国会図書館混んでいて大変だったが、何とか作業をうち切り、16時30分に会場へ。パーッと外を見て、『映画評論』(66.9)300円を拾う。特集アンダーグラウンド罷り通る、で、足立正生のシナリオ掲載号のため。それから2階へ上がる。拾うものは・・・ない。三島由紀夫『美徳のよろめき』(講談社ロマンブックス)初1000円を購入。高い、500円くらいならとも思うが、ちょっと今必要なので仕方ない。で、注文した『鏡花全集』(春陽堂)全揃凾付美ただし1巻のみ凾欠15000円は、ハズレ。20人以上も注文があったそうだ。疲れた。
9/24  昼間、先日ヤフオクで落札した寺山修司『地平線のパロール』(人文書院)初版凾付1000円が届いていた。で、本日は都立中央図書館で作業した後、神保町へ。ギリギリと思っていたが、残念、会館に着いたのが丁度18時、そのままKほり堂へ向かう。今日はなにがしかの金が入ったので、今日こそは取り置き品の金をと思って意を決してきたのだ。で、取り置きして貰っていた、谷崎潤一郎訳『ウインダミーヤ夫人の扇』(天啓社)初版凾付22000円を購入。この金額は殊更今キツイわけだが、仕方あるまい。そこにたった今市場で落としてきたという明治から大正初期の鏡花初版本段ボール1凾分が届いた。しかも皆完本初版揃い、『婦系図』揃のカバー付やらあれやこれや、まあ一生に一度見られるかどうかの眼福本のオンパレードであった。それから三省堂に立ちよりちょっと必要あって高原英理『ゴシック・ハート』(講談社)を定価で購入。
10/2  本日は西部古書店。2日目だ。国会図書館の帰りに、衝動的に高円寺へ。昨日も国会に閉じこもりっぱなしだったので。注文品はない。で、会場に着いたのも閉場30分前だし、いつものようにサッーとみていく。で、まず拾ったのはアラン・バロック『アドルフ・ヒトラー』(みすず書房)2冊揃凾1800円。これ、三島の「わが友ヒットラー」のネタ本のひとつ。それから寺山修司『血は立ったまま眠っている』(思潮社)初カバ美1000円。これは安いんじゃないか。それからお勉強用に原武史『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社選書メチエ)カバ500円。で、三島由紀夫『複雑な彼』(集英社コンパクト・ブックス)初カバ100円。帯が欲しいところだが、まあいい。それから三島が編集に参加しているので参考用に『石原慎太郎文庫1』(河出書房)初凾月報100円。それからグスタフ・ルネ・ホッケ『文学としてのマニエリスム2』(現代思潮社)カバ1000円というのがあったのだが、待てよ、そういえば確かさっきこれの「1」の方を別の店の棚でみかけたぞ、と思い探してみると、あった『文学としてのマニエリスム1』(現代思潮社)カバ315円。安い、合わせて1315円。実は既に持っているが、これは安いと購入してしまう。で、高架下のT書店を覗いてみる。外の棚に、『現代アメリカ戯曲選集1』(竹内書店)初凾帯300円があった。2だけバラで持っていたので、これを購入、これで揃った。
10/12  帰宅してみると、先日ネットオークションで落札した『ベルナール・フォコン作品集』(トレヴィル)初カバ6100円が届いていた。
10/14  過日目録注文した品を、Kほり堂へ取りに行く。注文し確保したのは、谷崎潤一郎『細雪』(中央公論社)初版凾の中巻、下巻2冊、それぞれ著者毛筆校正書入本15000円、それと十一谷義三朗葉書2枚3000円、である。谷崎校正本! 上巻ないのが返す返すも残念だが、これがこんな値段でよいのか?! 出所(!)も確かだし、これは満足。「細雪」は他に署名本もあった。谷崎の自筆ものは、実はこれが初めてなのだ。もうちょっと直しが多ければ・・というのは贅沢だろうか。十一谷の葉書は、1枚は宛先と裏面に署名のみ毛筆、いま1枚はペン。さてしかし、青展の軍資金はどうしよう・・・。久米正雄『晴夜』初版凾付36000円も、実物見たらこれは欲しいという品物、夢二の木版装がよい、が、勿論買えず。『呪はれた戯曲』の初版凾付も魅力的だが、こんな金はない。
10/15  本日は城南古書展。お昼に電話確認。注文した、カジノフォーリー文芸部編『カジノフォーリー脚本集』(内外社)8000円はハズレ。凾欠かもしれないけどもこれは安めだと思うが当たっても金がない。国会図書館に籠もっていたら結局会場には間に合わず。
10/16  柏のT書林を久々に覗き、『国文学』幻想文学の手帖(88.3臨増)300円を購入。
10/22 本日は五反田散歩展初日。五反田なら仕方ない、国会図書館での作業を中断して一路五反田へ。といっても到着は閉場15分前。外など殆どよく見られず。とはいえ注文品があったのだ、コクトオ/澁澤龍彦訳『ポトマック』(薔薇十字社)初凾帯付3000円、東横劇場パンフ『黒蜥蜴/若きハイデルベルヒ』3000円、開高健『日本三文オペラ』(文藝春秋)初ビニカバ3500円、で、「ポトマック」はハズレ。注文は5人きたそうだが、澁澤関係の相場が下落傾向にある今、これ8000円だったら注文しなかったな。でもま帯ついて3000円は安いか。あとは実はまだ持ってなかった丸山明宏主演「黒蜥蜴」パンフが嬉しい。1968年の。1969年のバージョンは持っている。それから会場で拾ったのが、ラディゲ『ドルヂェル伯の舞踏会』(角川文庫)重版帯200円。これは嬉しい、屈折4年探し続けてきた帯。三島由紀夫の文章が入っているバージョンがあるのである。やっと見つけた。で、会計して貰って、T書林のご主人と話していると、こんなものがあると持ってきて見せてくれたのが、ジェームス・ケイン『郵便屋はいつも二度ベルを鳴らす』(日本出版協同)初カバ500円。これに三島序文があるが、これって未収録ではないか、とのこと。調べてみようと早速それも包んで貰った。
10/27  本日は新宿古書店最終日。昼過ぎに、まあ当たっていないだろうと今回注文した尾崎翠『アップルパイの午後』(薔薇十字社)新装版初カバ2000円について電話してみると当たりという。で、国会図書館に行く前に神保町に行き、受け取ってきた。さーっとだけみるが、なにも拾わず、そのまま国会へ直行。
10/29  本日は青展初日。朝6時起きで神保町に向かう。昨年に比べこの青展の話題をあまり聞かない。しかしマゴマゴしてしまい会場に着いたのは8時30分。先に友人と申し合わせて来たのだが、そおの友人が1番、私が2番。去年は、もう30人くらいいた時刻なのに何故、まさか会場を間違えたのではと焦る。10分後、やっと一人客が来る。やけに少ないな。で、開場時間10時には、そこそこ来ていたようだ。で、先頭なので目指す棚にまっしぐら、さあ素早く目を走らせ片端から拾うぞと思いきや、・・・拾うようなものがない。おっ、と思わず棚から引き抜いた夢二木版装の吉井勇『鴨川情話』300円は背表紙欠、高畠華宵装丁挿画の『人肉の市』(大日本雄弁会)300円は、背表紙欠、末広鉄腸『明治四十年』木版口絵入り700円は、背中セロテープでガッチリ・・・。この品薄感にガックリ。違う書店の棚にいってみると、何と、ほるぷの復刻版が一律500円でズラリ、しかもあまり見ないシリーズのだったので、もしやと思ったが『ふらんす物語』や『月下の一群』は無し、だが大手拓次『藍色の蟇』、荷風『墨東綺譚』私家版、伊良子清白『孔雀船』を拾う。『藍色の蟇』など復刻とはいえ総革天金。ほかに、谷崎潤一郎『お艶殺し』の戦前英訳本である「A SPRINGTIME CASE」(ジャパンタイムス社)500円を拾う。白水社から出た仏訳の『無明と愛染』が4000円であったがこれは高いだろう。その後鉄腸や『鴨川情話』やら、途中で幾つか拾った、確か発禁本だと思う『歌集無産者』とか、戻して、結局購入したのは、先の復刻本と、『人肉の市』と、英訳『お艶殺し』と、三島の「文楽椿説弓張月」掲載の『文楽床本集』200円と、お勉強用に『芥川龍之介文庫目録』(日本近代文学館)300円、戸井田道三『能』(毎日新聞社)初凾帯300円、それから読み物用に宇佐美承『池袋モンパルナス』(集英社文庫)300円を購入。何だか気負って来たわけだが、ガックリ。新宿伊勢丹も無くなり、青展もこれじゃあ正に暗澹たるものだ。それから三省堂会場に赴くが無し。昼食後、書肆アクセスに立ちより、田中栞『書肆ユリイカの本』(紅梅堂)限500部記番署名落款入500円を2冊購入。小宮山のガレージで『現代の文学11 三島由紀夫』(講談社)初版凾カバー500円を購入。これ持ってはいるが、所持本は凾・帯なのに対して、これは同じ初版で凾・凾カバー装なのだ。それから会場にまた戻ったりなんなり。
10/30  本日は所用の前に神保町へ。一日雨で外のワゴンは無し。即売会会場には昨日で見切りをつけたので、今日でもやっている三省堂の中の出店へ。といってもホントにチラと見ただけだが、面白そうな本をみつけ購入、『「戦後派」の研究」(養徳社)初カバ帯800円。戦後すぐの新聞雑誌記事から犯罪、性風俗、新興宗教、自殺、事件の記事をあれこれ引用して解説するというもの。で、東京堂に行き、田中栞『古本屋の女房』(平凡社)署落款特製栞付を定価で購入。それからいつものようにK堂に顔を出すと、昨日明治古典会で落札してきたという雪岱装丁本、鏡花本等々が新しく入荷、何でも10分くらい前に棚に刺したばかりとのことだが、そこから某書を1冊だけ購入。こんなものがこの価格! 取り置きにしたので購入したときに記したいが、これはよい買い物、昨日の不漁もこれで吹き飛んだ。
11/1  池袋リブロにて三島由紀夫『盗賊』『殉教』(新潮文庫)改版をそれぞれ定価で購入。
11/4  国会図書館の帰りに神保町へ、といっても19時を過ぎている。ただK堂へ取り置き品をとりにいったのだ。で、泉鏡花『日本橋』(千章館)再版凾欠背焼少痛8500円を購入。背中は真っ黒で背の角も少々痛んではいる。でも雪岱による表紙の木版はそれほど汚くなく、しかも見返しの木版は綺麗な状態。これは嬉しい買い物であった。
11/17  新刊書店にて三島由紀夫『文学的人生論』(光文社知恵の森文庫)を定価で購入。
11/27  おおなんと3週間ぶりに神保町。いままでこんなことはなかった。ま、浮世のアレで忙しかったから・・・。で、来たは良いがついたのは18時過ぎ。古書展はとっくに閉まり。最近は三島由紀夫の文庫だの文学全集ものだの妙にそんなものばかりに目がいき、G堂外台から三島の新潮文庫1冊100円を3冊拾う。単に改版前の重版ということから。で、T書店に。お、春陽堂世界大都会尖端ジャズ文学叢書が1冊あるじゃないか、と、その派手な表紙を手に取ったら、カバ欠だが4000円、ウムムと思いきや金もないし、知らない作家だしパスする。で結局購入したのは森茉莉の書簡集『ぼやきと怒りのマリア』(筑摩書房)初カバ帯2900円。定価高いし、古書で安く買えないかと捜していたもの。三島とのやり取りも出てくるし、これは面白い。で、それから東京堂へ行き、ここで保阪正康『真説光クラブ事件』(角川書店)を定価で購入。待望の1冊。所持金はなくなってしまったが、それからK堂にむかう。
11/29   ちょっと必要あってネットで注文した角川文庫の三島由紀夫『愛の渇き』改版初版カバ、『夏子の冒険』重版カバ各500円が届いた。
12/3  本日は和洋会初日。先週いけなかった趣味展で、某F書房がかなりよい棚であったとの由、今回の和洋会でもそれを期待して何と朝一番でむかう。会場には9時45分到着、そりゃ無論青展のようには並ばないが、開場でドドドと突入、目指すF書房の棚に・・・しかし、なかなか手に取るものがない(!)。そしてしばらくみていって、ガックリ。それでもまああれこれと抱えてみたのだが、どうもいけない。それで結局最終的に購入したのは、三島由紀夫『仮面の告白』(河出書房)3刷カバ欠200円と新居格『生活の窓ひらく』(第一書房)初版カバ帯欠500円それと雑誌「批評」(66.夏)200円。『仮面の告白』は、これで初版から第4版まで揃った。それからK堂に向かい、ダベリそして昼食。ウウムあれこれ入荷がある。それから高円寺へ。本日はまた西部古書展初日でもあるのだ(西武展は金土日の3日間開催)。ここでは和洋会と違ってちょっと注文をしている。赤瀬川原平『永久保存版 櫻画報』(青林堂)初凾3500円、『若松孝二作品集』(芳賀書店)カバ2000円、ワイルド『サロメ』(奢霸都館)初凾5000円、これらはハズレ、当たったのは『映画監督増村保造の世界』(ワイズ出版)カバ3150円、沢渡朔『新版少女アリス』(河出書房新社)初カバ2500円、CDブック『天井桟敷 邪宗門』(ブルースインターアクションズ)1890円。ま、サブカル系というか、そこらへんが安めだったので注文したものばかりである。増村保造の映画本は、定価が高かったのでうまく入手出来嬉しい。それから、会場で徳岡孝夫・ドナルド・キーン『悼友紀行』(中公文庫)初カバ105円と、三島が野坂と並び褒めていたので読んでみたかった井上光晴『地の群れ』(河出書房新社)初帯300円、それから雑誌「映画評論」の山があったので、そこから寺山だの足立だの金井勝や岡部道男などのシナリオ掲載号、キャンプ特集、など目を引くものを5冊、各200円、を購入。それから会場を出て高架下の幾つかの書店も覗いてみたが特になし。
12/4  新刊書店で雑誌『小説推理』(05.1)を定価で購入。
12/10  本日はまど展の初日。といっても、注文品もなく、仕事の都合で、神保町到着は18時過ぎ。それでもよいのだ。今日は神保町古本横町の古書Sに頼んでおいた探求書が届いた旨連絡を受けたので行ったのである。その前に書肆Hに立ちより、『三島由紀夫レター教室』(ちくま文庫)初版カバ500円を購入。ちょっと高めだが、初版なので仕方ない。これかなり売れたのでなかなか初版はない。こんなものの初版がどうたらといいたくないが、ちょっと仕事関連で入り用なのである。それからSに向かい同じく仕事関連で必要で捜していた中央公論社の「日本の文学」シリーズの『三島由紀夫』『森鴎外1』『川端康成』『尾崎一雄・外村繁・上林暁』『林房雄・武田麟太郎・島木健作』『尾崎紅葉・泉鏡花』『内田百間・牧野信一・稲垣足穂』の初版凾付をまとめて2000円で購入。これら、明記はされてないが三島編集本(名義だけでなく)。実は初版には帯がなかったとは今回初めて知った。それから隣のKほり堂にもいく。
12/11  杉並古書展にて注文した菊池寛『真珠夫人』(新潮社)初版凾付上下揃凾壊れ2000円ハズレの旨、電話確認。
12/18  国会図書館閉館後、五反田に向かおうかとも思ったが注文品は外れたし、時間もぎりぎりだったので諦め神保町へ。T書店を覗き、Kほり堂へ。本日は某書痴サイト忘年会オフ、参加者がわんさか来店。ここで、参加者のH氏に辻潤『痴人の独語』(書物展望社)限定600部凾欠献呈識語毛筆署名入を2000円で譲っていただいた、感謝! この本は以前から欲しかったもの、格安で譲っていただく。
12/25  以前ネット注文した古書が届いた、野添ひとみ『浩さんがんばったね』(講談社)初カバ520円。野添ひとみの若い頃知りたいために。